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■解説 ここまでに登場した三角関数の性質を要約すると,つぎの各式になる.(1)(2)は今までに登場していないが,右図から分かる. (図を書けば分かるので,24個も公式を覚える必要はない.ただし,(8)だけは覚えた方がよい.) なお, ![]() (1) sin(360°×n+θ)=sinθ cos(360°×n+θ)= cosθ tan(360°×n+θ)= tanθ (2) sin(90°−θ)=cosθ cos(90°−θ)= sinθ tan(90°−θ)= ![]() (3) sin(90°+θ)=cosθ cos(90°+θ)= − sinθ tan(90°+θ)= − ![]() (4) sin(180°− θ)=sinθ cos(180°− θ)= − cosθ tan(180°− θ)= − tanθ |
(5)
sin(180°+θ)= − sinθ cos(180°+θ)= − cosθ tan(180°+θ)= tanθ (6) sin(270°−θ)= − cosθ cos(270°− θ)= − sinθ tan(270°− θ)= ![]() (7) sin(270°+θ)= − cosθ cos(270°+ θ)= sinθ tan(270°+θ)= − ![]() (8)
sin( −θ)= − sinθ (sinθは奇関数)
cos( − θ)= cosθ (cosθは偶関数) tan( − θ)= − tanθ (tanθは奇関数) |
![]() (2)~(8)の比率と同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探し,次に符号を考える. (1) sin(360°×n+θ)=sinθ← ![]() ![]() cos(360°×n+θ)= cosθ← ![]() ![]() tan(360°×n+θ)= tanθ← ![]() ![]()
(1)の場所で何周か回っても,縦横半径は同じになる
(2)sin(90°−θ)=cosθ ← ![]() ![]()
(2)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.符号は全部正になるからcosθ
cos(90°−θ)= sinθ ←![]() ![]()
(2)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.符号は全部正になるからsinθ
tan(90°−θ)= ![]() ![]() ![]()
(2)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.縦横が反対になり符号は全部正になるからcotθ
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(3)
sin(90°+θ)=cosθ ← ![]() ![]()
(3)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.符号は全部正になるからcosθ
cos(90°+θ)= − sinθ ←![]() ![]() ![]() ![]()
(3)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−sinθ
tan(90°+θ)= − ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
(3)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.縦横が反対になり1つ符号が変わるから−cotθ
(再掲)
(4)
○半径だけは「つねに正」 ▼〓縦(y)は上が正(青),下が負(赤) ▼〓横(x)は右が正(青),左が負(赤) ![]() sin(180°− θ)=sinθ ← ![]() ![]()
(4)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.符号は正になるからsinθ
cos(180°− θ)= − cosθ ←![]() ![]() ![]() ![]()
(4)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−cosθ
tan(180°− θ)= − tanθ ←![]() ![]() ![]() ![]()
(4)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−tanθ
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(5)
sin(180°+θ)= − sinθ ← ![]() ![]() ![]() ![]()
(5)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−sinθ
cos(180°+θ)= − cosθ ←![]() ![]() ![]() ![]()
(5)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−cosθ
tan(180°+θ)= tanθ ←![]() ![]() ![]() ![]()
(5)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.2回符号が変わって元に戻るからtanθ
(再掲)
(6)
○半径だけは「つねに正」 ▼〓縦(y)は上が正(青),下が負(赤) ▼〓横(x)は右が正(青),左が負(赤) ![]() sin(270°−θ)= − cosθ ← ![]() ![]() ![]() ![]()
(6)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−cosθ
cos(270°− θ)= − sinθ ←![]() ![]() ![]() ![]()
(6)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−sinθ
tan(270°− θ)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
(6)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.縦横が反対になって符号が2回変わるからcotθ
(7)
sin(270°+θ)= − cosθ ← ![]() ![]() ![]() ![]()
(7)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−cosθ
cos(270°+ θ)= sinθ ←![]() ![]()
(7)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.符号は正だからsinθ
tan(270°+θ)= − ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
(7)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.縦横が反対になって符号が1つ変わるから−cotθ
(再掲)
○半径だけは「つねに正」 ▼〓縦(y)は上が正(青),下が負(赤) ▼〓横(x)は右が正(青),左が負(赤) ![]() |
(8)
sin( −θ)= − sinθ ←
![]() ![]() ![]() ![]()
(8)の場所の sin は 縦/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−sinθ
※f(−θ)=−f(θ)が成り立つ関数は奇関数と呼ばれる.sinθは奇関数
単に −がかっこの外に出るだけに見えるので,この公式を間違う生徒はめったにいない. cos( − θ)= cosθ ← ![]() ![]()
(8)の場所の cos は 横/半径.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.符号は正だからcosθ
※f(−θ)=f(θ)が成り立つ関数は偶関数と呼ばれる.cosθは偶関数 通常の展開式と同じように −がかっこの外に出るはずだと考えてしまう錯覚から,この公式を間違う生徒は多い!!.
