![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 数と式不等式二次関数二次不等式三角比三角比と図形集合・命題・証明順列・組合せ確率整数の性質 ※高校数学Aの場合の数・順列・組合せについて,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください. が現在地です. ↓積の法則 ↓和の法則 ↓場合の数のまとめ方 ↓樹形図,辞書式配列 ↓階乗 ↓階乗・順列 ![]() ↓隣り合う.合わない並び方 ↓両端指定・整数の順列 ↓円順列・じゅず順列 ↓重複順列 ↓組合せ ↓組合せ(2) ↓組合せ(文章題) ↓組分け ↓同じものがあるときの順列 ↓順路の問題 ↓番号札のもらい方 ↓二項定理,多項定理 ↓重複組合せ ↓重複組合せ(文章題) 順列,組合せ(章末問題) |
■解説
異なる n 個のものから,異なる r 個を取ってできる順列の総数は
(簡単な例)nPr=n(n - 1)(n - 2) ··· (n−r+1) …(1) nPr= ![]() ※ 実際の計算は(1)でやればよい. 3個のもの { a , b , c } から2個取って並べると, ba , bc , ca , cb , これを,3個から2個取って並べる順列の総数として 3P2 で表わす. ![]() 右図のように3つの候補者から選んで,左右2つの箱に並べるとき, 左の箱の入れ方は { a , b , c }のどれでもよいから3通り その各々について,(同じものは右の箱に使えないから)右の箱の入れ方は(残りの)2通り. 積の法則によって 2×3=6通り 3P2=6 になる. |
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[用語]
○ 「異なる n 個のものから」 ・・・ この公式の前提として n 個のものがすべて異なる場合を考えている.
○ 「異なる r 個を取って」 ・・・ この公式の前提として同じものを取ってきてはいけない.
○ 「取って」 ・・・ 取ったものを捨てるのではなく,「取って来たものを使うとき」という意味.(日常会話では,正反対のどちらの意味にも使われるようなので注意) 例えば,5個のもの { a , b , c , d , e } から{ a , b } の2個を取ったら,{ c , d , e } の3個になると言う意味でなく,その{ a , b } を並べると並べたものは ab , ba になる. ○ 「順列」 ・・・ 順列が nPr なのではない. 例えば,3個のもの { a , b , c } から2個取ってできる順列では, ba は1つの順列, bc は1つの順列, ca は1つの順列, cb は1つの順列, つまり,この公式は順列を求める公式ではなく,順列の総数だけを求める公式になっている. ○ nPr の読み方 ・・・ 決まっていない. P は英語で順列を表わす permutation の頭文字であるが,この記号 nPr について「正しい」読み方というものがある訳ではない. 昔ある教科書会社が,各々の数学記号の読み方について全国の高校数学教員からアンケート調査して人気ランキング風にまとめたことがある.その程度の話だと考えるとよい. しかし,まったく何でもよいのではなく,よく使われる言い方のうちどれかにするとよい. この記号なら,「エヌ,ピー,アール」と素読みにするか,「ピーのエヌ,アール」という形で順列ということを初めにはっきりいう読み方が多いと思う.手元の数学事典(大阪書籍1979年版)では「パーミュテイション n , r」と書かれている. (英語では the permutation of r from n など n が最後に来る読み方も考えられる.) |
例題1 次の値を求めよ. (1) 4P2=4·3=12 (2) 3P3=3·2·1=6 例題2 5 個の数字 1 , 2 , 3 , 4 , 5 から2つ使ってできる2桁の整数は何個あるか.ただし,同じ数字は使わないものとする. 5×4=20 個 ※(参考) 教科書には余計なことはほとんど書かれていないが,理屈の上では余計なことでも,生徒が実際に行き詰まる箇所で,言われればストーンと納得することもある. ⇒ 上の解説では,左の箱から先に入れているが,実は右の箱から入れてもよい. その場合,右の箱の入れ方が3通り,その各々について左の箱の入れ方が2通りになるから,2×3=6通り ⇒ このように「どこから入れてもよい」ということから,「条件の難しい所を先に入れる」と便利だということが分かる. 例題3 5 個の数字 1 , 2 , 3 , 4 , 5 から3つ使ってできる3桁の奇数は何個あるか.ただし,同じ数字は使わないものとする. 右図のように,1の位,百の位,十の位の順に入れると 奇数になるには1の位の数は 1 , 3, 5 のどれかで3通り その各々について,百の位の入れ方は(残りの)4通り その各々について,十の位の入れ方は(残りの)3通り 結局,3×4×3=36個 |
(n個からr個取って来るとき)![]() その各々について,左から2番目の箱に入れる方法はn−1通り (1度使ったものはもう使えないから,k番目の箱に入れることができるのは n−(k−1)=n−k+1 通り) 積の法則により,nから順に1つずつ少ないr個の整数を掛けたものになるから,n(n−1)(n−2)・・・(n−r+1) 通り ゆえに,nPr=n(n−1)(n−2) ··· (n−r+1) 例
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[階乗記号を用いた表し方] 上で示したように,順列を計算するとき前で使ったものは次に使えないから, n×n×n×・・・ の形のかけ算にはならずに n×(n-1)×(n-2)×・・・ の形のかけ算がしばしば登場する(階段状に減って行くかけ算). そこで,これらを表わす階乗記号 ! が定義されている. [階乗記号]
例
正の整数 n について,次のように定義する (※ 0! は定義(約束)なので,n! のルールから推測できるものではない.つまり,0! は 0 ではない.)
