現在地と前後の項目

確率変数と確率分布(1)/確率変数,確率分布(2)/期待値/分散,標準偏差/期待値,分散,標準偏差/代表値(平均値,中央値,最頻値)/度数分布表→平均値,分散,標準偏差/度数分布表をExcelで/度数分布表,相対度数分布表/分割表(クロス集計表),散布図の作成/散布図とクロス集計/確率変数の変換(1)/確率変数の変換(2)/同時確率分布,周辺分布/資料の散布度/共分散,相関係数/チェビシェフの不等式/ベクトルの内積と相関係数/二項分布/連続型確率分布/正規分布(1)/正規分布(2)/二項分布の正規近似/母平均,母比率の推定/同[練習問題]/母平均,母比率の検定(大標本)/母集団,標本/総和記号Σ(シグマ)に慣れよう(1)/総和記号Σ(シグマ)に慣れよう(2)/センター試験.確率分布 統計(2013年~)/

■ Σ記号に慣れよう(Σ記号の値をExcelで求めるには)

■解説

(1) 10Σk = 1Σik を数値で求めるには:


 右図のようにセルA1に1,A2に2,・・・,A10に10を書き込んでおき(*1),セルA11に関数
=SUM(A1:A10)
を書き込む(*2).セルA11の値が答.

(初歩的な参考)
(*1) セルA1~A10に,1~10を書き込むには
  • A1に1を書き込む
  • A1~A10をドラッグにより反転表示にする
  • メニューから「編集」→「フィル」→「連続データの作成」→「範囲:列,種類:加算,増分値:1 OK」
(*2) セルA11に =SUM(A1:A10) を書き込むには,次のうちいずれか1つのの操作を行えばよい(1つだけ
  1. セルA11をポイントし,ショートカットアイコンのΣをクリックする.(この問題のように連続データに続くセルでΣをクリックすると,自動的に隣接する数値データの範囲全体を加えることが多いが,求めるものと異なるときは,引き続いてドラッグし直すとよい.)
  2. メニューから「挿入」→「関数」→「数学/三角でSUM」→「数値1のところでをクリックし,A1~A10までをドラッグ(数値2の欄は空白のままにする)」
  3. セルA11に半角英数字で直接 =SUM(A1:A10) と書き込む(A1とA10の間にはセミコロン(;)でなく,コロン(:)を書き込む)
.


(2) 10Σk = 1Σik2 を数値で求めるには:
  • 右図のようにセルA1に1,A2に2,・・・,A10に10を書き込んでおき(上の例(1)),
  • 次に,セルB1に =A1^2 (^2は2乗を表わす)と書き込む
  • セルB1をポイントし,右下でマウスの形がになったら,B10までドラッグする(または,B1をコピーし,B2からB10までに貼り付ける=数式の貼り付けにより各々のセルの左のセルの値の2乗が得られる).
  • セルA11に関数
    =SUM(B1:B10)
    を書き込む.セルB11の値が答.
(3) 右のようにA1~A5に数値 x1x5 が書き込まれていて,これらの平均値を m とするとき,

.5Σk = 1Σi(xk−m)2

を求めるには:
  • まず平均値 m をセルA6に書き込む:
    • セルA6に=AVERAGE(A1:A5) と書き込む.
    • または,メニューから「挿入」→「関数」→「統計」→「AGERAGE」→「数値1のところでをクリックし,A1~A5までをドラッグ(数値2の欄は空白のままにする)」
  • 次に,セルB1に
    =(A1-$A$6)^2
    と書き込む.($A$6とするところが重要.今の場合A$6でもよいが,とにかく式のコピー&貼り付けをするときに,平均値のセルA6が動かないことが重要)
  • セルB1をポイントし,右下でマウスの形がになったら,B5までドラッグする(または,B1をコピーし,B2からB5までに貼り付ける).
  • セルB6に関数
    =SUM(B1:B5)
    を書き込む.セルB6の値が答.

■問題1 上の解説を参考にして,Excelを用いて次の値を求めなさい.

