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※高校数学Ⅱの「微分・導関数」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください.  が現在地です.
平均変化率,極限値
不定形の極限
微分係数
導関数の定義
微分係数,導関数の定義(問題)
導関数の公式(問題)
導関数の符号,求め方
増減表
増減,極値,グラフ
絶対値付き関数の増減(問題)
最大値,最小値
最大最小,文字係数とグラフ(問題)
接線の方程式
センター試験の数Ⅱ微積
==微分法(数学Ⅱ/教科書レベル基本問題1)==
《平均変化率,関数の極限,極限値から定数を求める問題》
【平均変化率】
(1) 
xの値がaからbまで変化するときの関数y=f(x)の値の平均変化率は
f(b)f(a)ba
(2) 
xの値がaからa+hまで変化するときの関数y=f(x)の値の平均変化率は
f(a+h)f(a)h
【例題1】
 関数f(x)=3x2+2x−4について,xの値が1から3まで変化するときの平均変化率を求めてください.
(解答)
f(3)f(1)31=2912=14・・・(答)
【問題1-1】
 関数f(x)=2x2+3x+4について,xの値が0から3まで変化するときの平均変化率を求めてください.
採点する
【問題1-2】
 関数f(x)=−2x+3の区間(−1≦x≦2)における平均変化率を求めてください.
採点する
【問題1-3】
 関数f(x)=x2−2x+3xの値がaからbまで変化するときの平均変化率を求めてください.(ただし,a<bとする)
a+b−
採点する
【関数の極限値】
 xの値がaと異なる値をとりながら限りなくaに近づくとき,関数yの値が限りなく定数bに近づくとき,xaに近づくときの,yの極限値はbであるといい
limxaf(x)=b
で表す.
x→aのときf(x)→b
と書くこともある.
(備考)
(1) 高校数学では(数学Ⅱ,数学Ⅲのいずれも),「限りなく近づく」ということの厳密な定義を行わずに,直感的に理解できる範囲の内容を扱う.
 「限りなく近づく」ということの厳密な定義は,19世紀になってからコーシーやワイエルシュトラスによりε-δ論法として確立された.
 ε-δ論法は大学で習う・・・高校では扱わない.
 高校では,「限りなく近づく」とか「関数の極限」について厳密な定義を習わないので,例えば,次のような問題は出さない,証明できない
×x→0のときx+1→1になることを証明せよ.
×x→1のときx2+1→2になることを証明せよ.
 しかし,次のような結果は証明なしに答えてよい.答えなければならない
x→0のときx+1→1
limx1(x2+1)=2
【数学Ⅱの答案で黙って使ってよい極限値1】
x=aのとき関数f(x)の分母が0になるなどの「あやしいこと」がないとき
limxaf(x)=f(a)
数学Ⅱに登場する多項式で,分母が0になるなどの心配がないものについては,「極限値」limxaf(x)の代わりに,値を代入しただけの「関数値」f(a)を使ってよい.(これらが等しいことが分かっているから)
【例題2-1】
(1) limx0(x2+2x+3)
(2) limx1(x23)
(3) limx2x(x+1)(x+2)
(解答)
(1) x=0を代入すると02+2×0+3=3(←関数値)だから
limx0(x2+2x+3)=3 (←極限値)・・・(答)
(2) x=1を代入すると12−3=−2(←関数値)だから
limx1(x23)=2 (←極限値)・・・(答)
(3) x=2を代入すると2×3×4=24(←関数値)だから
limx2x(x+1)(x+2)=24 (←極限値)・・・(答)

【数学Ⅱの答案で黙って使ってよい極限値2】
• そのまま代入すると分母が0になるときは,
「約分によって分母が0になる原因を取り除いてから」値を代入するとよい
【例題2-2】
(1) limx0x2+2xx
(2) limx1x21x1
(3) limx2x23x+2x2
(解答)
(1) そのままx=0を代入すると分母が0になって,分数が定義できないが,分母と分子をxで約分すると
x2+2xx=x(x+2)x=x+2
となって,x=0を代入できるようになる.
limx0x2+2xx=limx0x(x+2)x
=limx0(x+2)=2・・・(答)
x→0のときに,xで約分するということは,0で割ることにならないか?
--------
 最初の定義をよく見ると,「xの値がaと異なる値をとりながら限りなくaに近づくとき」と書いてあるので,x→0のときは,xは0以外の値をとりながら,0に近づくので,xで約分しても,0で割ったことにならないのです.
(2) そのままx=1を代入すると分母が0になって,分数が定義できないが,分母と分子をx−1で約分すると
x21x1=(x1)(x+1)x1=x+1
となって,x=1を代入できるようになる.
limx1x21x1=limx1(x1)(x+1)x1
=limx1(x+1)=2・・・(答)
(3) そのままx=2を代入すると分母が0になって,分数が定義できないが,分母と分子をx−2で約分すると
x23x+2x2=(x1)(x2)x2=x1
となって,x=2を代入できるようになる.
limx2x23x+2x2=limx2(x1)(x2)x2
=limx2(x1)=1・・・(答)

