現在地と前後の項目

正の角・負の角/動径の表わす一般角/三角関数の定義 /(第2象限) /(第3象限) /(第4象限) /(まとめ)/弧度法の単位:ラジアン/三角関数の値(よく使う角度)/sin(π+θ)など/三角方程式 /三角不等式/三角関数のグラフ(sinθの平行移動)/(cosθの平行移動)/sin(θ-α)のグラフ(解説)/(振幅)/(周期)/(周期と振幅)/三角関数のグラフ(総合1)/三角関数のグラフ(総合2)/加法定理,倍角公式,3倍角公式,半角公式/加法定理の練習問題/2倍角公式.半角公式/加法定理の数値計算/積和.和積の公式/練習問題2/練習問題3/練習問題4/合成公式/三角不等式/三角関数(まとめ)/[センター]積和の公式/[センター]合成公式/三角関数公式一覧/三角関数公式プラス/三角形の証明・形状問題/センター試験.三角関数(2015年~)/
== 三角形の証明問題と形状問題(よく出るもの) ==

証明問題
数学Ⅰの正弦定理で解けるもの
■「次の等式を証明せよ」という問題の場合■
a(sinB+sinC)=(b+c)sinA…(1.1)
(ab)sinC+(bc)sinA+(ca)sinB=0…(1.2)
c(sin2A+sin2B)=sinC(asinA+bsinB)…(1.3)
(解説)
三角関数を使った式,例えばsinAsin(B+C)は一般に変形しにくく,辺を使った式,例えばa(b+c)は展開しやすいので,なるべく辺だけで表すようにします.
ここでは,正弦定理asinA=2R を変形してsinA=a2Rとして使うとよいでしょう.sinB, sinCも同様です.
このとき,一時的に外接円の半径Rが登場しますが,両辺や分母・分子に対等に表れるので,問題ありません.
※以下において,式(m.n)という記号は,式(m.n)の証明という意味です
(1.1)
sinA=a2R,sinB=b2R,sinC=c2Rを代入すると
(左辺)=a(b2R+c2R)=a(b+c)2R
(右辺)=(b+c)a2R=a(b+c)2R
よって,等式(1.1)が成り立つ
(1.2)
sinA=a2R,sinB=b2R,sinC=c2Rを代入すると
(左辺)=(ab)c2R+(bc)a2R+(ca)b2R
=12R(acbc+abac+bcab)=0
よって,等式(1.2)が成り立つ
(1.3)
sinA=a2R,sinB=b2R,sinC=c2Rを代入すると
(左辺)=c(sin2A+sin2B)=c(a24R2+b24R2)
=c(a2+b2)4R2
(右辺)=c2R(aa2R+bb2R)=c(a2+b2)4R2
よって,等式(1.3)が成り立つ

数学Ⅰの余弦定理で解けるもの
■「次の等式を証明せよ」という問題の場合■
a2+b2+c2=2(bccosA+cacosB+abcosC)…(2.1)
a(bcosCccosB)=b2c2…(2.2)
cosAa+cosBb+cosCc=a2+b2+c22abc…(2.3)
a(cosBcosC)=(cb)(1+cosA)…(2.4)
三角関数を使った式,例えばcosAcos(B+C)は一般に変形しにくく,辺を使った式,例えばa(b+c)は展開しやすいので,なるべく辺だけで表すようにします.
ここでは,余弦定理a2=b2+c22bccosAを変形して cosA=b2+c2a22bc として使うとよいでしょう.cosB, cosCも同様です.