(1)

. 10Σk = 1Σi(2k+1) =



(2)

. 10Σk = 1Σi(2k−1)2 =


(3)
 右図のようにA1~D1に数値 x1x4 が書き込まれていて,A2~D2に数値 y1y4 が書き込まれているとき,


.4Σk = 1Σi(xk−yk )2

の値を求めなさい.(右図の値で計算しなさい)

.



解説 統計でよく使われる量とExcelでの計算
統計で使われる量 Excelでの計算
○ 平均値
 n個の変数 x1x2x3,・・・xn の平均値 mは,


.m = .1nn{x1+x2+x3+・・・++xn}
で定義される.
 Σ記号を用いれば,
.m = .1nnnΣk = 1Σixk
と書ける.
 次のように,変数x1x2x3,・・・x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,

.
これら5つの変数の平均値は,=AVERAGE(A1:A5) で求められる.
( =SUM(A1:A5)/COUNT(A1:A5) に等しい )
○ 変動(偏差平方和)

 n個の変数 x1x2x3,・・・xn の平均値を mとするとき,変動(偏差平方和) S

.S=(x1−m)2+(x2−m)2+(x3−m)2+・・・+(xn−m)2

で定義される.
 Σ記号を用いれば,

. S=nΣk = 1Σi(xk−m)2
と書ける.
 次のように,変数x1x2x3,・・・x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,

.
これら5つの変数の変動は,
(1) A6 に平均値を求める:=AVERAGE(A1:A5)
(2) B1に=(A1-$A$6)^2と書き込むみ,B5までコピー貼り付け
(3) B6に=SUM(B1:B5) ・・・これが変動
○ 分散
 分散はデータのばらつき具合を表わす量で,n個の変数 x1x2x3,・・・xn の分散は,平均値を mとするとき


.V = .1nn{(x1−m)2+(x2−m)2+(x3−m)2+・・・+(xn−m)2}

で定義される.
 これはΣ記号を用いて,

.V = .1nnnΣk = 1Σi(xk−m)2
と書ける.

※ 上に述べた変動(偏差平方和) S との関係は


. S=nV , V=.Snn
 次のように,変数x1x2x3,・・・x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,

.
これら5つの変数の分散は,=VARP(A1:A5) で求めることができる.
 Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→VARP
※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意
※ 分散は,1つの関数で直接求められるようになっている.
※ これを用いれば,上に述べた変動(偏差平方和)は,
=VARP(範囲)*個数で求められる.
○ 不偏分散
 分散と同様にデータのばらつきを表わす量であるが,n個の変数 x1x2x3,・・・xn が母集団から取られた標本であるとき,母集団の分散の推定値を不偏分散という.
 不偏分散は,


..1n-1nnn{(x1−m)2+(x2−m)2+(x3−m)2+・・・+(xn−m)2}

で定義される.
 これはΣ記号を用いて,

..1n-1nnnnΣk = 1Σi(xk−m)2
と書ける.

※ 不偏分散の方が単純に求めた分散よりも少し大きい.
※ (不偏分散)×(n -1)=変動=(分散)×(n) が成り立つ.
 次のように,変数x1x2x3,・・・x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,

.
これら5つの変数の不偏分散は,=VAR(A1:A5) で求められる.
 Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→VAR
※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意
 (単純)標準偏差
 n個の変数 x1x2x3,・・・xn の標準偏差 s は,平均値を mとするとき,
s=..1nn{(x1−m)2+(x2−m)2+(x3−m)2+・・・+(xn−m)2}√nnnnnnnnnnnnnnnnnnni

 これは,Σ記号を用いて,

. s=..1nnnΣk_=_1Σi(xk−m)2√nnnnnni

と書ける.

