![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 複素数平面二次曲線媒介変数表示と極座標 数列の極限関数導関数不定積分定積分 行列1次変換 ※高校数学Ⅲの「複素数平面」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください. が現在地です. ↓複素数平面 ↓回転と拡大 ↓点Aの周りの回転 ↓三角形の形状問題 ↓ド・モアブルの定理-現在地 ↓ド・モアブルの定理(入試問題) ↓複素数で表される軌跡の方程式 ↓同(2) ↓複素数の1次結合が表す図形 ↓内分点・外分点 ↓2直線の交点 ↓内分点の内分点 ↓2直線の平行条件・垂直条件 ↓複素数平面の入試問題1 ↓複素数平面の入試問題2 ↓複素数平面の入試問題3 複素数平面の入試問題4 |
【ド・モアブルの定理】
【例】nを整数とするとき (cosθ+i sinθ)n=cos(nθ)+i sin(nθ) …(1) ![]() (1)(cos ![]() ![]() ![]() ![]() (2)(cos ![]() ![]() (定理の解説) 正式には,次の公式を数学的帰納法で示すのがよいが,ここでは具体的に順を追って示してみる. ア) n>0のとき 次の公式を使う.
(cosα+i sinα)(cosβ+i sinβ)=cos(α+β)+i sin(α+β)
n=2のとき
(cosθ+i sinθ)2=(cosθ+i sinθ)(cosθ+i sinθ)
n=3のとき=cos2θ+i sin2θ だから,(cosθ+i sinθ)2=cos2θ+i sin2θが成り立つ.
(cosθ+i sinθ)3=(cosθ+i sinθ)2(cosθ+i sinθ)
………=(cos2θ+i sin2θ)(cosθ+i sinθ) =cos(2θ+θ)+i sin(2θ+θ) =cos3θ+i sin3θ だから,(cosθ+i sinθ)3=cos3θ+i sin3θが成り立つ. n=kのとき
(cosθ+i sinθ)k=(cosθ+i sinθ)k−1(cosθ+i sinθ)
=(cos(k−1)θ+i sin(k−1)θ)(cosθ+i sinθ) =cosnθ+i sinnθ だから,(cosθ+i sinθ)k=cos kθ+i sin kθが成り立つ. |
イ)n=0のとき
(cosθ+i sinθ)0=1
ウ)n<0のときcos0+i sin0=1 だから,(cosθ+i sinθ)0=cos 0θ+i sin 0θが成り立つ. 次の公式を使う. ![]()
(cosθ+i sinθ)−1=
n=−2のとき![]() ![]() =cos(0−θ)+i sin(0−θ)=cos(−θ)+i sin(−θ) だから,(cosθ+i sinθ)−1=cos(−θ)+i sin(−θ)が成り立つ.
(cosθ+i sinθ)−2=
n=−kのとき![]() ![]() =cos(0−2θ)+i sin(0−2θ)=cos(−2θ)+i sin(−2θ) だから,(cosθ+i sinθ)−2=cos(−2θ)+i sin(−2θ)が成り立つ.
(cosθ+i sinθ)−k=
![]() ![]() =cos(0−kθ)+i sin(0−kθ)=cos(−kθ)+i sin(−kθ) だから,(cosθ+i sinθ)−k=cos(−kθ)+i sin(−kθ)が成り立つ.
以上により,nが正の整数であっても,負の整数であっても,n=0の場合でも成り立つ.
よって,nがどんな整数であっても (cosθ+i sinθ)n=cos(nθ)+i sin(nθ) …(1) が成り立つ. (証明終り)■
(参考) 高校では扱わないが,次のオイラーの公式を使えば,ド・モアブルの定理は簡単に導かれる.
【オイラーの公式】eiθ=cosθ+i sinθ
を使うと (cosθ+i sinθ)n=(eiθ)n=einθ=cosnθ+i sinnθ |
【問題1】 次の複素数を求めてください.(正しい選択肢をクリック)
ド・モアブルの定理にあてはめます.
(cos ![]() ![]() ![]() ![]() =cos ![]() ![]()
ド・モアブルの定理にあてはめます.
(cos ![]() ![]() ![]() ![]() =cos2π+i sin2π=1…(答)
ド・モアブルの定理にあてはめます.
(cos ![]() ![]() ![]() ![]() =cos(− ![]() ![]()
ド・モアブルの定理にあてはめます.