(解説)
(2.1)
cosA=b2+c2a22bc,cosB=c2+a2b22ca
cosC=a2+b2c22abを代入すると
(右辺)
=2(bcb2+c2a22bc+cac2+a2b22ca+aba2+b2c22ab)
=b2+c2a2+c2+a2b2+a2+b2c2
=a2+b2+c2=(左辺)
よって等式(2.1)が成り立つ
(2.2)
cosA=b2+c2a22bc,cosB=c2+a2b22ca
cosC=a2+b2c22abを代入すると
(左辺)=a(ba2+b2c22abcc2+a2b22ca)
=a2+b2c2c2a2+b22=b2c2=(右辺)
よって等式(2.2)が成り立つ
(2.3)
cosA=b2+c2a22bc,cosB=c2+a2b22ca
cosC=a2+b2c22abを代入すると
(左辺)
=b2+c2a22bca+c2+a2b22cab+a2+b2c22abc
=b2+c2a2+c2+a2b2+a2+b2c22abc
=a2+b2+c22abc=(右辺)
よって等式(2.3)が成り立つ
(2.4)
cosA=b2+c2a22bc,cosB=c2+a2b22ca
cosC=a2+b2c22abを代入すると
(左辺)=a(cosBcosC)
=a(c2+a2b22caa2+b2c22ab)
=c2+a2b22ca2+Bb2c22b
=bc2+a2bb3a2cb2c+c32bc
=12bc{(a2ba2c)+(bc2b3b2c+c3)}
=12bc{a2(bc)+(bc2+c3)(b3+b2c)}
=12bc{a2(bc)+c2(b+c)b2(b+c)}
=12bc{a2(bc)+(c2b2)(b+c)}
=12bc{a2(bc)+(cb)(b+c)2}
=bc2bc{a2(b+c)2}
=(bc)(a+b+c)(abc)2bc
(右辺)=(cb)(1+b2+c2a22bc)
=(cb)2bc+b2+c2a22bc
=(cb)(b+c)2a22bc
=(cb)(a+b+c)(b+ca)2bc
よって等式(2.4)が成り立つ

数学Ⅰの正弦定理・余弦定理で解けるもの
■「次の等式を証明せよ」という問題の場合■
asinCbacosC=tanA…(3.1)
accosBbccosA=sinBsinA…(3.2)
acosAsinC=(bacosC)sinA…(3.3)
tanBtanC=a2+b2c2a2b2+c2…(3.4)
b2c2tanA+c2a2tanB+a2b2tanC=0…(3.5)
(a2+b2+c2)tanA=(a2b2+c2)tanB
=(a2+b2c2)tanC…(3.6)
(解説)
sinA=a2R,cosA=b2+c2a22bc
などを用いて角度の式を辺の式に直すのが基本です.
(3.1)
(左辺)=ac2Rbaa2+b2c22ab=ac2R2b2a2b2+c22b
=ac2R2bb2a2+c2=abcR(b2+c2a2)
(右辺)=sinAcosA=a2Rb2+c2a22bc=a2R2bcb2+c2a2
=abcR(b2+c2a2)
よって等式(3.1)が成り立つ
(3.2)
(左辺)=acc2+a2b22cabcb2+c2a22bc=2a2c2a2+b22a2b2b2c2+a22b
=a2+b2c22aa2+b2c22b=a2+b2c22a2ba2+b2c2=ba
(右辺)=b2Ra2R=b2R2Ra=ba
よって等式(3.2)が成り立つ
(3.3)
(左辺)=ab2+c2a22bcc2R=a(b2+c2a2)4Rb
(右辺)=(baa2+b2c22ab)a2R
=2b2a2b2+c22ba2R=a(b2+c2a2)4Rb
よって等式(3.3)が成り立つ
(3.4)
(左辺)=sinBcosBsinCcosC=sinBcosBcosCsinC
=b2Rc2+a2b22caa2+b2c22abc2R
=b2R2cac2+a2b2a2+b2c22ab2Rc=a2+b2c2c2+a2b2
=(右辺)
よって等式(3.4)が成り立つ

(3.5)
(左辺)=b2c2sinAcosA+c2a2sinBcosB+a2b2sinCcosC
=(b2c2)cosAsinA+(c2a2)cosBsinB+(a2b2)cosCsinC
=(b2c2)b2+c2a22bca2R+(c2a2)c2+a2b22cab2R
+(a2b2)a2+b2c22abc2R
=2R(b2c2)(b2+c2a2)2abc
+2R(c2a2)(c2+a2b2)2abc
