![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 数と式不等式二次関数二次不等式三角比三角比と図形集合・命題・証明順列・組合せ確率整数の性質 ※高校数学ⅠAの集合・命題・証明について,このサイトには次の教材があります.
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【要点】
集合を表す方法には「外延的記法で表す方法」と「内包的記法で表す方法」がある. 外延的記法とは
A={1, 2, 3, ...}
のように要素を書き並べる方法のことをいう.内包的記法とは
A={ x | p(x) }
のように条件p(x)を満たす変数xの集まりとして書く方法のことをいう.条件を幾つも使って
A∪B={ x | x∈A または x∈B }
のように書くことができるが,
A∩B={ x | x∈A かつ x∈B }
A∩B={ x | x∈A , x∈B }
のようにカンマで区切って並べた場合は,and (かつ)の省略とする.or (または)の省略ではない.
xが集合Aの要素であることは
x∈A
で表し,xが集合Aの要素でないことは
x∉A
で表す.
◎ xが集合Aの要素でないことを表すために,高校数学Ⅰの教科書では次の記号がよく使われる.
すなわち,打消し線を右下がりに引き,集合を左側に書く場合も,打消し線を右下がりに引く.(左右を鏡写しにしたものではない) x∌A,A∌x 〇 印刷物では,利用可能なフォントの形に応じて,打消し線を右上がり引くものや,打消し線を垂直に引くものもあるが,どの形でも意味は同じであり,この教材では,使いやすいものを使えばよいとしておく. x∌A,A∌x x∉A,A∉x 【問題1】 Nは自然数全体の集合,Zは整数全体の集合とするとき,各々正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック) 3∈A 4∉A 3∉A 4∈A
A={..., −4, −2, 0, 2, 4, ...}
A=B
A⊂BであるがB⊂Aではない
B⊂AであるがA⊂Bではない
A∩B=∅
すなわちAは偶数全体の集合
B={..., −3, −1, 1, 3, 5, ...}
すなわちAは奇数全体の集合
だから3∉A…(答)
n=..., −2, −1, 0, 1, 2, 3, ...とすると
A=B
A⊂BであるがB⊂Aではない
B⊂AであるがA⊂Bではない
A∩B=∅
A={ ..., −1, 1, 3, 5, ...}は奇数全体の集合
だからB={ ..., −3, −1, 1, 3, ...}も奇数全体の集合 A=B…(答) (※n=0のときの値が1つずれているだけで全体としては同じものを表している) |
【要点】
「x∈Aならばx∈B」が成り立つときA⊂Bと書く. すなわち,集合Aの任意の要素が必ずBの要素になるとき,A⊂Bと書く. そこで,A⊂Bを証明するには,集合Aの任意の要素xを使って,その要素が必ずBの要素になることを示せばよい. (※集合の包含関係を証明するために,要素を使う.) A⊂BかつB⊂AのときA=Bと書く.
【例題1】
(証明)A={x | x=m+2n, m∈Z, n∈Z} B={y | y=3m+4n, m∈Z, n∈Z} とするときA=Bとなることを証明してください. x∈Aのとき x=m+2n, m∈Z, n∈Zとなる整数m, nが存在する. このとき x=3(−m+2n)+4(m−n)…(*1) と書けるから −m+2n=k m−n=l x=3k+4l, k∈Z, l∈Z と書ける.すなわちx∈B したがって,A⊂B 逆に,x∈Bのとき y=3m+4n, m∈Z, n∈Zとなる整数m, nが存在する. このとき y=m+2(m+2n)…(*2) と書けるから m=k m+2n=l y=k+2l, k∈Z, l∈Z と書ける.すなわちy∈A したがって,B⊂A 結局A=Bが示された.
必ずしも上記の変形(*1)でなくてもx=3()+4()の形になっていればよい.
【問題2】 Nは自然数全体の集合,Zは整数全体の集合とするとき,各々正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック)たとえば,x=3(3m+2n)+4(−2m−n)でもよい. 同様にして(*2)でなくてもy=(m+2n)+2(m+n)でもよい. A=B A⊂BであるがB⊂Aではない B⊂AであるがA⊂Bではない A∩B=∅
x∈Aのとき
A=B
A⊂BであるがB⊂Aではない
B⊂AであるがA⊂Bではない
A∩B=∅
x=2m−3n, m∈Z, n∈Zとなる整数m, nが存在する. このとき x=4(3m+2n)−5(2m+n) と書けるから 3m+2n=k 2m+n=l x=4k−5l, k∈Z, l∈Z と書ける.すなわちx∈B したがって,A⊂B 逆に,y∈Bのとき y=4m−5n, m∈Z, n∈Zとなる整数m, nが存在する. このとき y=2(2m+n)−3(−n) と書けるから 2m+n=k −n=l y=2k−3l と書ける.すなわちy∈A したがって,B⊂A 結局A=Bが示された.
y∈Bのとき
A∩B={x | x=5k, k∈N}
A∩B={x | x=6k, k∈N}
A∩B={x | x=2m+3n, m∈N, n∈N}
A∩B=∅
y=2m+4n, m∈Z, n∈Zとなる整数m, nが存在する. このとき y=(2m)+2(2n) と書けるから 2m=k 2n=l y=k+2l, k∈Z, l∈Z と書ける.すなわちy∈A したがって,B⊂A 逆に,m=n=1, x=m+2n∈Aのとき Bは偶数の集合だから.x∈Bは証明できそうもない.このような場合は反例を1つ示せばよい. m=n=1, x=1+2×1=3∉Bだから A⊂Bは成り立たない
A={2, 4, 6, 8, 10, 12, ...}
A∩B={x | x=5k+1, k∈Z}
A∩B={x | x=5k+2, k∈Z}
A∩B={x | x=6k+1, k∈Z}
A∩B={x | x=6k+5, k∈Z}
B={3, 6, 9, 12, 15, 18, ...} 共通部分だから A∩B={6, 12, 18, ...} すなわち A∩B={x | x=6k, k∈N} |
【問題3】 Nは自然数全体の集合,Zは整数全体の集合とするとき,各々正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック) x∈A, y∈Bならばx+y∈A x∈A, y∈Bならばxy∈A x∈A, y∈Bならばx−y∈A x∈A, y∈Bならば
x∈A, y∈Bならば
x∈Aならばx2∈B
x∈Bならばx2∈A
x∈Bならばx2∈B
x∈Bならばx3∈A
x=2m, y=2n+1 (m, n∈Z)とおける このとき x+y=2m+2n+1=2(m+n)+1∈B xy=2m(2n+1)=2(2mn+m)∈A…(答) x−y=2m−(2n+1)=2(m−n−1)+1∈B
x∈Aならば
A∩B=A
A∩B=B
A∩B=Z
A∩B=∅
x=3n+1 x2=(3n+1)2=3(3n2+2n)+1∈A x∈Bならば x=3n+2 x2=(3n+2)2=3(3n2+4n+1)+1∈A x3=(3n+2)3=3(9n3+18n2+12n+2)+2∈B したがって,x∈Bならばx2∈A…(答) |
■[個別の頁からの質問に対する回答][集合の要素を用いた証明について/17.2.26]
問題1の(1)正解は3∉Aのはずですが、それをクリックしてもXマークが出てしまうようです。
=>[作者]:連絡ありがとう.そうでないことはない・・・と言っているうちにややこしくなっていたようです.訂正しました. |
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