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2次関数のグラフ(入門)
2次関数のグラフ[標準形]
平方完成の変形
平方完成(演習)
同2
展開形→頂点の座標
同2
同3
同4
同5
2次関数→頂点の座標
頂点の座標(文字係数1)
頂点の座標(文字係数2)
放物線の頂点を図で示す1
放物線の頂点を図で示す2
放物線の頂点を図で示す3(展開形)
2次関数のグラフの平行移動
放物線の移動
同2
2次関数のグラフと係数の符号
センター試験問題 2次関数
2次関数の最大・最小(1)
同(2)
同(3)
同(4)
(t≦x≦t+1)のときの2次関数の最大値・最小値
条件付2次関数の最大値・最小値
2次関数のグラフと直線(文字係数)
解と定数の大小問題
絶対値付き関数のグラフ

== 放物線の移動 ==

《解説》
■ 原理的には,グラフの移動は,グラフ上の各点の移動をもとにして考えます.すなわち,グラフ上の各点を移動してできる新しい点を結んだものが新しいグラフです.高等学校の数学Iでは座標変換をもとにして数式変形で求めるのでなく,放物線の頂点の移動をもとにして,移動した放物線の方程式を求めます.
 次の表は,移動したグラフの方程式を求めるための座標変換による方法と頂点の移動をもとに考える方法を比較したものです.
移動の種類
座標変換による方法
頂点の移動をもとに考える方法
=数学Iでお勧めの方法
■ 平行移動
 Y=f(X)のグラフをx軸の正の方向にp,y軸の正の方向にqだけ平行移動してできるグラフの方程式:
 もとのグラフ上の点を(X,Y),移動してできる点を(x,y)とおくと
 Y=f(X)・・・(1)
 x=X+p・・・(2)
 y=Y+q・・・(3)
(2)(3)よりX=x-p,Y=y-qを(1)に代入すると
 y-q=f(x-p)
y=ax+bx+cのグラフをx軸方向にp,y軸方向にqだけ平行移動してできるグラフの方程式は
y-q=a(x-p)+b(x-p)+c
y=a(x-m)+nのグラフをx軸方向にp,y軸方向にqだけ平行移動してできるグラフの方程式は
y-q=a(x-m-p)+n
■ グラフの形は変わらない.
■ もとのグラフの頂点が(m,n)のとき,
これをy軸の正の方向にqだけ平行移動しでできるグラフの頂点は(m+p,n+q)にある.

 y=2(x-3)+4のグラフをx軸方向に5,y軸方向に6だけ平行移動したグラフの方程式は
 頂点が(3,4)→(8,10)だから
y=2(x-8)+10

■ y軸に平行な直線に関する線対称移動
Y=f(X)のグラフをx=sの直線に関して対称移動してできるグラフの方程式:
 もとのグラフ上の点を(X,Y),移動してできる点を(x,y)とおくと
 Y=f(X)・・・(1)
 (x+X)/2=s・・・(2)
 y=Y・・・(3)
(2)(3)よりX=2s-x,Y=yを(1)に代入すると
 y=f(2s-x)
y=ax+bx+cのグラフをx=sの直線に関して対称移動してできるグラフの方程式は
y=a(2s-x)+b(2s-x)+c
y=a(x-m)+nのグラフをx=sの直線に関して対称移動してできるグラフの方程式は
y=a(2s-x-m)+n
■ グラフの形は変わらない.
■ もとのグラフの頂点が(m,n)のとき,
これをx=sの直線に関して対称移動してできるグラフの頂点は(2s-m,n)にある.