+2R(a2b2)(a2+b2c2)2abc
=Rabc{(b2c2)(b2+c2a2)
+(c2a2)(c2+a2b2)
+(a2b2)(a2+b2c2)}
=Rabc{(b2c2)(b2+c2)(b2c2)a2
+(c2a2)(c2+a2)(c2a2)b2
+(a2b2)(a2+b2)(a2b2)c2}
=Rabc{b4c4a2b2+a2c2
+c4a4b2c2+a2b2
+a4b4a2c2+b2c2}=0
=(右辺)
よって等式(3.5)が成り立つ
(3.6)
(第1辺)=(a2+b2+c2)sinAcosA
=(a2+b2+c2)a2Rb2c2a22bc
=(a2+b2+c2)a2R2bcb2+c2a2=abcR
(第2辺)=(a2b2+c2)sinBcosB
=(a2b2+c2)b2Rc2+a2b22ca
=(a2b2+c2)b2R2cac2+a2b2=abcR
(第3辺)=(a2+b2c2)sinCcosC
=(a2+b2c2)c2Ra2+b2c22ab
=(a2+b2c2)c2R2aba2+b2c2=abcR
よって等式(3.6)が成り立つ

数学Ⅰで面積Sや内接円の半径rに関するもの
面積をS,外接円の半径をR,内接円の半径をrs=a+b+c2で表すとき
■「次の等式を証明せよ」という問題の場合■
S=2R2sinAsinBsinC…(4.1)
S=12r(a+b+c)=rs…(4.2)
S=Rr(sinA+sinB+sinC)…(4.3)
S=abc4R…(4.4)
abc=2(a+b+c)Rr…(4.5)
1bc+1ca+1ab=12rR…(4.6)
sinA+sinB+sinC=4sSabc…(4.7)
(b2+c2a2)tanA=4S…(4.8)
tanA2=rsa…(4.9)
1a+1b+1c92s…(4.10)
s233S…(4.11)
(解説)
(4.1)
教科書に書かれている,次の公式は前提とします.
S=12absinC
この式に,正弦定理から得られるa=2RsinA,b=2RsinBを代入すると
S=12×2RsinA2RsinBsinC
=2R2sinAsinBsinC
よって等式(4.1)が成り立つ
(4.2)
右図のように三角形を3つに分けると
S=12ra+12rb+12rc
=12r(a+b+c)=rs
よって等式(4.2)が成り立つ
(4.3)
(4.2)に,正弦定理から得られるa=2RsinA,b=2RsinB,c=2RsinCを代入すると
S=12r(2RsinA+2RsinB+2RsinC)
=Rr(sinA+sinB+sinC)
よって等式(4.3)が成り立つ

(4.4)
S=12absinC
に,正弦定理から得られるsinC=c2Rを代入すると
S=12ab×c2R=abc4R
よって等式(4.4)が成り立つ
(4.5)
(4.2)と(4.4)から
12r(a+b+c)=S=abc4R
分母を払うと
2Rr(a+b+c)=abc
よって等式(4.5)が成り立つ
(4.6)
(4.5)の両辺を2Rrabcで割ると
12Rr=a+b+cabc
1bc+1ca+1ab=12Rr
よって等式(4.6)が成り立つ
(4.7)
(4.2)から
a+b+c=2Sr
この式に,a=2RsinA,b=2RsinBを代入すると
2RsinA+2RsinB+2RsinC=2Sr
sinA+sinB+sinC=SRr
(4.4)から
R=abc4S
を代入すると
sinA+sinB+sinC=Sabc4Sr=4S2abcr
(4.2)から
S=rs
を分子の1つのSに代入すると
sinA+sinB+sinC=4Srsabcr=4sSabc
よって等式(4.7)が成り立つ
(4.8)
(左辺)=(b2+c2a2)sinAcosA
=(b2+c2a2)a2Rb2+c2a22bc
=(b2+c2a2)×a2R×2bcb2+c2a2
=abcR
(4.4)から
abcR=4S
だから
(左辺)=S=(右辺)
よって等式(4.8)が成り立つ
(4.9)
右図において,x, y, zで示した部分の長さはそれぞれ等しく
2x+2y+2z=a+b+c
x+y+z=a+bb+c2=s
またa=y+zだから
x=s−a
右図において,頂点Aから内接円の中心に引いた線はAの二等分線だから
tanA2=rx=rsa
よって等式(4.9)が成り立つ
(4.10)
三角形の3辺の長さは正だから,(相加平均)≧(相乗平均)の関係が成り立つ.