※ 上に述べた分散 V との関係は,

. s2=V
 次のように,変数x1x2x3,・・・x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,

.
これら5つの変数の標準偏差は,=STDEVP(A1:A5) で求められる.
 Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→STDEVP
※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意
 (標本からの推定した母集団の)標準偏差
 n個の標本 x1x2x3,・・・xn から推定される母集団の標準偏差 σ は,平均値を mとするとき,
σ=._.1n-1nn{(x1−m)2+(x2−m)2+(x3−m)2+・・・+(xn−m)2}√nnnnnnnnnnnnnnnnnnnni

 これは,Σ記号を用いて,

.σ=._.1n-1nnnΣk_=_1Σi(xk−m)2√nnnnnnni

と書ける.

※ 上に述べた不偏分散の正の平方根となっている.
 次のように,変数x1x2x3,・・・x5 の値がセルA1~A5に入力されているとき,
これら5つの標本から推定される母集団の標準偏差は,=STDEV(A1:A5) で求められる.
 Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「統計」→STDEV
※ Excel関数として,よく似たものが他にもあるので注意
○ ベクトルの内積(Excelの用語では配列の積)
 2つのベクトル
>uw=(x1 , x2 , x3 , ... , xn)
>vw=(y1 , y2 , y3 , ... , yn)
の内積は,

.>uw·>vw=x1y1+x2y2+x3y3 ... + xnyn

で定義される.
 これは,Σ記号を用いて,

.>uw·>vw=nΣk = 1Σixkyk
と書ける.

 ベクトル >uw=(x1 , x2 , x3 , ... , xn) の大きさ |>uw| は,

.|>uw|=.x12+x22+x32_..._+_xn2√nnnnnnnnni

で定義される.
 これはΣ記号を用いれば,

.|>uw|=.nΣk_=_1Σixk2√nnni
と書かれる.
.

 次のように,ベクトル >uw の成分 x1x2x3,・・・x5 がセルA1~A5に入力されており,
 ベクトル >vw の成分 y1y2y3,・・・y5 がセルB1~B5に入力されているとき,
これら2つのベクトルの内積 >uw·>vw は,
=SUMPRODUCT(A1:A5,B1:B5) で求めることができる.
  [ 積(PRODUCT)の和(SUM)の意味 ]
 Excelのメニューから関数を選択するときは,メニュー→「挿入」→「関数」→「数学/三角」→SUMPRODUCT
(配列1にA1:A5,配列2にB1:B5を指定する.配列3は空白)

※ SUMPRODUCTは要素数が等しい列と列,行と行に使える.
※ C1に=A1*B1とし,この式をC2からC5にコピー貼り付けの後,C6に=SUM(C1:C5) としても同じ結果が得られる.

■問題2 上の解説を参考にして,Excelを用いて次の値を求めなさい.

 右の表において,セルA1~A10に入力されている値を,各々x1 , x2 , x3 , ... , x10 とし,セルB1~B10に入力されている値を各々y1 , y2 , y3 , ... , y10 とするとき,次の値を求めなさい.
 なお,これらの値を転記するには,画面上でドラッグ・コピーし,Excel上に貼り付けるとよい.

 
(1) .110nn10Σk = 1Σixk=


(2) x1 , x2 , x3 , ... , x10 の平均値を m とするとき,

   10Σk = 1Σi(xk−m)2=


(3)  x1 , x2 , x3 , ... , x10 の平均値を m とするとき,

   .110nn10Σk = 1Σi(xk−m)2=


(4)   x1 , x2 , x3 , ... , x10 の平均値を m とするとき,

   .19n10Σk = 1Σi(xk−m)2=

(小数第2位まで求めなさい.)

(5)  10Σk = 1Σixkyk=


(6)  x1 , x2 , x3 , ... , x10 の平均値を my1 , y2 , y3 , ... , y10 の平均値を n とするとき,

   10Σk = 1Σi(xk−m)(yk−n)=


(7)  x1 , x2 , x3 , ... , x10 の平均値を mとするとき,

   ._.19n10Σk_=_1Σi(xk−m)2√nnnnnnni=


(小数第2位まで求めなさい.)
  A B
1 3 1
2 4 -2
3 4 3
4 5 2
5 5 -2
6 5 4
7 6 -1
8 6 -3
9 7 2
10 8 3
























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