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《解説》 ■三角形の内接円の半径の大きさは,面積と関係付けることができます. 三角形の内接円の半径をrとおく. 三角形を右図のように3つに分けると, さらに, とおくと となります. |
■三角形の面積は,いろんな求め方があります.そこで,ヘロンの公式などを用いて三角形の面積を求めておくと,内接円の半径が求まります.
【ヘロンの公式】
三辺の長さがa , b , cである三角形の面積Sを求めるには まず、s= を求めておき 次に、S= …(1) とします。 (1)はS= …(2) と書くこともできますが、教科書では通常(1)の形で書かれています。 右図のように三角形の面積は,何通りも表し方があります. そこで, ヘロンの公式で求めた面積
が,内接円の半径で表した面積
と等しいはずだということを使うと内接円の半径が求まります.
【例】
三角形の3辺の長さが,それぞれ13,14,15のとき,この三角形の内接円の半径を求めなさい. (答案) ヘロンの公式により ここで だから ゆえに …(答) |
《問題1》
三角形の3辺の長さが次のように与えられているとき,この三角形の内接円の半径を求めなさい.
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(1)
3,4,5 はじめに、ヘロンの公式を使って面積を求めておきます。 s= =6を求めておき S== 6とします。 次に、S=rsを利用すると 6=6r ⇒ r=1 |
(2)
9,10,17 はじめに、ヘロンの公式を使って面積を求めておきます。 s= =18を求めておき S==36とします。 次に、S=rsを利用すると 36=18r ⇒ r=2 |
(3)
11,13,20 はじめに、ヘロンの公式を使って面積を求めておきます。 s= =22を求めておき S==66とします。 次に、S=rsを利用すると 66=22r ⇒ r=3 |
(4)
15,26,37 はじめに、ヘロンの公式を使って面積を求めておきます。 s= =39を求めておき S==156とします。 次に、S=rsを利用すると 156=39r ⇒ r=4 (答が順に1,2,3,4となってしまったのは単なるジョークです。) |
《問題2》
次の三角形の内接円の半径を求めなさい.
(1)
a=8,b=3,C=60° 高校の数学で内接円の半径が簡単に求められるのは S=rs の関係式です。 S= から面積S=6が求められます。 余弦定理c2=a2+b2−2ab·cosCからc=7→s==9が求められます。 これらをS=rsに代入すると 6=9r ⇒ r= |
(2)
b=15,c=7,A=60° 高校の数学で内接円の半径が簡単に求められるのは S=rs の関係式です。 S= から面積S=が求められます。 余弦定理a2=b2+c2−2bc·cosAから a=13→s== が求められます。 これらをS=rsに代入すると = r ⇒ r= |
(3)
c=3,a=5,B=120° 高校の数学で内接円の半径が簡単に求められるのは S=rs の関係式です。 S= から面積S=が求められます。 余弦定理b2=c2+a2−2ca·cosBから b=7→s== が求められます。 これらをS=rsに代入すると = r ⇒ r= |
(4)
a=5,b=16,C=120° 高校の数学で内接円の半径が簡単に求められるのは S=rs の関係式です。 S= から面積S=20が求められます。 余弦定理c2=a2+b2−2ab·cosCから c=19→s== 20が求められます。 これらをS=rsに代入すると 20=20r ⇒ r= |
《問題3》
三角形ABCにおいて (1) sinAを求めよ. (1) (b+c):(a+b):(c+a)=5:6:7からa:b:cが求められます。(比率のみ)
(b+c):(a+b):(c+a)=5:6:7よりb+c=5k , a+b=6k , c+a=7k
a:b:cが分かれば、余弦定理の変形によりcosAが求められ、これによりsinAが求められます。
この連立方程式を解くとa=4k , b=2k , c=3k
余弦定理の変形:cosA= = −
⇒ sinA(>0)===
(2) 三角形ABCの内接円と外接円の半径の比を求めよ.
(昭和女子大入試問題からの引用) (2) 外接円の半径Rは正弦定理=2Rによって求められます。
=2R ⇒ R=k
内接円の半径はS=rsによって求められます。ここで面積は、ヘロンの公式によって求めます。
a=4k , b=2k , c=3kからs==
以上により、r:R= k : k=5:16
S= = k2 ⇒ S=rsより r= k |
(参考)
(1) 2辺とその間の角で面積を表す△ABCについて 内接円の半径をr,外接円の半径をR,面積をS,3辺の長さの和の半分をとするとき,これらについて成り立つ関係(まとめ) (2) 3辺と外接円の半径で面積を表す
正弦定理から これを(1)に代入すると (3) 3辺の長さの和と内接円の半径で面積を表す
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