*** 数学V(三角,無理,指数,対数関数を含む) ***
定積分の基本 定積分の置換積分 同(2) 定積分の部分積分 無理関数の定積分 三角関数(絶対値付き)の定積分 limΣと定積分の関係 閉曲線で囲まれた図形の面積 同(2)媒介変数 同(3) 定積分の漸化式 曲線の長さ |
〇関数 を で微分すると になります. これは次のように書かれることもあります. 〇この他,関数 や などを で微分しても になります. ………
Cは定数)
の形の関数を微分すると,いずれも (2xになります.〇一般に関数f(x)が与えられたとき,F'(x)=f(x)となるとき,それぞれの関数F(x)はf(x)の原始関数を表しますが,原始関数全体の集まりを表すには f(x)の原始関数の1つをF(x)とするとき
(Cは任意定数)
になります.
【まとめ】
〇F'(x)=f(x)のとき,F(x)をf(x)の原始関数という.
≪例≫
〇f(x)の原始関数全体の集合x2は2xの原始関数 (Cは任意定数) をf(x)の不定積分という.
≪例≫
は2xの不定積分 |
【定積分と微分の関係】 〇定積分は,原始関数を使って表されます.すなわち,f(x)の原始関数の1つをF(x)とするとき
上で述べたように,原始関数はF(x)+Cの形の関数でCの値が何であってもよいのですが,
定積分の計算は引き算になるので のようにCを付けていても「引き算で消えてしまいます」. そこで,不定積分の話をするときには,積分定数Cを忘れないように!と教えておきながら,定積分の話をするときにはC=0の形,すなわちCが付いていない形F(x)を使います. よい子の皆さんに,なぜ無駄なCを教えたんだよ〜 定積分ではCは消えますが,他の場面ではよく使います.Cは無駄ではありません
※■用語と言い回し方■
(1) 現行の(平成30年告示)高等学校学習指導要領数学には,原始関数という用語は登場しない. (2) 大学数学の教科書では,原始関数という用語を使わず,不定積分と定積分という用語だけで書かれることが多い. (3) 高校数学U,Vの教科書では,ほとんどの場合(感覚的には99%以上!)「f(x)の原始関数の1つをF(x)とする」と表現し,「f(x)の1つの原始関数をF(x)とする」とは言わない.(この例外を,平成25年発行のS社数学U 199頁で1箇所だけ見たことがある) 「f(x)の原始関数の一つをF(x)とする」とも書かない. ※なぜかという理由は,この教材の筆者には言えない.ただ,事実としてそうなっているのです. |
〇定積分で定義される関数が表している内容を考えるには,原始関数を使って書き直すとよい.
【例1】
(解答)a, bを定数とするとき を求めるには f(t)の原始関数の1つをF(t)とおくと ここで,a, bは定数だから,F(a)−F(b)は定数. 定数を微分すると0になるから …(答)
【例2】
(解答)aを定数とするとき を求めるには f(t)の原始関数の1つをF(t)とおくと ここで だから
(参考)
積分変数tと被積分関数f(t)が変数として対応していれば原始関数F(t)は求められます. 定積分では,求めた原始関数F(t)に,積分区間の上端の値bと下端の値aを代入して引くので,結果として変数tは残りません. だから「問題が他の積分変数で書かれていても」同じ答えになります. 実は,積分変数と積分区間の上端が同じ文字xを使って問題が書かれていても,同じ結果になります. これに対して,微分する変数と積分区間の上端が無関係な変数である場合 において,F(t)−F(a)はxの関数ではないから,これをxで微分すると0になります.
【重要】
a, bを定数とするとき (1) 定積分 は,積分区間の上端xの関数になる. 積分変数tの関数ではない. (2) 定積分 は,下端tの関数になる. 積分変数xの関数ではない.
【例3】
(解答)bを定数とするとき を求めるには f(t)の原始関数の1つをF(t)とおくと ここで だから |
※次の問題は,上に述べた例とほぼ同じ内容です. 【問題1】 (選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
a, bを定数とするとき を求めてください. |
(2)
aを定数とするとき を求めてください. |
(3)
aを定数とするとき を求めてください. |
(4)
を求めてください. |
【例題1】
のとき, 定数aの値及び関数f(x)を求めてください. (解説) f(t)の原始関数の1つをF(t)とおくと ここで だから 右辺をxで微分すると2x−3 ゆえに f(x)=2x−3…(答) 定積分において,積分区間の下端と上端が等しいときは,被積分関数が何であっても積分は0になります.(これは公式です) したがって, この2次方程式を因数分解によって解くと a=1, 2…(答)
※このようにして求めたaの値は必要条件(これ以外には解がないこと)ですが,十分性の証明は,f(x)を用いて実際に積分してみると分かります.
ここで,a=1, 2のとき, だから が成り立つ.ただ,教科書や参考書では,十分性の証明までは要しないと考えられているようです. |
【問題2】 (選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
のとき,関数 f(x) を求めてください. |
(2)
のとき,定数aの値を求めてください. |
(3)
のとき,定数aの値を求めてください. |
(4)
のとき,定数aの値を求めてください. |
【例題1】
のとき,関数f(x)を求めてください. (解説) 下端と上端が定数である定積分は定数であるから (kは定数) とおける. f(x)=2x+k として,右辺の積分を計算すると この方程式を解くと k=−4 f(x)=2x−4…(答)
【要点】
は定数とおける f(x)の関数形が決まる |
【問題3】 (選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
のとき,関数f(x)を求めてください. |
(2)
を満たす関数f(x)は,f(x)=ウである. (立教大2016年度入試問題)
|
(3)
を満たす関数f(x)を求めてください. |
(4)
を満たす関数f(x)を求めてください.
初めに,右辺の第2項でxは積分変数tと無関係な定数なので,積分記号の前に出します.
下端と上端が定数である定積分は定数であるから (kは定数) とおける. 両辺をxで微分すると として,右辺の積分を計算すると この方程式を解くと …(答) |
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