1a+1b+1c31abc3(>0)
a+b+c3abc3(>0)
両辺とも正だから,辺々掛けると
1a+1b+1c3×a+b+c31
1a+1b+1c9a+b+c
ここでa+b+c=2sだから
1a+1b+1c92s
よって不等式(4.10)が成り立つ
(4.11)
ヘロンの公式から
S=s(sa)(sb)(sc)
S2=s(sa)(sb)(sc)…(*)
ここで,三角形の2辺の和は他の1辺よりも大きいから
b+c−a>0, c+a−b>0, a+b−c>0
sa=b+ca2>0
sb=c+ab2>0
sc=a+bc2>0
そこで,正の数s−a, s−b, s−cに(相加平均)≧(相乗平均)の関係を適用すると
(sa)(sb)(sc){(sa)+(sb)+(sc)3}3
={3s(a+b+c)3}3=(3s2s3)3=(s3)3=s327
(*)から
S2s×s327
S2s427
s233S
よって不等式(4.11)が成り立つ

数学Ⅱの加法定理,倍角,半角公式に関するもの
■「次の等式を証明せよ」という問題の場合■
sinA+sinB+sinC=4cosA2cosB2cosC2…(5.1)
sin2A+sin2B+sin2C=4sinAsinBsinC…(5.2)
cosA+cosB+cosC=4sinA2sinB2sinC2+1…(5.3)
cos2A+cos2B+cos2C=4cosAcosBcosC1…(5.4)
tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanC…(5.5)
tan2A+tan2B+tan2C=tan2Atan2Btan2C…(5.6)
tanA2tanB2+tanB2tanC2+tanC2tanA2=1…(5.7)
cotA2+cotB2+cotC2=cotA2cotB2cotC2…(5.8)
(5.1)
sinA+sinB+sinC=2sinA+B2cosAB2+sinC
=2sin(πC2)cosAB2+sinC
=2sin(π2C2)cosAB2+2sinC2cosC2
=2cosC2cosAB2+2sinC2cosC2
=2cosC2(cosAB2+sinC2)
=2cosC2(cosAB2+sinπAB2)
=2cosC2{cosAB2+sin(π2A+B2)}
=2cosC2(cosAB2+cosA+B2)
=2cosC2(cosA2cosB2+sinA2sinB2
+cosA2cosB2sinA2sinB2)
=4cosA2cosB2cosC2
よって等式(5.1)が成り立つ
(5.2)
sin2A+sin2B+sin2C
=2sin(A+B)cos(AB)+sin2C
=2sin(πC)cos(AB)+2sinCcosC
=2sinCcos(AB)+2sinCcosC
=2sinC{cos(AB)+cosC}
=2sinC{cos(AB)+cos(πAB)}
=2sinC{cos(AB)cos(A+B)}
=4sinCsinAsinB
よって等式(5.2)が成り立つ
(5.3)
cosA+cosB+cosC
=2cosA+B2cosAB2+cosC
=2cosπC2cosAB2+12sin2C2
=2sinC2cosAB2+12sin2C2
=2sinC2(cosAB2sinC2)+1
=2sinC2(cosAB2sinπAB2)+1
=2sinC2(cosAB2cosA+B2)+1
=2sinC2(2sinA2sinB2)+1
=4sinA2sinB2sinC2+1
よって等式(5.3)が成り立つ
(5.4)
cos2A+cos2B+cos2C
=2cos(A+B)cos(AB)+cos2C
=2cos(πC)cos(AB)+cos2C
=2cosCcos(AB)+2cos2C1
=2cosC{cosCcos(AB)}1
=2cosC{cos(πAB)cos(AB)}1
=2cosC{cos(A+B)cos(AB)}1
=2cosC{cos(A+B)+cos(AB)}1
=2cosC(2cosAcosB)1
=4cosAcosBcosC1
