![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 数と式不等式二次関数二次不等式三角比三角比と図形集合・命題・証明順列・組合せ確率整数の性質 ※高校数学Ⅰの「2次不等式」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので前後関係がよく分からないという場合は,他の頁を先に見てください. が現在地です. ↓2次不等式(D>0の場合) ↓同(D=0の場合) ↓同(D<0の場合) ↓2次不等式(まとめ) ↓絶対値付き ↓文字係数 ↓同(いろいろな問題) たすき掛け+連立不等式 |
〇文字係数の2次不等式を解くときは,できるだけ「因数分解」を試みて,文字の値の大小によって場合分けして答えます.
【例1】
2次不等式x2−(a+2)x+2a<0を解いてください.
左辺を因数分解すると
(解答)![]() 2次関数y=(x−2)(x−a)のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は a<x<2 ![]() 2次関数y=(x−2)2のグラフは右図のようになるから 2次不等式は「解なし」 ![]() 2次関数y=(x−2)(x−a)のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は 2<x<a |
【問題1】
(1)
解答を見る2次不等式x2−ax≧0を解いてください.
(解答)
x(x−a)≧0と変形でき, 2次方程式x(x−a)=0の解はx=0, a ![]() 2次関数y=x(x−a)のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は x≦a, 0≦x ![]() 2次関数y=x2のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は「すべての実数」 ![]() 2次関数y=x(x−a)のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は x≦0, a≦x |
(2)
解答を見る2次不等式x2−(a+3)x+(a+2)≦0を解いてください.
(解答)
(x−1)(x−a−2)≦0と変形できる 2次方程式(x−1)(x−a−2)=0の解はx=1, a+2
a<−1 ←→ a+2<1
a=−1 ←→ a+2=1 a>−1 ←→ a+2>1 に注意すると,次のように場合分けできる ![]() a+2≦x≦1 ![]() x=1 ![]() 1≦x≦a+2 |
【例2】
2次不等式x2−(2a+1)x+a(a+1)>0を解いてください.
左辺を因数分解すると
(解答)さらにa<a+1がいえるので (x−a)(x−a−1)>0と書ける. 2次方程式 (x−a)(x−a−1)=0 の解は x=a, a+1 (a<a+1) だから 2次不等式の解は x<a, a+1<x…(答) |
【問題2】
(1)
解答を見る2次不等式x2−3ax+2a2<0を解いてください.
(解答)
(x−a)(x−2a)<0と変形できる 2次方程式(x−a)(x−2a)=0の解はx=a, 2a ![]() 2次関数y=(x−a)(x−2a)のグラフは右図のようになる 2次不等式の解は 2a<x<a ![]() 2次関数y=(x−a)(x−2a)のグラフは右図のようになる 2次不等式は「解なし」 ![]() 2次関数y=(x−a)(x−2a)のグラフは右図のようになる 2次不等式の解は a<x<2a |
(2)
解答を見る2次不等式x2+(2a−1)x+a(a−1)>0を解いてください.
(解答)
(x+a)(x+a−1)>0と変形できる 2次方程式 (x+a)(x+a−1)=0 の解は x=−a, −a+1 (−a<−a+1) だから 2次不等式の解は x<−a, −a+1<x…(答) |
【例3】
(解答)2次不等式x2−(3a+1)x+2a(a+1)<0を解いてください. (x−2a)(x−a−1)<0と書ける. 2次方程式 (x−2a)(x−a−1)=0 の解は x=2a, a+1
ここで
ア)a<1のとき,2a<a+1だからア)2a<a+1 ←→ a<1 イ)2a=a+1 ←→ a=1 ウ)2a>a+1 ←→ a>1 2a<x<a+1 イ)a=1のとき,2a=a+1だから 解なし ウ)a>1のとき,a+1<2aだから a+1<x<2a |
【問題3】
(1)
解答を見る2次不等式x2+x−a(a+1)<0を解いてください.
(解答)
(x−a)(x+a+1)<0と変形できる 2次方程式(x−a)(x+a+1)=0の解はx=−a−1, a ![]() 2次不等式の解は a<x<−a−1 ![]() 2次不等式は「解なし」 ![]() 2次不等式の解は −a−1<x<a |
(2)
解答を見る不等式ax2−(a2+1)x+a<0を解いてください.
(解答)
![]() 右のグラフから分かるように, ア)a<−1のとき, 上に凸のグラフだから ![]() したがって,不等式の解は, ウ)−1<a<0のとき, したがって,不等式の解は, エ)a=0のとき, 0x2−(02+1)x+0<0 より −x<0 したがって,不等式の解は,x>0・・(答) ![]() 下に凸のグラフだから, 不等式の解は, カ) a=1のとき, したがって,不等式の解は,解なし・・(答) キ) 1<aのとき, したがって,不等式の解は, |
(3)
解答を見る不等式(a−1)x2+(3−a)x−2<0を解いてください.
