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== 2次不等式 ==
■■2次関数のグラフがx軸と2点で交わる場合■■
○ 初めに2次関数のグラフが谷形になるものについて考えます。
y=ax2+bx+cにおいて2次の係数aが正であるとき,グラフは谷形になります。
⇒ y=ax2+bx+c(ただし,a>0)は谷形

○  2次不等式
ax2+bx+c<0 (ただし,a>0
は,yの値がy=ax2+bx+cの値に等しいグラフ,すなわち
y=ax2+bx+c (a>0
のグラフを利用して解くことができます.
y=ax2+bx+ca>0のグラフでは
ax2+bx+cの値はy座標に等しいので,
ax2+bx+c<0
となるようなxの値の範囲はy<0となるようなxの値の範囲となります.(図の赤で示した部分)
y=ax2+bx+cx軸がx=α, βで交わるとき
y<0(すなわちyが負)となるのは
α<x<β
のときです.

※2次不等式の解き方を身に付けるためには,まず第1に,思い込みを捨てることが重要です.

○すなわち,これまでに習った1次不等式の解き方では


のように,問題文の不等号の向きと解の不等号の向きが対応しています.xの係数が負の場合は,逆向きになりますが,それでも対応しています.



○これに対して,
x2−3x+2<0
のような2次不等式では,問題文の不等号が<であるからといって,解の不等号の向きが
x<1x<2
となるのではなく,2次関数y=ax2+bx+cのグラフからyの符号が負になるようなxの範囲を探すことになります.
x2−3x+2>0
ではyの符号が正になるようなxの範囲を探すことになります.

※ここが核心※
不等式ax2+bx+c<0で求めているのはyの値の範囲ではなく,xの値の範囲です。(この式の変数はxだけ)

ここで2次関数y=ax2+bx+cを考えると、右辺は上の不等式の左辺の値となっています.
したがって、2次関数y=ax2+bx+cyの値は上の不等式の左辺の値になります。

そこで、2次関数のグラフを利用して,「yの値(符号)が負になる」ような「xの値の範囲」を求めるということです。


 同様にして
ax2+bx+c>0 (a>0)
ax2+bx+c≦0 (a>0)
ax2+bx+c≧0 (a>0)
も解けます.
《要約》
ax2+bx+c=0の解がx=α, β (α<β)のとき

問題がax2+bx+c<0 (a>0)なら,
答はα<x<β
マイナスは「間」

問題がax2+bx+c>0 (a>0)なら,
答はx<α, β<x
プラスは「両側」

問題がax2+bx+c≦0 (a>0)なら,
答はα≦x≦β
マイナスは「間」
等号付き

問題がax2+bx+c≧0 (a>0)なら,
答はx≦α, β≦x
プラスは「両側」
等号付き


[例1]
2次不等式x2−x−12<0を解け。
(答案)
2次方程式x2−x−12=0を解くと
(x+3)(x−4)=0より
x=−3, 4
「2次不等式の問題なのに」問われていない「2次方程式」について演説を始めることが重要
2次関数y=x2−x−12のグラフは
「2次不等式の問題なのに」問われていない「2次関数」を描くことが重要
グラフを描くためには、上で求めたx軸との交点の座標が必要になる・・・この問題を解くためには、頂点の座標などの正確な情報は不要。
グラフから、y<0すなわち
2次不等式x2−x−12<0を満たすxの値の範囲は−3<x<4…(答)
ここでようやく「2次不等式」の話に戻る。
マイナスになるのは「間(サンドイッチ)」が答

[例2]
2次不等式x2−x−120を解け。
(答案)
2次方程式x2−x−12=0を解くと
x=−3, 4
2次関数y=x2−x−12のグラフは
グラフから、y0すなわち
2次不等式x2−x−120を満たすxの値の範囲は
x−3 , 4x…(答)

 論理的に同じ内容を表していれば、次にように書いてもよい。
x−3 , x4
 筆者は、小さいものから大きいものへ左から順に並べていく書き方が「分かりやすく」「間違いにくい」と考える。
 例1と同様に、「不等式の問題を解くためには2次関数のグラフが必要、2次関数のグラフを描くためには2次方程式の解が必要」と考える。
 したがって、問われていなくても「2次方程式」→「2次関数」→「2次不等式」の順に述べることが重要。

プラスになるのは「両側」が答

※ 問題に等号が付いているから、答にも等号を付ける。

よくある#とんでもない答案#
この問題の答を4x−3と書いてはいけない。
4−3よりも小さいということはない。そもそも、4xx−3の両方を満たすようなxはなく、この問題の答となるxは2つの部分に分かれている。)
 一般に、「両側」形の範囲は、α≦x≦βの形にはまとめられない。

【問題】
グラフを参考にして,2次不等式の解を選びなさい.
(右から正しい選択肢をクリック)

(1)
2次不等式
x2−4x+3<0 の解は
1<x, 3<x

x<1, x<3

1<x<3

x<1, 3<x
(2)
2次不等式
x2+5x+6>0の解は
−3<x, −2<x

x<−3, x<−2

−3<x<−2

x<−3, −2<x
(3)
2次不等式
x2−4≧0の解は
x≧±2

x≦±2

−2≦x≦2

x≦−2, 2≦x
(4)
2次不等式
x2−3x+2≦0の解は







(5)
2次不等式
x2≦9の解は






(6)
2次不等式
x2−x−1≦0の解は






(7)
2次不等式
x2−2>0の解は






(8)
2次不等式
2x2−4x+1≦0の解は







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■[個別の頁からの質問に対する回答][2次不等式について/17.6.9]
ちょうどいい難易度と、分かりやすい解説でとても迅速に理解できました、ありがとうございました。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][2次不等式について/16.11.11]
練習問題が付いているのが、素晴らしいですね。理解が深まります。ありがとうございます。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][2次不等式について/16.10.16]
解説がとてもよくわかります
=>[作者]:連絡ありがとう.