エヌ階乗,エヌの階乗,エヌ・ファクトリアルなど
[実際にある間違い]
○ 順列の公式を階乗記号で表わすには(5−2)! のような計算は,3! に直して行うことはできるが,5!−2! にはならない.(この括弧ははずせないので注意) ![]() 5!−2!=120−2=118 (全然違う値になる) ![]() 階乗記号は1までの整数を全部連ねたものとして定義されている. 右図のように「5両連結の列車」の前に「3両連結の列車」を置くと,前の2両(5と4)が見える. ![]() 5P2=5·4= ![]() nから順に小さくなるr個の整数の積では ![]() nPr=n(n−1)(n−2) ··· (n−r+1)= ![]()
例
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≪問題≫次の値を求めてください.
選択肢をクリックすれば採点結果と解説が出ます.暗算では無理ですから計算用紙で計算してから答えてください.
解説
5!=5·4·3·2·1=120
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解説
6!=6·5·4·3·2·1=720
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解説
0!=1 (これは重要な約束事)
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解説 ![]() ![]() |
解説
6P3=6·5·4=120
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解説
7P2=7·6=42
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解説
4P4=4·3·2·1=24
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解説
3P0=
![]() ![]() |
解説
4P4=4·3·2·1=24
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解説 ![]() Aの塗り方が4通り, それぞれについてBの塗り方が3通り, それぞれついてCに塗り方は2通り 積の法則により,4×3×2=24通り |
解説 ![]() Aの塗り方が5通り, それぞれについてBの塗り方が4通り, それぞれついてCに塗り方は3通り 積の法則により,5×4×3=60通り |
解説
(椅子が4個で人が3人だから,当然そのうち1個の椅子には誰も座らない)
Aが座る椅子の選び方が4通り それぞれについてBが座る椅子の選び方が3通り それぞれについてCが座る椅子の選び方が2通り 積の法則により,4×3×2=24通り (「1番目の椅子に座る人の決め方が3通り」・・・と考えてはいけない.椅子の数の方が多いので,各椅子には誰も座らないことがことがある.) ![]() |
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■[個別の頁からの質問に対する回答][順列について/18.6.15]
数学初心者でもなんとか付いていけるくらい説明が易しく理解しやすかったです。
■[個別の頁からの質問に対する回答][順列について/18.3.28]
=>[作者]:連絡ありがとう. 感想というか質問というか...
最後の問題があまりよくわかりません
■[個別の頁からの質問に対する回答][順列について/17.10.12]
=>[作者]:連絡ありがとう.HELPは読んだのですか?それ以上に詳しい解説はどこにもないと思いますが. 順列の式はnPr, 組合せの式はnCrで、PとCはそれぞれpermutationとcombinationの頭文字と説明されていますが、nとrはなぜ選ばれるのでしょうか? nは natural numberではないかと推測するのですが、そう断言しているものを見たことはありません。rの方は推測さえできないのですが、もしかすると、remnantかも知れないと思い始めています。本によって、またサイトによってはnPk, nCkとなっていますが、kとなると候補がまるでおもいあたりません。ご教授頂けたら幸いです。中高で英語教師をしているものです。
■[個別の頁からの質問に対する回答][順列について/16.12.30]
=>[作者]:連絡ありがとう.まず,式としては前後関係から必要となったアルファベット小文字は何でも使えるでしょう.単に公式を説明するような場合は,26文字のうち2文字が自由に使えるときにどの文字を使うかというのは,ほとんど習慣によると思います. FORTRAN77で整数を表す変数はI~Nでなければならない,他の文字はこの制限を受けないとされていたように,整数を表す変数は i~n が好まれます.ただし,特に必要がなければ,i,l,oは避けたいです.iは分野によっては虚数単位や電流と混同しやすい,lは数字の1と混同しやすい,0は0と混同しやすい.これらの事情から手書きでコーディングするときは,oにはオーバーラインを付けるなどの工夫が普通に行われていたようです.しかし,必要があれば使います.次の例は行列A,Bの積ABのi行k列成分を表す公式です. 次にrのことですが,確かに母数をnで,抽出される方をrで表すことは多いようですが,組合せの公式は次の形で書かれることもあります.この公式では整数はi~nの文字で書くという習慣に合うようです. 等差数列の一般項 ※以上を要約すると,公式をどの文字で書かなければならないという決まりはないでしょう.ただし,学習者は類似の書物も読むのだから,文化的伝承となっている習慣に沿って書く方が混乱が少なく読みやすいので,特定の文字で表すことが好まれるのだと思います.質問者は英語的に解決したいようですが,管理人の考えでは読みやすさと好みの観点を重視した解釈にしています. 分かりやすい!!
=>[作者]:連絡ありがとう. |
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