![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 式と証明点と直線円軌跡と領域三角関数 指数関数対数関数微分不定積分定積分 高次方程式数列漸化式と数学的帰納法 平面ベクトル空間ベクトル確率分布 ※高校数学Ⅱの「三角関数」について,このサイトには次の教材があります.
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y=sinθのグラフを描くには、次のような対応表(θの値とyの値を表にしたもの)を作り、求めた座標(θ , y)を結んでいく。 ◇対応表◇
このy=sinθのグラフは、以下の解説を通じて何度も登場する[基本の形]なので、しっかりとイメージに刻んでおくことが重要。 特に、次の点は確実に言えなくてはならない。
(1)sin0°=0 だから θ=0°のときy=0
◇グラフ◇
(2)sin90°=1 だから θ=90°のときy=1 (3)sin180°=0 だから θ=180°のときy=0 (4)sin270°=−1 だから θ=270°のときy=−1 (5)sin360°=0 だから θ=360°のときy=0 ![]() |
■y=sin(θ−α)のグラフ【要点】
【 これが重要 】
○ y=sin(θ−α)のグラフは、y=sinθのグラフを 左に(x軸の負の向きに)αだけ移動したものではなく、 右に(x軸の正の向きに)αだけ移動したものになる。 ○ y=sin(θ+α)のグラフは、y=sinθのグラフを 右に(x軸の正の向きに)αだけ移動したものではなく、 左に(x軸の負の向きに)αだけ移動したものになる。
θ−30°なのになぜ右に動くのか
θ+30°なのになぜ左に動くのか ⇒ これさえ分かればよい |
≪解説1≫ ○ y=sin(θ−30°)のグラフを描くために、
◇y=sin(θ−30°)の対応表◇
θの値よりも、θ−30°の値は30°だけ「遅れる」。 これをグラフで表すと、右に30°だけ移動させたものになる。
例えば、θ=30°のとき、θ−30°=0°だから、
sin(θ−30°)=0となって、移動する前の0°のときの値になっている。 同様に、θ=60°のとき、θ−30°=30°だから、 sin(θ−30°)= ![]() 同様に、θ=90°のとき、θ−30°=60°だから、 sin(θ−30°)= ![]() ![]()
y=sin(θ−30°)のグラフ
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○ y=sin(θ+30°)のグラフを描くために、
◇y=sin(θ+30°)の対応表◇
θの値よりも、θ+30°の値は30°だけ「進む」。 これをグラフで表すと、左に30°だけ移動させたものになる。
例えば、θ=0°のとき、θ+30°=30°だから、
sin(θ+30°)= ![]() 同様に、θ=30°のとき、θ+30°=60°だから、 sin(θ+30°)= ![]() ![]() 同様に、θ=60°のとき、θ+30°=90°だから、 sin(θ+30°)=1となって、移動する前の90°のときの値になっている。
y=sin(θ+30°)のグラフ
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≪解説2≫ …(やや難しいが、グラフの平行移動はすべてこれで説明できる)
【グラフの平行移動の公式】
(証明)y=f(x)のグラフをx軸の正の向きにp、y軸の正の向きにqだけ平行移動してできるグラフの方程式は 次図1のように元のy=f(x)上の点を(X,Y)、新しいグラフ上の点の座標を(x,y)とおくとき、xとyの関係式を求めるとよい。 元の点(X,Y)はy=f(x)のグラフ上にあるから Y=f(X) …(1) : 元の関係式 を満たす。 新しい点(x,y)は元の点(X,Y)をx軸の正の向きにp、y軸の正の向きにqだけ平行移動したものだから x=X+p …(2) : 新旧x座標の関係 y=Y+q …(3) : 新旧y座標の関係 が成り立つ。 (2)(3)では新座標が旧座標で表されているが、ここでは旧座標を消去して新座標の関係式を作りたいのだから、旧座標を新座標で表す式に直しておく。 X=x−p …(2’) : 旧新x座標の関係 Y=y−q …(3’) : 旧新y座標の関係 (2’)(3’)を(1)に代入して旧座標(X,Y)を消去すると y−q=f(x−p) …(4) 通常、関係式はy=…の形で書くことが多いので、その習慣に従ってqを移項しておくと y=f(x−p)+q …(5) : 新しい関係式 ■証明終り■
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図1![]() 上の証明において、x軸の正の向きにp、y軸の正の向きにqだけ平行移動しているのに、 xだけx−pとなって、yは+qとなっているのは「ズルイ」「不公平だ」と思う人は、よく見直してほしい。 実際には、(5)式は(4)式と同じ式で、(4)を(5)に書き換えたのは「習慣に従った」だけなので、(4)が新しいグラフの方程式だといってもよい。 (4)ではxもyも正の向きに平行移動するときに、いずれもx−p、y−qとなって引き算になることが分かる。 なぜ、足し算ではなくて引き算になるのかのカラクリは、(2)(3)を(2’)(3’)に書きなおしたところにある。 よく見ると次の関係式は、単に元の関係式が書いてあるだけだということが分かる。 このように新しい関係式は、新座標からx軸の負の向きにp、y軸の負の向きにqだけ戻った点が、元のグラフ上にあるということを表している。 これは、平行移動の仕方から考えて「正しい・当然のこと」を表している。 |