 y=2(x-3)+4のグラフをx=5の直線に関して対称移動してできるグラフの方程式は
 頂点が(3,4)→(7,4)だから
y=2(x-7)+4

■ x軸に平行な直線に関する線対称移動
Y=f(X)のグラフをy=tの直線に関して対称移動してできるグラフの方程式:
 もとのグラフ上の点を(X,Y),移動してできる点を(x,y)とおくと
 Y=f(X)・・・(1)
 x=X・・・(2)
 (y+Y)/2=t・・・(3)
(2)(3)よりX=x,Y=2t-yを(1)に代入すると
 2t-y=f(x)
y=ax+bx+cのグラフをy=tの直線に関して対称移動してできるグラフの方程式は
2t-y=ax+bx+c
y=a(x-m)+nのグラフをy=tの直線に関して対称移動してできるグラフの方程式は
2t-y=a(x-m)+n
■ グラフの形は上下が逆になる.
■ もとのグラフの頂点が(m,n)のとき,
これをy=tの直線に関して対称移動してできるグラフの頂点は(m,2t-n)にある.

 y=2(x-3)+4のグラフをy=6の直線に関して対称移動してできるグラフの方程式は
 頂点が(3,4)→(3,8)だから
y=-2(x-3)+8

■ 点(s,t)に関する点対称移動
Y=f(X)のグラフを点(s,t)に関して対称移動してできるグラフの方程式:
 もとのグラフ上の点を(X,Y),移動してできる点を(x,y)とおくと
 Y=f(X)・・・(1)
 (x+X)/2=s・・・(2)
 (y+Y)/2=t・・・(3)
(2)(3)よりX=2s-x,Y=2t-yを(1)に代入すると
 2t-y=f(2s-x)
■ グラフの形は上下が逆になる.
■ もとのグラフの頂点が(m,n)のとき,
これを点(s,t)に関して対称移動してできるグラフの頂点は(2s-m,2t-n)にある.

 y=2(x-3)+4のグラフを点(5,6)に関して対称移動してできるグラフの方程式は
 頂点が(3,4)→(7,8)だから
y=-2(x-7)+8
(ここまでのまとめ)↓
《要点》

放物線の平行移動,線対称移動,点対称移動は,頂点の動きを考える.


《問題1》 次の各問いに答えなさい.答案は半角で記入するものとし,係数が0,1,-1に等しいときは,それぞれ0,1,-1としなさい.

 2次関数y=-(x-1)+3のグラフをx軸方向に2,y軸方向に-4だけ平行移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=x+2x+3のグラフをx軸方向に3,y軸方向に-1だけ平行移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=2(x-3)-1のグラフをx=2の直線に関して対称移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=2x-8x+1のグラフをx=-1の直線に関して対称移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=3(x-4)-1のグラフをy=3の直線に関して対称移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=2x-8x+1のグラフをy=-3の直線に関して対称移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=3(x+4)-1のグラフを点(0,3)に関して対称移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


 2次関数y=2x-12x+15のグラフを点(2,0)に関して対称移動してできるグラフの方程式を求めなさい.
y=()x+()


《問題2》 次の空欄に適当な数を埋めなさい.答案は半角で記入するものとし,係数が0,1,-1に等しいときは,それぞれ0,1,-1としなさい.

 2次関数y=2x-4x+5のグラフをx軸方向に[ ア ],y軸方向に[ イ ]だけ平行移動し,さらにそれをx軸に関して対称移動すると,y=-2x+12x-20となる.
ア=
イ=

 2次関数y=-x+4x-3のグラフをy軸に関して対称移動し,さらにそれを点(ウ,エ)に関して対称移動すると,y=x-4x+9となる.
ウ=
エ=

 2次関数y=[オ]x+[カ]x+[キ]のグラフを原点に関して対称移動し,さらにそれをx軸方向に3,y軸方向に-1だけ平行移動すると,y=2x-8x+9となる.
オ=
カ=
キ=

 2次関数y=ax+bx+cのグラフを点(3,4)に関して対称移動し,さらにそれを点(-2,1)に関して対称移動したグラフは,もとのグラフをx軸方向に[ ク ],y軸方向に[ ケ ]だけ平行移動したものと一致する.
ク=
ケ=

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