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※高校数学Ⅰの「三角比と図形」(正弦定理,余弦定理など)について,このサイトには次の教材があります.
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正弦定理(解説)
正弦定理(問題)
分数型の方程式
余弦定理(解説)
三辺→角
余弦定理の2次方程式
筆算だけで解く問題(1)
筆算だけで解く問題(2)
最大角・最小角
ヘロンの公式
内接円の半径
形状問題
証明問題
三角形を解く
センター問題(1)
センター問題(2)
センター問題(3)

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== 正弦定理,余弦定理(筆算で解く問題) ==

三角形の辺と角の名前の付け方
 右図のような△ABCがあるとき
(1) 頂点の名前A, B, Cを使ってその内角の大きさを表す.
 例えば,角AとはCABのことを表す.
(2) 各頂点の対辺の長さを対応する小文字で表す.
 例えば,角Aの対辺の長さをBC=aとする.


正弦定理
△ABCの外接円の半径をRとするとき
asinA=bsinB=csinC=2R
が成り立つ.
正弦定理を使って三角形の辺や角を求める方法
(1) 辺の長さと角の大きさが1組分かっていれば,外接円の半径が求められる.
 例えば,Aaが分かっていれば,外接円の半径Rが求められる.
asinA=2R
(2) a, A, Bのように1組の辺角(a, A)と他の1つの角(B)が分かっていれば,辺bが求められる.
asinA=bsinBb=asinBsinA
(3) a, A, bのように1組の辺角(a, A)と他の1つの辺(b)が分かっていれば,角Bが求められる.
asinA=bsinBsinB=bsinAa
※(3)では一般に角度が2つ求まる可能性があるが,Aと足すと180°以上になる角Bは解にならない.(Cが負になって三角形が描けない)
次のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(Bを攻める)
abc
ABC

角が2つ求まると3つ目はただ同然(中学の数学):C=180°−(A+B)は「ただ」で手に入る
abc
ABC

上下1組がそろったa, Ab, Bでもよい)と角Cを使って辺cを攻める
 結局,3つの辺と3つの角が全部分かる.[陣取りゲーム完了!]

【例題1】
 ABCにおいて,a=6, A=120°のとき,外接円の半径Rを求めてください.
上下1組がそろっていれば」外接円の半径Rが求まる.
asinA=2R
6sin120=2R
632=2R
R=23・・・(答)

【問題1-1】
 ABCにおいて,b=8, B=45°のとき,外接円の半径Rを求めてください.
[解答を見る]

【問題1-2】
 ABCにおいて,a=3, B=70°, C=80°のとき,外接円の半径Rを求めてください.
[解答を見る]

【例題2】
 △ABCにおいて,a=4, A=45°, B=60°のとき,bを求めてください.
abc
ABC
次のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(bが求まる)
asinA=bsinBb=asinBsinA
b=4sin60sin45=4×3222=432×22=26・・・(答)

【問題2-1】
 ABCにおいて,a=6, A=135°, C=30°のとき,cを求めてください.
[解答を見る]

【問題2-2】
 ABCにおいて,b=3, B=60°, C=75°のとき,aを求めてください.
[解答を見る]

【例題3】
 △ABCにおいて,a=3, b=1, A=60°のとき,Bを求めてください.
abc
ABC
次のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(Bが求まる)
asinA=bsinBsinB=bsinAa
sinB=1×323=12
B=30°, 150°
B=150°のとき,A+B>180°となって不適当
B=30°・・・(答)

【問題3-1】
 ABCにおいて,a=2, c=2, C=45°のとき,Aを求めてください.
[解答を見る]

【問題3-2】
 ABCにおいて,a=2, b=2, B=30°のとき,Aを求めてください.
[解答を見る]

余弦定理
a2=b2+c22bccosA・・・(1.1)
b2=c2+a22cacosB・・・(1.2)
c2=a2+b22abcosC・・・(1.3)
が成り立つ.
また,上記の式を変形すると,次の形に書ける.
cosA=b2+c2a22bc・・・(2.1)
cosB=c2+a2b22ca・・・(2.2)
cosC=a2+b2c22ab・・・(2.3)
余弦定理を使って三角形の辺や角を求める方法
(1) 2辺とその間の角(例えば,b, cA)が分かれば,aの長さが求まる.⇒(1.1)など
次のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていないとき」余弦定理を考える
abc
ABC
b, c, Aa
(2) 3辺の長さが分かれば,角度も求まる.⇒(2.1)など
次のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていない」かつ「角度が1つも書いてない」とき「余弦定理の変形型」を考える
abc
ABC
a, b, cA
(3) 例えば,2辺とその間の角(例えば,a, cA)が分かっているとき,bの長さが求まる.⇒(1.1)をbの2次方程式として解く
a2=b2+c22bccosA・・・(3.1)