【問題2-1】
 次の極限値を求めてください.
limx1x2+x2x1=
採点する
【問題2-2】
 次の極限値を求めてください.
limx2x24x25x+6=
採点する
【問題2-3】
 次の極限値を求めてください.
limx2x38x24=
採点する
【数学Ⅱの答案で黙って使ってよい極限値3】
 高校数学のやり方としては,少しずつ近づけて,どこへ向かうかが言えればよい.(直感的な考え方)
(1) limx1x=0
右図の赤矢印
x=10, 100, 1000, 10000, ・・・のとき
1x=0.1, 0.01, 0.001, 0.0001, ・・・となるから
limx1x=0
(2) limx1x=0
右図の黄色矢印
x=−10, −100, −1000, −10000, ・・・のとき
1x=−0.1, −0.01, −0.001, −0.0001, ・・・となるから
limx1x=0
(3) limx+01x=
x→+0とは,0よりも大きな値をとりながら0に限りなく近づくことを言う.)
右図の青矢印
x=0.1, 0.01, 0.001, 0.0001, ・・・のとき
1x=10, 100, 1000, 10000, ・・・となるから
limx+01x=
limx+01x=+と書いてもよい

(4) limx01x=
x→−0とは,0よりも小さな値(負の値)をとりながら0に限りなく近づくことを言う.)
右図の緑色矢印
x=−0.1, −0.01, −0.001, −0.0001, ・・・のとき
1x=−10, −100, −1000, −10000, ・・・となるから
limx01x=
(参考)
limx01x
の場合は,ア)正の値をとりながら0に近づく場合,イ)負の値をとりながら0に近づく場合,ウ)正負の値を振動しながら0に近づく場合の,いずれかによって、極限値が変わり,どの場合なのかが指定されていないから,極限値は決まらない.極限値なしとする.
 もともと,に近づく場合も,は特定の値でないので「極限なし」と書くこともあるが,「極限なし」の中でも「限りなく大きくなって,極限がない場合→+」「限りなく小さくなって,極限がない場合→−」「絶対値が限りなく大きくなるが,振動して符号が定まらない場合→±」のように分けることができ,無限という記号を使って表すことも多い.
【問題3-1】
 次の極限値を求めてください.
• 限りなく大きくなるときは
• 限りなく小さくなるときは −∞
• 極限値がないときは なし と答えてください.(以下の問題も同様)
limx12x1=
採点する
【問題3-2】
 次の極限値を求めてください.
limx11x1=
採点する
【問題3-3】
 次の極限値を求めてください.
limx23x+1=
採点する
※多項式以外の関数について極限値を求める問題は,数学Ⅲで扱うことが多いが,数学Ⅱの段階でも類似の問題に出遭うことが多いので,一応整理しておく.
【極限値が存在するための条件】
 例えば,limx1x2+ax+bx1=3となるように定数a, bの値を定める問題では,
(1) 分母の極限値が0になるとき,分子の極限値が0以外の場合は,式の極限値が有限の値に定まらないから,「分子の極限が0になる」ということが第1の条件になる.
  1+a+b=0
(2) 上記の条件を満たすときは,(因数定理により分子がx−1という因数をもつこといなるから),分母と分子はx−1で約分できる.そこで,「式の極限値が3になる」ということが第2の条件になる.
  2+a=3
これら2つの条件から,連立方程式を解くと,定数a, bの値が定まる.
  a=1, b=−2
【要点】
(1) 極限値が定まること,(2) その極限値が与えられた値になること,の2つの条件から連立方程式が解ける.
上記(1)の補足説明
 分母→1のときに
ア)分子が0以外の有限の値に近づく場合
limx11x1,limx12x1,limx13x1,
limx11x1,limx12x1,limx13x1,
などは,いずれも式の値が限りなく大きく(符号は正負ともあり)なるので,有限の極限値をもたない.
イ)分子が無限大になる場合も,与えられた式が有限の極限値をもつことはない.
limx11x1x1=など
• 以上のように,分母が0に近づくときに,分子が0以外の値に近づくと,式全体は有限な極限値をもたないので,式全体が有限な極限値をもつためには,「分子→0が必要条件」になる.
• この条件を入れると,分数の約分ができるようになるが,極限値が実際に与えられた値になるかどうかの「十分条件」も調べなければならないということです.
【例題4】
 limx2x2+ax+bx2=1
となるように定数a, bの値を定めてください.
(解答)
x→2のとき,分母→0となるから,与えらえた式の極限値が有限の値になるためには,分子→0が必要条件となる
 4+2a+b=0
そこで,b=−4−2aを代入して,極限値を求めると
limx2x2+ax42ax2=limx2(x24)+a(x2)x2
=limx2(x2)(x+2+a)x2=4+a=1
ゆえに,a=−5, b=6・・・(答)
【問題4-1】
 次の等式が成り立つように定数a, bの値を定めてください.
limx1ax2+bx+1x+1=3
a=, b=
採点する
【問題4-2】
 次の等式が成り立つように定数a, bの値を定めてください.
limx3x2+3x18x2+ax+b=12
a=, b=
採点する
【問題4-3】
 次の等式が成り立つように定数a, bの値を定めてください.
limx1x2+ax2x2(b+1)x+b=1
a=, b=
採点する
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