■ Σ記号に慣れよう(Σ記号の値をExcelで求めるには) ■解説(1) 10Σk = 1k を数値で求めるには: 右図のようにセルA1に1,A2に2,・・・,A10に10を書き込んでおき(*1),セルA11に関数 (初歩的な参考) (*1) セルA1~A10に,1~10を書き込むには
|
![]() |
(2) 10Σk = 1k2 を数値で求めるには:
|
![]() |
(3) 右のようにA1~A5に数値 x1~x5 が書き込まれていて,これらの平均値を m とするとき, 5Σk = 1 (xk−m)2 を求めるには:
|
![]() |
■問題1 上の解説を参考にして,Excelを用いて次の値を求めなさい. (1) |
1例 (他の方法でもよい) (1) A1~A10に1~10を書き込む. (2) B1に =A1*2+1 と書き込む. (3) B1をポイントし,セルの右下でマウス形状が十字になったら,B10までドラッグする. (4) B11に =SUM(B1:B10)と書き込む.B11の値が答. |
(2) |
1例 (他の方法でもよい) (1) A1~A10に1~10を書き込む. (2) B1に =(A1*2-1)^2 と書き込む. (3) B1をポイントし,セルの右下でマウス形状が十字になったら,B10までドラッグする. (4) B11に =SUM(B1:B10)と書き込む.B11の値が答. |
(3)
1例 (他の方法でもよい) (1) A3に =(A1-A2)^2 を書き込む. (2) A3をポイントし,セルの右下でマウス形状が十字になったら,D3までドラッグする. (3) E3に =SUM(A3:D3)と書き込む.E3の値が答. |
![]() |
解説 統計でよく使われる量とExcelでの計算 | |
統計で使われる量 | Excelでの計算 |
○ 平均値 n個の変数 x1,x2,x3,・・・,xn の平均値 mは, m = ![]() で定義される. Σ記号を用いれば, m = ![]() と書ける. |
次のように,変数x1,x2,x3,・・・,x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,![]() これら5つの変数の平均値は,=AVERAGE(A1:A5) で求められる. ( =SUM(A1:A5)/COUNT(A1:A5) に等しい ) |
○ 変動(偏差平方和) n個の変数 x1,x2,x3,・・・,xn の平均値を mとするとき,変動(偏差平方和) S は S=(x1−m)2+(x2−m)2+(x3−m)2+・・・+(xn−m)2 で定義される. Σ記号を用いれば, S=nΣk = 1 (xk−m)2 と書ける. |
次のように,変数x1,x2,x3,・・・,x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,![]() これら5つの変数の変動は, (1) A6 に平均値を求める:=AVERAGE(A1:A5) (2) B1に=(A1-$A$6)^2と書き込むみ,B5までコピー貼り付け (3) B6に=SUM(B1:B5) ・・・これが変動 |
○ 分散 分散はデータのばらつき具合を表わす量で,n個の変数 x1,x2,x3,・・・,xn の分散は,平均値を mとするとき V = ![]() で定義される. これはΣ記号を用いて, V = ![]() と書ける. ※ 上に述べた変動(偏差平方和) S との関係は S=nV , V= ![]() |
次のように,変数x1,x2,x3,・・・,x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,![]() これら5つの変数の分散は,=VARP(A1:A5) で求めることができる. Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→VARP ※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意 ※ 分散は,1つの関数で直接求められるようになっている. ※ これを用いれば,上に述べた変動(偏差平方和)は, =VARP(範囲)*個数で求められる. |
○ 不偏分散 分散と同様にデータのばらつきを表わす量であるが,n個の変数 x1,x2,x3,・・・,xn が母集団から取られた標本であるとき,母集団の分散の推定値を不偏分散という. 不偏分散は, ![]() で定義される. これはΣ記号を用いて, ![]() と書ける. ※ 不偏分散の方が単純に求めた分散よりも少し大きい. ※ (不偏分散)×(n -1)=変動=(分散)×(n) が成り立つ. |
次のように,変数x1,x2,x3,・・・,x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,![]() これら5つの変数の不偏分散は,=VAR(A1:A5) で求められる. Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→VAR ※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意 |
○ (単純)標準偏差 n個の変数 x1,x2,x3,・・・,xn の標準偏差 s は,平均値を mとするとき, s= ![]() ![]() これは,Σ記号を用いて, s= ![]() ![]() と書ける. ※ 上に述べた分散 V との関係は, s2=V |
次のように,変数x1,x2,x3,・・・,x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,![]() これら5つの変数の標準偏差は,=STDEVP(A1:A5) で求められる. Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→STDEVP ※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意 |
○ (標本からの推定した母集団の)標準偏差 n個の標本 x1,x2,x3,・・・,xn から推定される母集団の標準偏差 σ は,平均値を mとするとき, σ= ![]() ![]() これは,Σ記号を用いて, σ= ![]() ![]() と書ける. ※ 上に述べた不偏分散の正の平方根となっている. |
次のように,変数x1,x2,x3,・・・,x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,![]() Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→STDEV ※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意 |
○ ベクトルの内積(Excelの用語では配列の積) 2つのベクトル −−>v =(y1 , y2 , y3 , ... , yn) −−>u ·−−>v =x1y1+x2y2+x3y3 ... + xnyn で定義される. これは,Σ記号を用いて, −−>u ·−−>v =nΣk = 1 xkyk と書ける. ベクトル −−>u =(x1 , x2 , x3 , ... , xn) の大きさ |−−>u | は, |−−>u|= ![]() で定義される. これはΣ記号を用いれば, |−−>u|= ![]() と書かれる. |
次のように,ベクトル −−>u の成分 x1,x2,x3,・・・,x5 がセルA1~A5に入力されており, ベクトル −−>v の成分 y1,y2,y3,・・・,y5 がセルB1~B5に入力されているとき, ![]() =SUMPRODUCT(A1:A5,B1:B5) で求めることができる. [ 積(PRODUCT)の和(SUM)の意味 ] Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「数学/三角」→SUMPRODUCT (配列1にA1:A5,配列2にB1:B5を指定する.配列3は空白) ※ SUMPRODUCTは要素数が等しい列と列,行と行に使える. ※ C1に=A1*B1とし,この式をC2からC5にコピー貼り付けの後,C6に=SUM(C1:C5) としても同じ結果が得られる. |
■問題2 上の解説を参考にして,Excelを用いて次の値を求めなさい. 右の表において,セルA1~A10に入力されている値を,各々x1 , x2 , x3 , ... , x10 とし,セルB1~B10に入力されている値を各々y1 , y2 , y3 , ... , y10 とするとき,次の値を求めなさい.なお,これらの値を転記するには,画面上でドラッグ・コピーし,Excel上に貼り付けるとよい. |
(1) =AVERAGE(A1:A10) (2) A11に=AVERAGE(A1:A10) C1に =(A1-$A$11)^2 これをコピーし,C2~C10に貼り付け C11に=SUM(C1:C10) ※ =VARP(A1:A10)*10 でもよい. (3) =VARP(A1:A10) (4) =VAR(A1:A10) (5) =SUMPRODUCT(A1:A10,B1:B10) (6) A11に=AVERAGE(A1:A10) C1に =A1-$A$11 これをコピーし,C2~C10に貼り付け B11に=AVERAGE(B1:B10) (A11のコピーでも可) D1に =B1-$B$11 これをコピーし,D2~D10に貼り付け =SUMPRODUCT(C1:C10,D1:D10) (7) =STDEV(A1:A10) ※ =SQRT(VAR(A1:A10)) でもよい. |
■このサイト内のGoogle検索■ |