≪要注意≫
× → cos(−θ)= −cosθ ○ → cos(−θ)= cosθ tan( − θ)= − tanθ ← ![]() ![]() ![]() ![]()
(8)の場所の tan は 縦/横.これと同じ比率になるものを(1)の図(角度がθの図)で探す.1つ符号が変わるから−tanθ
※f(−θ)=−f(θ)が成り立つ関数は奇関数と呼ばれる.tanθは奇関数
単に −がかっこの外に出るだけに見えるので,この公式を間違う生徒はめったにいない. 例題 次の式を簡単にしなさい. (1) sin(θ−180 °)+cos(90 °+θ) sin(θ−180°)= − sin(180°− θ)= − sinθ(2) sin(−θ)+sin(90°−θ)+sin(180°−θ)+sin(270°−θ) (原式)= − sinθ+cosθ+sinθ−cosθ=0(3) tan(90°−θ)tan(180°+θ) (原式)= cotθtanθ=1 |
■問題 次の式に等しいものを右の欄から選べ. |
[ 第 1問 / 全8問中 ] この問題の評価: ![]() |
sinθ
− sinθ cosθ − cosθ tanθ − tanθ cotθ − cotθ |
sin( -θ) |
[ 第 1問 / 全5問中 ] この問題の評価: ![]() |
sinθ
− sinθ
2sinθ
− 2sinθ cosθ − cosθ 2cosθ − 2cosθ tanθ − tanθ 2tanθ − 2tanθ cotθ − cotθ 2cotθ − 2cotθ sinθ+cosθ sinθ − cosθ cosθ − sinθ − sinθ − cosθ 0 1 − 1 2 − 2 |
sin(θ −270°)+cos(θ −180°) |
(結果を確かめたいときの参考) n×90°±θの三角関数をθの三角関数に直した結果の一覧表
ただし
![]() ![]() ![]() ※見慣れない記号cotθ, cosecθ, secθが登場したら「3番目の文字の逆数」考えるとよい.
※赤道からスタートしたら三角関数は変わらない.北極,南極からスタートしたら三角関数が変わる.
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sin(B−A)=−sin(A−B):逆に引くと符号が変わる
※θ+90°, θ+180°, θ+270°などの三角関数は90°+θ, 180°+θ, 270°+θの三角関数に同じcos(B−A)=cos(A−B):逆に引いても符号は変わらない tan(B−A)=−tan(A−B):逆に引くと符号が変わる cot(B−A)=−cot(A−B):逆に引くと符号が変わる sec(B−A)=sec(A−B):逆に引いても符号は変わらない cosec(B−A)=−cosec(A−B):逆に引くと符号が変わる ※1回転以上になる角,すなわちθ+450°, θ+540°, θ+630°,..., θ−450°, θ−540°, θ−630°,...などの三角関数はθ+90°, θ+180°, θ+270°,..., θ−90°, θ−180°, θ−270°,...の三角関数に同じ |
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の性質について/18.7.03]
問題2/5でcos(θ-270)をcos(270-θ)に変形させていますが-cos(270-θ)ではないでしょうか?
ご確認よろしくお願いします。
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の性質(まとめ)について/18.3.3]
=>[作者]:連絡ありがとう.先頭の解説(8)にありますように, したがって, cotとはなんですか?
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の性質(まとめ)について/18.1.27]
=>[作者]:連絡ありがとう.一番最初に書いていますように, なお, 数2三角関数 性質で問題3から 見たことのない計算式が出てきて ヒントもなし、どこを参考にしていいのか分かりません
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の性質(まとめ) について/16.12.19]
=>[作者]:連絡ありがとう.解説がヒントです.見たこともない計算式とは,心外です.そのページの先頭から図あり式ありで解説している内容を踏まえて計算することになります.(あなたの読み方を見てみると[なぜわかるのかは,詳しく言えない],問題3あたりまで余り読まずに進んでいます.時々,先頭部分まで振り返っていますが,それは一瞬で5回です.初めの方に重要な解説があるので,その部分を飛ばしてしまうと,理解できません.) 1/tanx=cosx?
■[個別の頁からの質問に対する回答][三角関数の性質(まとめ) について/16.12.4]
=>[作者]:連絡ありがとう. (ア)基本公式そのものを質問しているものとして答えます. が成り立ちますか?という質問だとします.結論から言えば,成り立ちません. その頁の(6)にある の右辺はコタンジェントです. でお互いに分母と分子を入れ換えたもので, (イ)これとは異なり,ある特定の角で1/tanx=cosxが成り立つことはありますか?という質問である場合 となる場合は になり, となる角度では初めの式の どこの教師よりも教科書よりも分かりやすかったです!
三角関数(性質?)分からなかったので調べてたら
このとんでもないわかりやすい図と説明が出てきて
なんか泣きそうになりました笑
本当感激です!
これから頼らせて貰います!
出会えて良かった、、、、、。!
=>[作者]:連絡ありがとう. |
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