よって等式(5.4)が成り立つ
(5.5)
=tanA=tan(πBC)=tan(B+C) =tanB+tanC1tanBtanC
分母を払うと
tanA(1tanBtanC)=tanBtanC
tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanC
よって等式(5.5)が成り立つ
(5.6)
tan2A=tan(2π2B2C)=tan(2B+2C) =tan2B+tan2C1tan2Btan2C
分母を払うと
tan2A(1tan2Btan2C)=tan2Btan2C
tan2A+tan2B+tan2C=tan2Atan2Btan2C
よって等式(5.6)が成り立つ
(5.7)
tan(A2+B2)=tanA2+tanB21tanA2tanB2
tan(A2+B2)=tan(π2C2)=1tanC2
したがって
tanA2+tanB21tanA2tanB2=1tanC2
分母を払うと
tanA2tanC2+tanB2tanC2=1tanA2tanB2
tanA2tanB2+tanB2tanC2+tanC2tanA2=1
よって等式(5.7)が成り立つ
(5.8)
(5.7)の両辺をtanA2tanB2tanC2で割ると得られる

形状問題
数学Ⅰの正弦定理で解けるもの
■「次の等式が成り立つとき,この三角形ABCはどのような形の三角形か」という問題の場合■
asinA=bsinB+csinC…(6.1)
sin2A=sin2B+sin2C…(6.2)
asinA=(b+c)(sinBsinC)…(6.3)
(sinA+sinB+sinC)(sinB+sinCsinA)
=3sinBsinC…(6.4)
(bc)cos2A=bcos2Bccos2C…(6.5)
三角形の形状問題も,角度に関する式を辺に関する式に直してから考えるのが基本です.
a=bなどa=bの→二等辺三角形
a2=b2+c2など→A=90°の直角三角形
などど答えます.
(単に「二等辺三角形」と答えると,どの2辺が等しいのか分かりませんので,等しい2辺も書くようにします.)
a2=b2+c2などは,辺に関する式から角に関する結論を出すものですが,これは中学校で習う三平方の定理の逆なので,簡単に分かるでしょう.
 詳しく言えば,cosA=b2+c2a22bc=0からA=90°ということですが,このように基本に立ち帰って考える練習をしておくと,次のような応用的な問題でも対応できるようになります.
a2=b2+c2+bcならば
cosA=b2+c2a22bc=bc2bc=12A=120
などと答えることができます.
※以下において,式(m.n)という記号は,式(m.n)を変形するという意味です
(解説)
(6.1)
asinA=bsinB+csinCsinA=a2Rなどを代入すると
a×a2R=b×b2R+c×c2R
a2=b2+c2
A=90°の直角三角形…(答)
(6.2)
sin2A=sin2B+sin2CsinA=a2Rなどを代入すると
(a2R)2=(b2R)2+(c2R)2
a2=b2+c2
A=90°の直角三角形…(答)
(6.3)
asinA=(b+c)(sinBsinC)sinA=a2R などを代入すると
a×a2R=(b+c)(b2Rc2R)
a2=b2c2
a2+c2=b2
B=90°の直角三角形…(答)
(6.4)
(sinA+sinB+sinC)(sinB+sinCsinA)
=3sinBsinC
sinA=a2Rなどを代入すると
(a2R+b2R+c2R)(b2R+c2Ra2R)=3b2Rc2R
{(b+c)+a}{(b+c)a}=3bc
(b+c)2a2=3bc
b2+2bc+c2a2=3bc
b2+c2a2=bc
cosA=b2+c2a22bc=bc2bc=12
A=60°の三角形…(答)
(6.5)
※一般には,cosA=b2+c2a22bc などを使って,角を辺に直すのが基本ですが,この問題のようにcos2A がある場合には,その式が複雑になりすぎます.
次のように,cos2A=1sin2Aを使うともっと簡単にできます.