![]() 直線y=xのグラフをx軸の正の向きに1、y軸の正の向きに2だけ平行移動してできるグラフの方程式は |
公式にはf(x)のfがあったのに、この例題にはfがないじゃないか?fはどこに行ったのか?と突っ込みを入れたい人へ ⇒ f(x)は式に付けた名前で、具体的な問題ではy=2x、y=3x2、y=sin xのように具体的な形の関数を扱う。以下の例はすべて具体的な関数を扱っているので、f(x)という名前は登場しない。 |
【例2】 放物線y=2x2のグラフをx軸の正の向きに3、y軸の正の向きに4だけ平行移動してできるグラフの方程式は ※ この内容は2次関数の頂点の座標を求めるときに登場する。 |
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【例3】 双曲線y= ![]() y= ![]() ※ x軸の正の向きに−3だけ平行移動しているからx+3という式になる。y軸の正の向きに4だけ平行移動しているから、+4が付く。 |
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【例4】 y=sinθのグラフをθ軸の正の向きに30°、y軸の正の向きに1だけ平行移動してできるグラフの方程式は |
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【例5】 y=cosθのグラフをθ軸の正の向きに−60°だけ平行移動してできるグラフの方程式は |
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【例6】 y=sin(2θ−60°)のグラフを描くときは、θの代わりに何が代入されているかを考えるために このように変形すると、y=sin(2θ−60°)のグラフはy=sin2θのグラフをθの正の向きに30°だけ平行移動したものであることが分かる。 |
【例7】 y=cos(3θ+180°)は |
【例題1】
(解答)y=sin(2θ+90°)のグラフはy=sin2θのグラフをどのように平行移動したものか. y=sin2(θ+45°)と変形する. θ軸の正の向きに−45°だけ平行移動したもの…(答) (左に45°平行移動したもの)
※+90°となっているからと言って90°と答えてはいけない.
※変形して+45°となるからと言って+45°と答えてはいけない.
【例題2】
(解答)y=cos(3θ−90°)のグラフはy=cos3θのグラフをどのように平行移動したものか. y=cos3(θ−30°)と変形する. θ軸の正の向きに30°だけ平行移動したもの…(答) (右に30°平行移動したもの)
※−90°となっているからと言って−90°と答えてはいけない.
※変形して−30°となるからと言って−30°と答えてはいけない.
【例題3】
(解答)y=tan(3θ+60°)−2のグラフはy=tan3θのグラフをどのように平行移動したものか. y=cos3(θ+20°)−2と変形する. θ軸の正の向きに−20°,y軸の正の向きに−2平行移動したもの…(答) (左に20°,下に2だけ平行移動したもの)
※y軸方向の移動量はy=f(x−p)+qのqをそのまま読めばよい.
yは何もズルくない!! → y−q=f(x−p)の形で考えると θ軸方向にp,y軸方向にqになりお互い様なのだ 次の各問題に答えてください.(解答は下の選択肢から正しいものをクリック)
【問題1】
y=sin(2θ+120°)のグラフはy=sin2θのグラフをどのように平行移動したものか.
y=sin2(θ+60°)と変形する.
θ軸の正の向きに−60°だけ平行移動したもの…(答)
【問題2】
y=sin(3θ−120°)のグラフはy=sin3θのグラフをどのように平行移動したものか.
y=sin3(θ−40°)と変形する.
θ軸の正の向きに40°だけ平行移動したもの…(答)
【問題3】
θ軸の正の向きに−120°だけ平行移動したもの…(答) ※2でくくるときは係数を2で割る.同様にして
【問題4】
θ軸の正の向きに180°だけ平行移動したもの…(答) ※3でくくるときは係数を3で割る.同様にして
【問題5】
y=sin(3θ−90°)−1のグラフはy=sin3θのグラフをどのように平行移動したものか.
θ軸方向に30°,y軸方向に1だけ平行移動したもの
θ軸方向に30°,y軸方向に−1だけ平行移動したもの θ軸方向に90°,y軸方向に1だけ平行移動したもの θ軸方向に90°,y軸方向に−1だけ平行移動したもの
y=sin3(θ−30°)−1と変形する.
θ軸方向に30°,y軸方向に−1だけ平行移動したもの…(答) |
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