(cos ![]() ![]() ![]() ![]() =cos(− ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() (1+i)8 ={ ![]() ![]() ![]() =16(cos ![]() ![]() =16(cos2π+i sin2π)=16…(答) ![]() ( ![]() ![]() =(cos ![]() ![]() =cos ![]() ![]() = ![]() ![]() |
【1のn乗根】
(解説)○ nを正の整数とするとき,1のn乗根は cos( ![]() ![]() ○ 1の虚数n乗根のうちの1つを ω=cos( ![]() ![]() で表すとき,上記の1のn乗根は 1, ω, ω2, ω3,.., ωn−1 …(3) に等しい. (2)← ![]() 方程式x5=1の解は5個あるが,これらを1の5乗根という. 1) (cos ![]() ![]() =cos2π+i sin2π=1 だから x=cos ![]() ![]() は,方程式x5=1の1つの解となる.(右図のように偏角の5倍がちょうど2πとなって1に等しくなる.) ![]() ![]() ![]() =cos4π+i sin4π=1 だから x=cos ![]() ![]() は,方程式x5=1の1つの解となる.(右図のように偏角の5倍がちょうど4πとなって1に等しくなる.この場合は,円を2周して1に一致する.) 3) 同様にして x=cos( ![]() ![]() ![]() ![]() も各々方程式x5=1の解となる.(3周もしくは4周して1に一致する.) 4) これら4個の他に,x=1すなわち x=cos ![]() ![]() もx5=1の解となる. 以上により, cos( ![]() ![]() の5つの複素数はx5=1の解となる. (3)← ω=cos ![]() ![]() で表すと ω2=cos( ![]() ![]() ω3=cos( ![]() ![]() ω4=cos( ![]() ![]() となるから,1, ω, ω2, ω3,.., ω4はx5=1の解となる. |
![]() ○ x2=1の解は, cos( ![]() ![]() cos( ![]() ![]() の2個になる. このとき,2つの解x=1とx=−1とは,複素数平面上での単位円を2等分する位置にある. ![]() cos( ![]() ![]() ω=cos( ![]() ![]() ω2=cos( ![]() ![]() の3個になる. このとき,3つの解 1 ω=cos( ![]() ![]() ω2=cos( ![]() ![]() は,複素数平面上での単位円を3等分する位置に並ぶ. ![]() cos( ![]() ![]() i=cos( ![]() ![]() i2=cos( ![]() ![]() i3=cos( ![]() ![]() の4個になる. このとき,4つの解 1 i=cos( ![]() ![]() i2=cos( ![]() ![]() i3=cos( ![]() ![]() は,複素数平面上での単位円を4等分する位置に並ぶ. |
【aのn乗根】
(解説)○ aの極形式をa=r(cosθ+i sinθ) (r>0) とするとき,xn=a (nは正の整数)の解は n ![]() ![]() ![]() n ![]() ![]() ![]() 絶対値はrになり, 偏角はθ+2kπになるから, r(cos(θ+2kπ)+i sin(θ+2kπ))=r(cosθ+i sinθ)=aが成り立つ.
n
![]() ![]() ![]() を n ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() と分けてみればわかるように, 絶対値はrのn乗根になり, 偏角はa=r(cosθ+i sinθ)のn分の1から始まり円周をn等分する点となる.(次図参照) ![]()
【例1】
方程式x2=−1の解を求めるには, 1) 右辺を極形式に直す. cosπ+i sinπ 2) 1つの解は cos ![]() ![]() 3) 他の点を円周を2等分した角に置く. cos ![]() ![]() ![]()
【例2】
方程式x3=iの解を求めるには, 1) 右辺を極形式に直す. cos ![]() ![]() 2) 1つの解は cos ![]() ![]() ![]() ![]() 3) 他の点を円周を3等分した角に置く. cos( ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() cos( ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
【例3】
方程式x3=2(−1+i)の解を求めるには, 1) 右辺を極形式に直す. 2 ![]() ![]() ![]() 2) 1つの解は ![]() ![]() ![]() 3) 他の点を円周を3等分した角に置く. ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() 後ろの2つは三角関数の加法定理を用いれば根号などで表すこともできる. ![]() |
【問題2】 次の方程式の解を複素数平面上で図示したものを下の図から選んでください.
(1)x2=i
![]() ![]() ![]() ![]() 右辺のiを極形式で表すと cos ![]() ![]() cos ![]() ![]()
(2)x2=−i
![]() ![]() ![]() ![]() 右辺の−iを極形式で表すと cos ![]() ![]() cos ![]() ![]()
(3)x3=−8
![]() ![]() ![]() ![]() 右辺の−8を極形式で表すと 8(cosπ+i sinπ) となるので,x3=−8の1つの解は 2(cos ![]() ![]() ![]()
(4)x3=8i
![]() ![]() ![]() ![]() 右辺の8iを極形式で表すと 8(cos ![]() ![]() 2(cos ![]() ![]() ![]()
(5)x4=−16
![]() ![]() ![]() ![]() 右辺の−16を極形式で表すと 16(cosπ+i sinπ) となるので,x4=−16の1つの解は 2(cos ![]() ![]() ![]()
(5)x4=16i
![]() ![]() ![]() ![]() 右辺の16iを極形式で表すと 16(cos ![]() ![]() 2(cos ![]() ![]() ![]() |
[注]直前にPC版から入られた場合は,自動転送でスマホ版に来ていますので,ブラウザの[戻るキー]では戻れません(堂々巡りになる).下記のリンクを使ってメニューに戻ってください.
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■[個別の頁からの質問に対する回答][ド・モアブルの定理について/17.4.10]
ド・モアブルの定理のイでcos0+i sin0=1のθが抜けてるため等号が成り立たなくなっています
=>[作者]:連絡ありがとう.確かに読みにくいかもしれませんが,どんな値θに対しても,0θ=0が成り立つ.これは「抜けている」のではなく「消える」のです.(中学校の常識:0a=0 を思い出してみよう!) |
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