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== 定積分:基本計算 ==
○ 定積分の計算をするときは,原始関数(不定積分から定数Cを取り除いたものを使えばよい)に上端,下端の値を代入して差を取ります。数IIでは多項式だけを扱い,不定積分には次の公式を使います。
の不定積分】
nが正の整数(1, 2, 3, …)のとき
…(1)
ただし
…(2)
一般に定数項の積分は
…(3)
(注)
の省略と決まっており,
などと間違ってはいけない.
(1)の不定積分を利用する定積分の計算の例


(2)の不定積分を利用する定積分の計算の例

(3)の不定積分を利用する定積分の計算の例


【問題1】 次の定積分を求めてください.(選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)


(2)

4 8 12 16

(3)

0 1 2 3

(4)

4 9 16 25

【積分変数がx以外の場合】
を積分変数といいます.
○不定積分では関数が残るので,計算の結果は積分変数に依存しますが,定積分では原始関数に上端・下端の値を代入するので積分変数は計算結果に残りません。
○このように定積分では,積分変数を入れ替えても結果は変わらず,関数形と積分区間の上端・下端の値だけが重要です。
○積分変数が以外の文字であっても,同じように計算できます.「被積分関数と積分変数が同じ変数で書かれていること」だけが重要です.
【不定積分】
←別→
【定積分】
同じ



【問題2】 次の定積分を求めてください.(選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)

6 8 10 12

(2)


(3)


(4)

0 2 4 6

【被積分関数が積の形になっているとき】
の内部 (被積分関数という) が積の形になって
いるときは,展開してから不定積分を求め,定積分を行います.
※別々に積分したものを後から掛けても,正しい結果になりません.
【要点】多項式は,展開してから積分する.
≪例1≫

≪例2≫

≪参考≫ 数学Uでは,「多項式は展開してから積分する」というのが基本ですが,発展学習として次の公式まで含める場合があります.(不定積分に関して)
 この公式は,数学U+数学Bの範囲では,数学的帰納法で証明できますが,数学Vでは合成関数の微分法もしくは置換積分の内容となっています.



【問題3】 次の定積分を求めてください.(選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)


(2)


(3)


(4)

11 9 7 5

■[個別の頁からの質問に対する回答][定積分:基本計算について/17.8.16]
分かりやすいです 中身が何乗になってるときの公式(説明下手ですみません)とか他の公式も一緒に教えてほしいです泣
=>[作者]:連絡ありがとう.質問と回答とが正確に対応しているかどうか分かりませんが,この教材は数学Uの定積分の教材です.
参考書や授業の中では,確かに1次式のn乗の積分を扱う場合もあるようですが,その証明には置換積分(または合成関数の微分法)を必要としますので,数学Uで教えるのは無理があるようです.したがって,数学Uで扱っている場合は,ただ単に頭ごなしに「覚えとけ!」と言っているだけで良心的な教え方には見えないので私の場合は数学Vで教えるようにしています.

■[個別の頁からの質問に対する回答][定積分:基本計算について/17.8.11]
変数文字の種類である程度想定できるので、問題としては同じ文字を使った方が良い感じがした。 久々に(40年ぶりに)定積分を説いてみた。意外と面白い。
=>[作者]:連絡ありがとう.ある程度分かっている人の感想のようですが,この小項目は「区間の両端が定数であるとき,積分変数と被積分関数が同じ文字であれば,定積分の値は内部変数の種類に依存しない」ということを学ぶための教材なので,異なる変数で練習しないとそもそも練習にならないのです.
「それらはみな同じものだ」ということが分かっていると,何をクドクドと同じ話を繰り返しているのかというように見えますが,あなたはそのハードルを昔に無事に通過しているので,何がハードルなのか頼りなく感じるのかもしれません.

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