(bc)(1sin2A)=b(1sin2B)c(1sin2C)
(bc)(1a24R2)=b(1b24R2)c(1c24R2)
bca2(bc)4R2=bb34R2c+c34R2
a2(cb)4R2=c34R2b34R2
a2(cb)=c3b3
a2(cb)=(cb)(c2+bc+b2)
(cb)(c2+bc+b2a2)=0
cb=0…(*)またはc2+b2a2=bc…(**)
(*)よりb=cの二等辺三角形
(**)よりcosA=b2+c2a22bc=bc2bc=12
A=120°の三角形
ゆえに,b=cの二等辺三角形またはA=120°の三角形…(答)

数学Ⅰの余弦定理で解けるもの
■「次の等式が成り立つとき,この三角形ABCはどのような形の三角形か」という問題の場合■
c=2acosB…(7.1)
acosB=bcosA…(7.2)
cacosAbccosB=(a2b2)cosC…(7.3)
bcosCccosB=a…(7.4)
acosA+bcosB=ccosC…(7.5)
acosA=bcosB=ccosC…(7.6)
(解説)
(7.1)
c=2acosBcosB=c2+a2b22ca を代入すると
c=2a×c2+a2b22ca
c2=c2+a2b2
a2=b2
a,b>0だから
a=bの二等辺三角形…(答)
(7.2)
acosB=bcosAcosB=c2+a2b22caなどを代入すると
a×c2+a2b22ca=b×b2+c2a22bc
c2+a2b2=b2+c2a2
a2=b2
a, b>0だから
a=bの二等辺三角形…(答)
(7.3)
cacosAbccosB=(a2b2)cosC
cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
ca×b2+c2a22bcbc×c2+a2b22ca=(a2b2)a2+b2c22ab
cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
ca×b2+c2a22bcbc×c2+a2b22ca=(a2b2)a2+b2c22ab
a×b2+c2a22bb×c2+a2b22a=(a2b2)a2+b2c22ab
a2(b2+c2a2)b2(c2+a2b2)=(a2b2)(a2+b2c2)
a2b2+a2c2a4b2c2b2a2+b4
=a4+a2b2a2c2a2b2b4+b2c2
2a42a2c22b4+2b2c2=0
a4a2c2b4+b2c2=0
a4b4c2(a2b2)=0
(a2b2)(a2+b2c2)=0
ゆえに,a=bの二等辺三角形またはC=90°の直角三角形…(答)
(7.4)
bcosCccosB=a
cosC=a2+b2c22abなどを代入すると
b×a2+b2c22abc×c2+a2b22ca=a
a2+b2c22ac2+a2b22a=a
(a2+b2c2)(c2+a2b2)=2a2
2b2=2a2+2c2
b2=a2+c2
ゆえに,B=90°の直角三角形…(答)
(7.5)
acosA+bcosB=ccosC
cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
a×b2+c2a22bc+b×c2+a2b22ca=c×a2+b2c22ab
a2(b2+c2a2)+b2(c2+a2b2)=c2(a2+b2c2)
a2b2+a2c2a4+b2c2+a2b2b4=c2a2+b2c2c4
c4=(a2b2)2
(c2+a2b2)(c2a2+b2)=0
ゆえに,A=90°の直角三角形またはB=90°の直角三角形…(答)
(7.6)
acosA=bcosB=ccosC
cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
ab2+c2a22bc=bc2+a2b22ca=ca2+b2c22ab
2abcb2+c2a2=2abcc2+a2b2=2abca2+b2c2
b2+c2a2=c2+a2b2=a2+b2c2
b2+c2a2=c2+a2b2
c2+a2b2=a2+b2c2(連立!)