(解答)
{(a−1)x+2}(x−1)<0と変形できる
今後の見通しを立ててみると
a≠1のとき,2次方程式 {(a−1)x+2}(x−1)=0の解は だから, ![]() ア) a<−1のとき, 上に凸だから,右下の図から不等式の解は, ![]() 右下の図から不等式の解は, ウ) −1<a<1のとき, 上に凸だから,右下の図から不等式の解は, エ) a=1のとき, 0x2+2x−2<0より不等式の解は,x<1・・(答) オ) 1<aのとき, 下に凸だから,右下の図から不等式の解は, |
【例4】
2次不等式x2−(a+1)x+(7−a)>0の解がすべての実数となるように,定数aの値の範囲を定めてください. ![]() ![]() 2次関数x2−(a+1)x+(7−a)のグラフが,右図のように (1) 下に凸のグラフでなければならない → x2の係数が正(1)だからこれは成り立っている.
※なぜ「下に凸」でなければならないか?
(2) x軸と共有点をもたないこともし,上に凸だったら,次のグラフのように両サイドで必ず負となってしまいつねに正になることはできないから,下に凸のグラフでなければならない → 判別式D<0で調べるのが早いが,判別式はまだ習っていないという場合は,放物線の頂点のy座標が正であると言っても同じ.
※よくある話:y座標が「つねに正」となる条件は「判別式D>0」ではないのか?という間違いが多い
(解答)判別式Dの符号はx軸との共有点の「個数」に対応しているのに対して,ここで調べているのは頂点のy座標. 実は, という平方完成の変形から言えば,頂点のy座標は すなわち だから,グラフが下に凸(a>0)のとき,頂点のy座標が正になるという条件は D<0 になります.
2次関数の頂点を求める計算で行くと
2次方程式(かなり長い計算の結果) となって,頂点のy座標が正になるという条件は すなわち a2+6a−27<0 となりますが,かなり冗長な答案になります. x2−(a+1)x+(7−a)=0 の判別式の符号が負になればよい. D=(a+1)2−4(7−a) =a2+2a+1−28+4a =a2+6a−27 =(a+9)(a−3)<0 より −9<a<3…(答) |
【問題4】
(1)
解答を見る2次不等式x2−kx+k(k−1)≧0がすべての実数xについて成り立つように定数kの値の範囲を定めてください.
D=0でもよい
![]() D<0でもよい ![]()
例題との違いで言うと,この問題では. . . ≧0という形で「等号付き不等号」になっている点をどう処理するかが焦点になります.
(解答)右図のようにD=0でもよいD<0でもよいのだから, まとめてD≦0と書けます. 2次方程式 x2−kx+k(k−1)=0 の判別式を調べる. D=k2−4k(k−1) =−3k2+4k≦0 3k2−4k≧0 k(3k−4)≧0 より |
(2)
解答を見る不等式ax2−2(a+1)x+(a+3)>0がすべての実数xについて成り立つように定数aの値の範囲を定めてください.
(注) a=0のときは,xの2次不等式にならず判別式も定義されませんが,その場合だけ1次不等式として処理します.そのために問題文を「2次不等式・・・」とせず,「不等式・・・」としてあります.
![]() ア) a≠0のとき
(1) a>0
(2)よりa2+2a+1−a2−3a<0
−a+1<0(2) D'=(a+1)2−a(a+3)<0 a>1 (1)(2)を満たすのはa>1 ![]() 元の不等式は,次の1次不等式になる −2x+3>0 この形の不等式は十分大きなxの値(例えばx=2)に対して成り立たないから,すべての実数xについて成り立つようにはできない. ア)イ)よりa>1…(答) |
(3)
解答を見る不等式(k−1)x2−kx+2k≧0がすべての実数xについて成り立つように定数kの値の範囲を定めてください.
(注) k=1のときは,1次不等式として処理します.
(解答)ア) k≠1のとき
(1) k>1
(2)よりk2−8k2+8k≦0(2) D=k2−8k(k−1)≦0 7k2−8k≧0 k(7k−8)≧0 (1)(2)を満たすのは ![]() 元の不等式は,次の1次不等式になる −x+2≧0 この形の不等式は十分大きなxの値(例えばx=3)に対して成り立たないから,すべての実数xについて成り立つようにはできない. ア)イ)より |
■[個別の頁からの質問に対する回答][2次不等式(文字係数)について/18.8.29]
【問題3】の(2)ですが、x^2の係数がaであることから、a<0の場合、上に凸のグラフになると思います。
そのため、例えばa=-1のとき、解なしとされていますが、不等式のaに-1を代入するとx<-1, -1<xになるなど、下記3つの解答が違っていませんか?
a<-1
a=-1
-1<a<0
また、上記の認識が正しい場合、【問題3】の(3)の下記3つの解答も違っているということになると思います。
a<-1
a=-1
-1<a<1
■[個別の頁からの質問に対する回答][2次不等式 ==(文字係数)について/17.9.30]
=>[作者]:連絡ありがとう.aが負の場合について,訂正します. スマホ版の数1-二次不等式-文字係数の問題4 (1)ですが問題文に出てくる
二次不等式(x2-(k+1)x+k(k+1)≧0)と解答で使用してる二次方程式(x2-kx+k(k-1)=0)が違うので答えが間違ってると思います
=>[作者]:連絡ありがとう.2,3日前に作成した問題で,点検ミスがありましたので訂正しました. ※謝罪が先だろう!という正論がありそうかなとも考えつつ,点検担当者がいないため,結局読者が点検をやってくれている場合が多いなと,持ちつ持たれつの関係で成り立っているのかなと感心しています. |
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