【例題4】
 △ABCにおいて,b=5, c=4, A=60°のとき,aを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていないとき」余弦定理を考える
a2=b2+c22bccosA
=25+162×5×4×12=21
a=21(>0)・・・(答)

【問題4-1】
 ABCにおいて,a=3, c=4, B=120°のとき,bを求めてください.
[解答を見る]

【問題4-2】
 ABCにおいて,a=2, b=3, C=150°のとき,cを求めてください.
[解答を見る]

【例題5】
 △ABCにおいて,a=2, b=6,c=3+1のとき,Aを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていない」かつ「角度が1つも書いてない」とき「余弦定理の変形型」を考える
cosA=b2+c2a22bc
=6+(3+1)2426(3+1)=6+2326(3+1)
=23(3+1)26(3+1)=12
A=45°・・・(答)

【問題5-1】
 △ABCにおいて,a=7, b=13, c=8のとき,Bを求めてください.
[解答を見る]

【問題5-2】
 △ABCにおいて,a=1, b=3,c=7のとき,Cを求めてください.
[解答を見る]

【例題6】
 △ABCにおいて,a=2, b=2, c=3+1のとき,Cを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていない」かつ「角度が1つも書いてない」とき「余弦定理の変形型」を考える
 ここまでは「基本」であるが,数学Ⅰの筆算の範囲(定期試験や大学入試でコンピュータ,数表持ち込みが許可されていない場合)では,通常15°, 75°, 105°などの三角比は覚えない.
• 数学Ⅱで,加法定理や半角公式を習うと
sin75=cos15=6+24
cos75=sin15=624
を求めることができるが,「この値を覚えていること」までは通常要求されない.
• コンピュータを使える場合は,sin75°=0.9659, cos75°=0.2588などが使えるが,これらは近似値である.
 そこで,15°, 75°, 105°などの三角比が登場するときは,他の2つの角の値から「迂回して」
C=180°−(A+B)
により求めることを考える.
cosC=a2+b2c22ab=2+4(4+23)42
=22342=264
※これ以上は進めないので保留にする
cosA=b2+c2a22bc=4+(4+23)24(3+1)=6+234(3+1)
=23(3+1)4(3+1)=32
A=30°
cosB=c2+a2b22ca=(4+23)+2422(3+1)=2+2322(3+1)
=2(3+1)22(3+1)=12
B=45°
C=180°−(A+B)=180°−75°=105°・・・(答)

【問題6-1】
 △ABCにおいて,a=62,b=2,c=22のとき,Aを求めてください.
[解答を見る]

【問題6-2】
 △ABCにおいて,a=6,b=3+1, c=2のとき,Bを求めてください.
[解答を見る]

【例題7】
 △ABCにおいて,a=2, c=3+1, A=45°のとき,bを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(Cが求まる)というのが正弦定理の使い方の基本であるが,問題で求めたいものがCではなくてbである場合
 (3.1)で述べたように,角Aを使った余弦定理をbの2次方程式として解くことができる
a2=b2+c22bccosA
4=b2+(4+23)2b(3+1)×22
b22(3+1)b+23=0
(b2)(b6)=0
b=2,6・・・(答)
右図のように2つの図形が描けるので,2つとも解になる

【問題7-1】
 △ABCにおいて,a=2, b=2, B=30°のとき,cを求めてください.
[解答を見る]

【問題7-2】
 △ABCにおいて,b=6, c=32, B=135°のとき,aを求めてください.
[解答を見る]

【例題8】
 △ABCにおいて,a=4, A=75°, B=45°のとき,bを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(bが求まる)というのが正弦定理の使い方の基本であるが,A=75°は使いにくい(少なくとも数学Ⅰでは覚えない)
 b, cを未知数として連立方程式を解いてもよい.
A+B+C=180°だからC=60°
正弦定理を用いると
bsinB=csinC
b22=c32
c=32b・・・(#1)
Cを使った余弦定理を用いると
c2=a2+b22abcosC
c2=16+b22×4b×12
c2=16+b24b・・・(#2)
(#1)を(#2)に代入する
32b2=16+b24b
3b2=32+2b28b
b2+8b32=0
b=4±43
b=4(31)(>0)・・・(答)

【問題8-1】
 △ABCにおいて,c=3+1, B=45°, C=105°のとき,aを求めてください.
[解答を見る]

【問題8-2】
 △ABCにおいて,a=2, A=15°, B=30°のとき,bを求めてください.
[解答を見る]

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