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※高校数学Ⅱの「定積分」について,このサイトには次の教材があります.
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定積分
同(2)
同(3)
定積分で定義される関数
面積
絶対値付き関数の積分
曲線で囲まれた図形の面積(1)-現在地
曲線で囲まれた図形の面積(2)
曲線で囲まれた図形の面積(3)
体積
==面積==
~教科書入門レベル/楽しいワーク~
(1) 区間a≦x≦bにおいて,つねにf(x)≧0が成り立つとき
 例えば,右図の水色部分
 x軸,x=aの直線,
 x=bの直線,
 曲線y=f(x)
で囲まれる図形の面積S
S=abf(x)dx…(1)


【例題1】
 放物線y=4−x2x軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.

x軸との交点の座標は,(−2, 0), (2, 0)で,区間−2≦x≦2でつねにy=4−x2≧0だから
S=22(4x2)dx
=[4xx33]22
=(883)(8+83)
=323…(答)


【問題1-1】
 放物線y=x2と直線x=1x=2およびx軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る

【問題1-2】
 放物線y=−x2+4xx軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る

(2) 区間a≦x≦bにおいて,つねにf(x)≦0が成り立つとき
 例えば,右図の桃色部分
 x軸,x=aの直線,
 x=bの直線,
 曲線y=f(x)
で囲まれる図形の面積S
S=abf(x)dx…(2)


【例題2】
 放物線y=x2−2xx軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.

x軸との交点の座標は,(0, 0), (2, 0)で,区間0≦x≦2でつねにy=x2−2x≦0だから
S=02(x22x)dx
=[x33x2]02
={(834)(0)
=43…(答)


【問題2-1】
 放物線y=x2−2x−2と2直線x=0, x=2およびx軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る

【問題2-2】
 放物線y=x2−x−2x軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る

【例題2'】
 y=x3−3x2+2xx軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.

x軸との交点を調べる
x3−3x2+2x=0
x(x2−3x+2)=0
x(x−1)(x−2)=0
x=0, 1, 2
区間0<x<1x軸の上にあり,1<x<2x軸の下にあるから
S=01(x33x2+2x)dx12(x33x2+2x)dx
=[x44x3+x2]01[x44x3+x2]12
={(141+1)0}{(48+4)(141+1)
=12 …(答)

【重要】
x軸よりも上にある区間とx軸よりも下にある区間に分けて計算する.
• 単純に全体を通した定積分を求めると,符号が付いたままで面積の計算をすることになり,正負が打ち消しあって,消えてしまう.

【問題2'-1】
 y=x(x+2)(x−1)x軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る

【問題2'-2】
 y=x2−2x−3と2直線x=−2, x=1及びx軸とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る

(3) 区間a≦x≦bにおいて,つねにf(x)≦g(x)が成り立つとき
 例えば,右図の緑色部分

-図3-1-
 曲線y=f(x)
 曲線y=g(x)
 および,直線x=ax=bで囲まれる図形の面積S
S=ab{g(x)f(x)}dx…(3)
• この公式(3)において,図3-1中のx軸よりも上にある部分-上?-や,x軸よりも下にある部分-下?-の面積は,結果に影響していないことに注意.要するに,公式としては
S=ab{(上)(下)}dx
と書いてあり,x軸よりも上にある部分,x軸よりも下にある部分がどれだけあるかに関係なく成り立つ.

-図3-2-

-図3-3-

• 公式(3)は,グラフ全体をy軸の正の向きに十分な大きさだけ平行して,x軸よりも上の部分だけになるような図を用いて証明できる.
 平行移動しても面積の大きさは変わらないから,求める図形の面積は,公式(1)によりa≦x≦bにおいてy=g(x)よりも下にある図形の面積
S1=abg(x)dx
と,y=g(x)よりも下にある図形の面積
S2=abf(x)dx
の差で求められるから
S=abg(x)dxabf(x)dx
=ab{g(x)f(x)}dx ■証明終わり■
• 同様に,図3-3のようにグラフ全体をy軸の負の向きに十分な大きさだけ平行して,x軸よりも下の部分だけになるような図を用いて,公式(2)を使っても証明できる.
S=abf(x)dx(abg(x)dx)
=ab{g(x)f(x)}dx ■証明終わり■
• 重要な関係として,公式(1)と公式(2)は,公式(3)の特別な場合と見ることができる.
 すなわち,公式(1)は「上側の曲線がy=f(x)」「下側の曲線がy=0」となっている場合だから,公式(3)を使えば
S=ab{f(x)0}dx=abf(x)dx
になる.
 また,公式(2)は「上側の曲線がy=0」「下側の曲線がy=f(x)」となっている場合だから,公式(3)を使えば
S=ab{0f(x)}dx=abf(x)dx
 結局,(1)(2)(3)とも
S=ab{(上)(下)}dx
にまとめられることになる.

【例題3】
 y=x2+2x−2と直線y=xとで囲まれる図形の面積を求めてください.

曲線と直線の交点を調べる
x2+2x−2=x
x2+x−2=0
(x+2)(x−1)=0
x(x−1)(x−2)=0
x=−2, 1
−2≦x≦1y=xの直線がy=x2+2x−2の曲線の上にあるから
S=21{x(x2+2x2)}dx
=21(x2+x2)dx
=[x33+x222x]21
={(13+122)(83+2+4)}
=92 …(答)


【問題3-1】
 y=x2−2x−2y=−x2+4x−2で囲まれる図形の面積を求めてください.
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【問題3-2】
 y=2x3−6x+1y=2x+1とで囲まれる図形の面積を求めてください.
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(4) 区間α≦y≦βにおいて,つねにp(x)≧0が成り立つとき
 例えば,右図の黄色部分
 y軸,
 y=αの直線,
 y=βの直線,
 曲線x=p(y)
囲まれる図形の面積S
S=αβp(y)dy

 この公式は,このページの先頭に書いてある公式(1)において,xの役割とyの役割を入れ替えたものです.
 同様にして,次の公式も成り立ちます.
(5) 区間α≦y≦βにおいて,つねにp(x)≦0が成り立つとき
 例えば,右図の赤色部分
 y軸,
 y=αの直線,
 y=βの直線,
 曲線x=p(y)
囲まれる図形の面積S
S=αβp(y)dy

(6) 区間α≦y≦βにおいて,つねにf(y)≦g(y)が成り立つとき

-図5-
 
例えば,右図の緑色部分
 曲線x=f(y)
 曲線x=g(y)
 および,直線y=αy=βで囲まれる図形の面積S
S=αβ{g(y)f(y)}dy…(3)
• この公式(5)は
S=αβ{(右)(左)}dy
と考えるとよい.

【例題4】
 放物線x=y2と直線x=−y+2とで囲まれる図形の面積を求めてください.

曲線と直線の交点を調べる
y2=−y+2
y2+y−2=0
(y+2)(y−1)=0
y=−2, 1
−2≦y≦1x=−y+2の直線がx=y2の曲線の右側にあるから
S=21(y+2y2)dy
=[y33y22+2y]21
={(1312+2)(8324)
=92 …(答)


【問題4-1】
 x=y2−2yx=−y2+4yとで囲まれる図形の面積を求めてください.
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【問題4-2】
 x=y2−4と2直線x=−y+2x=y−2とで囲まれる図形の面積を求めてください.
解答を見る
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