現在地と前後の項目

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== 三角関数のグラフ ==

【重要】・・・「初心者の勘」とは反対になることに注意!
y=sinnθのグラフはy=sinθのグラフを横方向に縮めたものになる.
y=sinθnのグラフはy=sinθのグラフを横方向に伸ばしたものになる.
cosθ,tanθについても同様
(解説)
y=sin2θのグラフ】
【間違いの図】
○習ったばかりの高校生がy=sin2θのグラフを描くと,右の図のようになることが多い.
これは間違いです.

y=sin2θのグラフを正しく描くためには,一度は次のような対応表に立ち返って考えてみるとよいでしょう.
θ 30° 45° 60° 90° 120° 135° 150° 180°
60° 90° 120° 180° 240° 270° 300° 360°
sinθ 0 12 12 32 1 32 12 12 0
sin2θ 0 32 1 32 0 32 1 32 0

x=45のときに2x=90になり,sin2x=1です.
また,x=90のときに2x=180になり,sin2x=0です.
 次の図において,青●赤●で示した点がそれらに対応しています.
【正しい図】

○このように2が付いていることにより,角度が速く増えるので,波の形が速く描かれます.

y=sinθ2のグラフ】
y=sinθ2のグラフを描くためには,次の対応表を作ります.
θ 60° 90° 120° 180° 240° 270° 300° 360°
θ2 30° 45° 60° 90° 120° 135° 150° 180°
sinθ 0 32 1 32 0 32 1 32 0
sinθ2 0 12 12 32 1 32 12 12 0

θ=180のときにθ2=90になり,sinθ2=1です.
また,θ=360のときにθ2=180になり,sinθ2=0です.
 次の図において,青●茶●で示した点がそれらに対応しています.
【正しい図】

○このように12が付いていることにより,角度が遅く増えるので,波の形がゆっくり描かれます.
→右上に続く
【よくある間違い】
y=tannθ,y=tanθnのグラフを書くときに,「リクライニングシートでトラブルが発生している図を描いてはいけない」
sinθ,cosθについてもtanθのときと同様ですが,
なぜかy=tanθ2のグラフを描いてもらうと,非常に多くの生徒が間違って「リクライニングシートでトラブルが発生している図」を描きます.
【間違いの図】

○1人分の座席の区画(1つの周期)が終わってから,次の人の座席を描くようにしましょう.
【正しい図】

《問題》
 左欄に書かれた三角関数のグラフを右欄から選びなさい.
(ルール:問題を一つクリックし,続けて対応するものをクリックすると消えます.間違えば消えません.)











※この項から下は,角度の単位を弧度法(ラジアン)で書く.(180°=πラジアン)
【1.周期関数の定義】
 関数f(x)において,p0でない定数とするとき,任意の実数xに対して
f(x+p)=f(x)
が成り立つとき,f(x)p周期とする周期関数であるという.
【2.周期関数の性質】
 pが関数f(x)の周期であるとき,pの整数倍np (n=±1, ±2, ...)も周期である.
【3.基本周期】
 周期のうちで「正の値で最小のもの」を基本周期という.通常,単に周期という場合は,基本周期のことをいう.
【4.三角関数の周期(1)】
y=sinx, y=cosxの周期は,である.
すなわち
sin(x+2π)=sinx
cos(x+2π)=cosx
が成り立つ.
y=tanxの周期は,πである.
すなわち
tan(x+π)=tanx
が成り立つ.
【5.三角関数の周期(2)】
 kを正の定数とするとき, 〇 y=sinkx, y=coskxの周期は,2πkである.
すなわち
sin{k(x+2πk)}=sinkx
cos{k(x+2πk)}=coskx
が成り立つ.
y=tankxの周期は,πkである.
すなわち
tan{k(x+πk)}=tankx
が成り立つ.
《問題2》
 次の関数の周期を求めてください.角度の単位は,弧度法(ラジアン)とします
(正しい選択肢をクリックしてください.解答すれば採点結果と解説が出ます)
(1) y=sin2x
π π2 π4


(2) y=cos3x
π π3 2π3

(3) y=tanx2
π π4 π2


(4) y=sinx2
π π2 π4

(5) y=cos2x3
π π3 2π3


【三角関数の振幅,周期】
y=asin(bx+c), y=acos(bx+c)について
• |a|を振幅という.
• 周期は,2πbに等しい.
【例】
(1) y=−2sin(3x+π4)について
• 振幅は|−2|=2(係数が負の場合は,正の値に直す)
• 周期は2π3
2π3と変形すると,y=−2sin(3x)のグラフを,x軸方向にπ12だけ平行移動したものであることが分かる.
π12
(2) y=3cos(2x−π2)について
• 振幅は3
• 周期は2π2=π
y=3cos{2(xπ4)}と変形すると,y=3cos(2x)のグラフを,x軸方向にπ4だけ平行移動したものであることが分かる.
π4
※初歩的な注意
 x軸方向(x軸の正の向きの)平行移動は,式の見かけの符号と逆になることに注意(よく間違う)
y=asin{b(x+α)}は,y=asinbxのグラフをx軸方向に−αだけ平行移動したもの
y=asin{b(x−α)}は,y=asinbxのグラフをx軸方向にだけ平行移動したもの

《問題3》
 次の関数の振幅と周期を求めてください.また,y=asinbxや,y=acosbxのグラフをどちら向きにどれだけ移動したものか,答えてください.
a, bの値および正弦関数・余弦関数は変更せず,移動方向は向きと組み合わせて「正の最小の角で」答えてください.(角度は弧度法[ラジアン]とします.)
(1) y=2sin(3x+π)
解説を読む
(2) y=3cos(2x−π2)
解説を読む

(3) y=32sin(12x+π6)
解説を読む
(4) y=52cos(23xπ2)
解説を読む
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