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*** 高卒から大学初年度程度 ***
逆三角関数の微分法 マクローリン展開 偏微分

== 微分係数 ==
◇解説◇
【平均変化率とは】
 中学校の数学で,「変化の割合」と呼ばれるものを高校では「平均変化率」といいます。
 関数 y = f(x) において, x の値が a から b まで変化するとき,
    x の増分 Δx = b−a

    y の増分 Δy = f(b)−f(a)
の比 

を,xa から b まで変化するときの平均変化率といいます。

(平均変化率は次図で直線 AB の傾きに対応しています。)
【例】
(1) 関数 y = x2 において, x の値が 1 から 2 まで変化するときの平均変化率は
   = 3

(2) 関数 f(x) = x2 において, x の値が 1.0 から 1.1 まで変化するときの平均変化率は

   = = 2.1

(3) 関数 y = 2x2 において, x の値が 1 から a まで変化するときの平均変化率は
   = = 2(a+1)

(4) 関数 f(x) = 2x2 において, x の値が 1 から 1+h まで変化するときの平均変化率は
   = = 4+2h



◇問題1◇ 次の平均変化率を求めなさい。
○採点は,後でまとめて行います.
○分からないときはを押すと途中計算が出ます.
(1) 関数 y = 3x2 において, x の値が 1 から 3 まで変化するときの平均変化率

=
(2) 関数 f(x) = x2 において, x の値が 1.00 から 1.01 まで変化するときの平均変化率

=
(3) 関数 y = 3x2 において, x の値が 1 から b まで変化するときの平均変化率



= (b+1)
(4) 関数 f(x) =−2x2 において, x の値が 2 から 2+h まで変化するときの平均変化率

=−−2h
◇微分係数◇
 平均変化率の計算において, x の増分Δx を限りなく 0 に近づけるとき,ΔxΔy0 に近づきますが,その比はなくなりません。
 右の図において, は分母も分子も 0 に近づき,

いわゆる不定形の極限になりますが,極限値はあります。
 この極限値が,微分係数です。(右の図で点Aにおける接線の傾きに対応しています。)
◇微分係数の定義◇

 関数 y = f(x)x = a における微分係数を f’(a) で表わし,次の式で定義します。

◎ f’(a) =  ··· これが使いやすい。

○ f’(a) =  ··· この書き方もある。

○ f’(a) =  ··· この書き方もある。

微分係数の定義には,上の3つの式が使われますが,数IIでは◎が使いやすいでしょう。2つ目の式は,Δx2 などの記号を間違って使うおそれがあります。3つ目の式は,計算が複雑になります。  

(例1) f(x) = x2 のとき,f’(3) を求めなさい。

(答案A)
f’(3) = =

= = (6+h) = 6



(答案B)
f’(3) = =

= = (6+Δx) = 6


注 上の(Δx)2 の代わりに Δx2 と書くとダメです。数学では,Δx2 は別の意味になります。


(答案C)
f’(3) = =

= = (x+3) = 6


(例2) f(x) = x2−x のとき,f’(a) を求めなさい。

(答案A)
f’(a) =

=

=

=

= (2a−1+h) = 2a−1


(答案B) (答案C) ··· 略

(話題)
1 数学の教材では,「それ以前に習った内容」は全部前提になります。(例1)の(答案A)の説明で ···  f(x) の f はどこへ行った? ··· という質問が意外に多い。(昔習ったことなので覚えていないらしい。)
次の式を見て,思い出してください。

f(x) = x2 のとき,
  f(3) = 32
  f(3+h) = (3+h)2

2 数IIで登場する微分係数は,導関数の導入的な働きをしていて,後で習う導関数(微分)に x の値を代入すれば簡単に得られます。


◇問題2◇ 次の微分係数を求めなさい。
○採点は,後でまとめて行います.
○分からないときはを押すと途中計算が出ます.
(1) f(x) = 2x2 のとき,f’(3) を求めなさい。


=
(2) f(x) = 3x+1 のとき,x = 1 における微分係数を求めなさい。


=
(3) f(x) =−x2 のとき,f’(a) を求めなさい。


=
(4) f(x) = x2+x+1 のとき,f’(b) を求めなさい。




= +1

◇解説◇(発展問題)
(例1)
次の式を f’(a) で表わしなさい。


(考え方)
微分係数の定義 f’(a) =  が利用できるように変形します。特に,

= f’(a) が成り立つことに注意して,

= f’(a) を作ります。

−−−−−−−−−

= ·

= ×2 = 2f’(a)
(例2)
次の式を f(a),f’(a),g(a),g’(a) を用いて表わしなさい。




=

=

= { ( )g(a)−f(a) ( ) }

= f’(a)g(a)−f(a)g’(a)

■問題3 次の式をf(a), f'(a) を用いて表わしなさい。
(1) 


= f’(a)
(2) 


= f(a)−f'(a)
(3) 


= f(a)− f’(a)
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■[個別の頁からの質問に対する回答][微分係数について/17.6.2]
問題2 (4)式の最後の方で、2bh+h^2+h / h となりますがその次で、分子全体をhで括ったらだめなんでしょうか?
=>[作者]:連絡ありがとう.それでよいです.
■[個別の頁からの質問に対する回答][微分係数 について/17.1.24]
わかりやすいです!
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][微分係数について/16.12.4]
例2 答案A f&rsquoになっています
=>[作者]:連絡ありがとう.セミコロンが1つ抜けていましたので追加しました.