【単位円上の複素数の積→偏角は和になる】
(解説)(cosα+i sinα)(cosβ+i sinβ) =cos(α+β)+i sin(α+β)…(1) ![]() (cosα+i sinα)(cosβ+i sinβ) =cosαcosβ+icosαsinβ+isinαcosβ+i2sinαsinβ =(cosαcosβ−sinαsinβ)+i(cosαsinβ+sinαcosβ) ここで三角関数の加法定理を用いると cos(α+β)+i sin(α+β) になる.
【単位円上の複素数の商→偏角は差になる】
(解説)
![]() ![]() ![]() ![]()
=
![]()
=
分母はcos2β+sin2β=1になるから![]() =cosαcosβ+sinαsinβ+i(sinαcosβ−cosαsinβ) ここで三角関数の加法定理を用いると cos(α−β)+isin(α−β) になる. |
【問題1】 次の複素数を求めてください.
偏角の和を求めます.
![]() ![]() ![]() cos ![]() ![]()
公式が適用できるように,a+biの形にします.
そのとき,sin(−θ)=−sinθ, cos(−θ)=cosθとなることに注意します. (cos ![]() ![]() ![]() ![]() そこで,偏角の和を求めます. ![]() ![]() ![]() cos ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (cos ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() =cos ![]() ![]() (cosθ+i sinθ)n=cos nθ+i sin nθ(nは整数) これにより 2× ![]() ![]() cos ![]() ![]()
偏角の差を求めます.
![]() ![]() ![]() cos(− ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
■複素数の極形式
複素数の2通りの表し方
(1) (実部)+i(虚部) の形 (2) 絶対値×(cosθ+i sinθ) の形(←これが極形式) ![]()
sinθ=
![]()
cosθ=
だから
![]()
x=rcosθ
になります.y=rsinθ したがって,
x+yi=rcosθ+irsinθ=r(cosθ+isinθ)
という形で書くことができます.○x+yiをr(cosθ+isinθ)に直すときは,
r=
によって,絶対値rを求めることができます.![]() ○複素数の絶対値(大きさ)は,その複素数の原点からの距離を表しています.
【例】
![]()
5(cos
![]() ![]()
=5(
![]() ![]() ![]()
=
![]() ![]() ![]() ■複素数の積商の図形的な意味
【複素数の掛け算は回転・拡大】
複素数z1=r1(cosθ1+sinθ1)にz2=r2(cosθ2+sinθ2)を掛けると
z1z2=r1r2(cos(θ1+θ2)+sin(θ1+θ2))
となるので,これらの積は元の複素数z1の大きさr1をr2倍し,偏角θ1にθ2を加えたものになります.このように,偏角θ2,大きさr2の複素数を掛けると,これらで表される角度と大きさだけ「回転と拡大」を行うことになります. ![]()
2(cos
は,絶対値が2で偏角が![]() ![]() ![]() これに ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
2(cos
![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
=2
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 3=3(cos0+i sin0)は,絶対値が3で偏角が0の複素数(青丸) これに
i=cos
![]() ![]() ![]() さらに,iを掛けると, ![]() さらに,iを掛けると, ![]() さらに,iを掛けると, ![]()
【複素数の割り算は逆回転・縮小】
複素数z1=r1(cosθ1+sinθ1)をz2=r2(cosθ2+sinθ2)で割ると![]() ![]() ![]() このように,偏角θ2,大きさr2の複素数で割ると,これらで表される角度と大きさだけ「逆回転と縮小」を行うことになります. ![]() 8(cos ![]() ![]() ![]() ![]() 絶対値が8で偏角が ![]() これを
2(cos
時計回りに![]() ![]() ![]() (赤丸:) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() さらに,2iで割ると,時計回りに ![]() (緑丸:− ![]() ![]() |
【問題2】
(1)次の図において,青で示した点は複素数
z1=2
を表しています.![]() ![]() ![]() もう一つの複素数を
z2=
とするとき,これらの積z1z2を次の複素数平面上で示してください.![]() ![]() ![]() ![]() 解説
z1,z2の絶対値は各々2
![]() ![]()
z1z2の絶対値は2
z1,z1の偏角は各々![]() ![]() ![]()
z1z2の偏角は
になります.![]() ![]() ![]() したがって,
z1z2=4(cos
をポイントします.
![]() ![]() |
(2)次の図において,青で示した点は複素数
z1=2
を表しています.![]() ![]() ![]() もう一つの複素数を
z2=cos
とするとき,これらの積z1z2を次の複素数平面上で示してください.![]() ![]() ![]() 解説
sin(−θ)=−sinθ, cos(−θ)=cosθだから
z2=cos(−
![]() ![]() z1,z2の絶対値は各々2 ![]()
z1z2の絶対値は2
z1,z1の偏角は各々![]() ![]() ![]() ![]()
z1z2の偏角は
になります.![]() ![]() ![]() したがって,
z1z2=2
をポイントします.
![]() ![]() ![]()
(3)次の図において,赤で示した点は複素数
z1=3
を表しています.![]() ![]() ![]() もう一つの複素数を
z2=3(cos
とするとき,これらの商![]() ![]() ![]() ![]() 解説
z1,z2の絶対値は各々3
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() したがって, ![]() ![]() ![]() ![]()
(4)次の図において,赤で示した点は複素数
z1=3
を表しています.![]() ![]() ![]() もう一つの複素数を
z2=
とするとき,これらの商![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 解説
sin(−θ)=−sinθ, cos(−θ)=cosθだから
z2=
![]() ![]() ![]() z1,z2の絶対値は各々3 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() したがって, ![]() ![]() ![]() |
【問題3】 ♪~クロスワード・パズル風~軽く明るく!♪
○はじめに空欄を1つクリックし,続いてその空欄に入る複素数を下の選択肢から選んで1つクリックしてください.
○正しければ代入されます. ○間違っていれば解説を読むことができます. レベル1
[選択肢] 解説 レベル2
[選択肢] 解説 |
レベル3
[選択肢] 解説 レベル4
[選択肢] 解説 |
![]() ![]() |
■[個別の頁からの質問に対する回答][回転と拡大について/17.1.5]
問題2-3は1-iではないでしょうか?
=>[作者]:連絡ありがとう.画面上のHelpを見てください. |
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