b2+c2a2=c2+a2b2よりa=b
c2+a2b2=a2+b2c2よりb=c
ゆえに,a=b=cとなって正三角形…(答)

数学Ⅰの正弦定理・余弦定理で解けるもの
■「次の等式が成り立つとき,この三角形ABCはどのような形の三角形か」という問題の場合■
2cosBsinC=sinA…(8.1)
sinAcosB=sinBcosA…(8.2)
sinC+sinB=sinA(cosC+cosB)…(8.3)
sinAcosA+sinBcosB=sinCcosC…(8.4)
tanA:tanB=a2:b2…(8.5)
tanAsin2B=tanBsin2A…(8.6)
b2sin2C+c2sin2B=2bccosBcosC…(8.7)
(解説)
(8.1)
2cosBsinC=sinA
sinA=a2R,cosB=c2+a2b22caなどを代入すると
2×c2+a2b22ca×c2R=a2R
c2+a2b2=a2
c2=b2
ゆえに,b=cの二等辺三角形…(答)
(8.2)
sinAcosB=sinBcosA
sinA=a2R,cosB=c2+a2b22caなどを代入すると
a2R×c2+a2b22ca=b2R×b2+c2a22bc
c2+a2b2=b2+c2a2
2a2=2b2
a2=b2
ゆえに,a=bの二等辺三角形…(答)
※この問題については,原式からA90,B90のとき
tanA=tanBからA=Bを導く短縮答案が可能であるが,例外処理が長くなる
A=90°のときは,原式からcosB=0B=90となって矛盾.B=90°のときも同様に矛盾.以上からA, B≠90°を言う)
(8.3)
sinC+sinB=sinA(cosC+cosB)
sinC=c2R,cosC=a2+b2c22abなどを代入すると
c2R+b2R=a2R(a2+b2c22ab+c2+a2b22ca)
c+b=a2+b2c22b+c2+a2b22c
2bc(c+b)=c(a2+b2c2)+b(c2+a2b2)
2b2c+2bc2=a2c+b2cc3+bc2+abb3
(b3+b2c+bc2+c3)(a2c+a2b)=0
b2(b+c)+c2(b+c)a2(b+c)=0
(b+c)(b2+c2a2)=0
b+c>0により,A=90°の直角三角形…(答)
(8.4)
sinAcosA+sinBcosB=sinCcosC
sinA=a2R,cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
a2R×b2+c2a22bc+b2R×c2+a2b22ca=c2R×a2+b2c22ab
a(b2+c2a2)bc+b(c2+a2b2)ca=c(a2+b2c2)ab
a2(b2+c2a2)+b2(c2+a2b2)=c2(a2+b2c2)
a2b2+a2c2a4+b2c2+a2b2b4=c2a2+b2c2c4
a4+b42a2b2c4=0
(a2b2)2c4=0
(a2b2+c2)(a2b2c2)=0
a2+c2=b2 またはa2=b2+c2
ゆえに,A=90°の直角三角形またはB=90°の直角三角形…(答)
(8.5)
tanA:tanB=a2:b2
sinAcosA:sinBcosB=a2:b2
sinA=a2R,cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
a2Rb2+c2a22bc:b2Rc2+a2b22ca=a2:b2
a2R×2bcb2+c2a2×b2=b2R×2cac2+a2b2×a2
b2(c2+a2b2)=a2(b2+c2a2)
b2c2+a2b2b4=a2b2+a2c2a4
a4b4a2c2+b2c2=0
(a2b2)(a2+b2)c2(a2b2)=0
(a2b2)(a2+b2c2)=0
ゆえに,a=bの二等辺三角形またはC=90°の直角三角形…(答)
(8.6)
tanAsin2B=tanBsin2A
sinAcosAsin2B=sinBcosBsin2A
sinA,sinB>0 により,両辺をsinAsinB>0で割ると
sinBcosA=sinAcosB
sinBcosB=sinAcosA
この式に sinA=a2R,cosA=b2+c2a22bcなどを代入すると
b2R×c2+a2b22ca=a2R×b2+c2a22bc
b(c2+a2b2)a=a(b2+c2a2)b
b2(c2+a2b2)=a2(b2+c2a2)
b2c2+a2b2b4=a2b2+a2c2a4
a4b4+b2c2a2c2=0
(a2b2)(a2+b2)+c2(b2a2)=0
(a2b2)(a2+b2c2)=0
ゆえに,a=bの二等辺三角形またはC=90°の直角三角形…(答)
(8.7)
※普通に変形すると,左辺に2Rが残ってしまうので,これを避けるために一時的にsin2C などを1cos2Cで表してみる
b2(1cos2C)+c2(1cos2B)=2bccosBcosC
b2+c2=b2cos2C+2bccosBcosC+c2cos2B
b2+c2=(bcosC+ccosB)2
ここで,第1余弦定理によりbcosC+ccosB=aだから
b2+c2=a2
ゆえに,A=90°の直角三角形…(答)
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