![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 数と式不等式二次関数二次不等式三角比三角比と図形集合・命題・証明順列・組合せ確率整数の性質 ※高校数学Aの「整数の性質…2進法,N進法」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください. が現在地です. ↓最大公約数,最小公倍数,互除法 ↓1次不定方程式の整数解 ↓センター試験.整数問題 ↓ペル方程式 ↓2進法,16進法,n進法⇔10進法 ↓2進数の演算 ↓N進法 ↓N進数の演算 ↓N進法の小数 ↓試験問題(素数,剰余類) ↓3n+1問題(コラッツ予想) ↓フェルマー予想,オイラー予想 連続整数の積 ![]() ■連続整数の積
【要点】
(解説)(以下,n, kは整数とする) ○連続する2つの整数の積は2の倍数になる.
n(n+1)やn(n−1)は2で割り切れる.
○連続する3整数の積は3!=6の倍数になる.
n(n+1)(n+2)や(n−1)n(n+1)は6で割り切れる.
○連続するm個の整数の積はm!の倍数になる.
n(n+1)(n+2)···(n+m−1)はm!で割り切れる.
○nが整数のとき,n(n+1)がつねに2で割り切れることは,次のように示される.
(1) nが偶数(n=2kのとき)ならば,因数nがあるから,
○nが整数のとき,(n−1)n(n+1)がつねに6で割り切れることは,次のように示される.n(n+1)=2k(2k+1)が2で割り切れることは明らか. (2) nが奇数(n=2k+1のとき)ならば,因数n+1があるから, n(n+1)=(2k+1)(2k+2)=2(2k+1)(k+1)は2で割り切れる. 以上により,nが偶数であっても奇数であっても,n(n+1)は2で割り切れる.
(*) 2の倍数であることは上で示されている.
○nが整数のとき,n(n+1)(n+2)···(n+m−1)がつねにm!で割り切れることは,次のように示される.3の倍数であることは,次のようにして示される. (1) nが3の倍数(n=3kのとき)ならば,因数nがあるから, (n−1)n(n+1)=(3k−1)(3k)(3k+1)が3で割り切れることは明らか. (2) n=3k+1のとき,因数n−1があるから, (n−1)n(n+1)=3k(3k+1)(3k+2)は3で割り切れる. (3) n=3k+2のとき,因数n+1があるから,(n−1)n(n+1) =(3k+1)(3k+2)(3k+3)=3(3k+1)(3k+2)(k+1)は3で割り切れる. 以上により,nが整数のとき,(n−1)n(n+1)は3で割り切れる. 2でも3でも割り切れ,2と3は互いに素だから,6で割り切れる.
異なるn個のものからm個とってできる組合せの総数nCmは整数であるが,順列・組合せの公式によれば
nCm=
この値が整数になるのだから,n(n+1)(n+2)···(n+m−1)はm!で割り切れる.
![]() ![]()
めったに見ない公式でなければ,それが公式であることを示せば,黙って使ってよい.
上記の公式はよく登場するので,証明なしに使っても構わない. |
【例1】
nが整数のとき,n(n2+3n−4)は6で割り切れることを示してください. ![]() (n−1)n(n+1) や n(n+1)(n+2)なら6で割り切れることは直ちに言える. ⇒ (n−1)n(n+1)とかn(n+1)(n+2)を作って,残りの部分は後で調整するとよい. (答案) n(n2+3n−4)=n(n−1)(n+4)=n(n−1) { n+1+3 }
とにかく,n(n−1)(n+1)を作る.残りのことは後で考える.
=n(n−1)(n+1)+3n(n−1)ここで,(n−1)n(n+1)は連続3整数の積だから3!=6で割り切れる. 次に,n(n−1)は連続2整数の積だから2で割り切れ,3n(n−1)は6で割り切れる. 以上により,n(n2+3n−4)は6で割り切れる.
【問題1】
nが整数のとき,2n3+3n2+n+1について,次のうちで正しいものを選んでください. 16で割り切れる 26で割ると1余る 36で割ると2余る 46で割ると3余る 56で割ると4余る 66で割ると5余る 解説
2n3+3n2+n+1=n(2n2+3n+1)+1
=n(n+1)(2n+1)+1=n(n+1){ n−1+n+2 }+1 =n(n+1)(2n+1)+1=n(n+1)(n−1)+n(n+1)(n+2)+1 ここで,n(n+1)(n−1)およびn(n+1)(n+2)はそれぞれ連続3整数の積だから6の倍数 したがって,n(n+1)(n−1)+n(n+1)(n+2)+1を6で割ると1余る
→2
|
【問題2】
nが整数のとき,n5−nについて,次のうちで正しいものを選んでください. 15でも6でも割り切れない場合がある 2つねに5で割り切れるが,6では割り切れない場合がある 3つねに6で割り切れるが,5では割り切れない場合がある 4つねに30で割り切れる 解説
n5−n=n(n4−1)
=n(n−1)(n+1)(n2+1) =n(n−1)(n+1){ (n−2)(n+2)+5 }
なぜ,(n−2)(n+2)が登場するのか?
=(n−2)(n−1)n(n+1)(n+2)+5(n−1)n(n+1)⇒ そうなってほしい(そうなれば連続5整数の積になってうれしい)から,したいことを先にやって,つじつまが合わないところは後で調整する! ♪~「やってみないと分からない」♪~「やってから考える」という立場に立つ ここで(n−2)(n−1)n(n+1)(n+2)は連続5整数の積だから5!=120で割り切れる. (n−1)n(n+1)は連続3整数の積だから3!=6で割り切れ,したがって5(n−1)n(n+1)は30で割り切れる. 以上により,つねに30で割り切れる.
→4
【問題4】
nが5で割り切れない整数のとき,n4−5n2について,次のうちで正しいものを選んでください. 15で割り切れる 25で割ると1余る 35で割ると2余る 45で割ると3余る 55で割ると4余る 解説
n4−5n2=(n2−1)(n2−4)−4
=(n−2)(n−1)(n+1)(n+2)−5+1 ここで,n=5k±1, 5k±2のとき,(n−2)(n−1)(n+1)(n+2)が5で割り切れるから,全体では1余る.
→2
なお,n=1, 2のときなどn4−5n2=−4となって負の整数になりますが,負の整数を5で割ったときの余りは,次の例のように決めます.
|
【問題3】
nが整数のとき,n3+5nについて,次のうちで正しいものを選んでください. 16で割り切れる 26で割ると1または5余る 32か3のどちらかで割り切りれない場合がある 44で割り切れる 解説
n3+5n=n(n2+5)
=n { (n−1)(n+1)+6 } =n(n−1)(n+1)+6n ここで連続3整数の積n(n−1)(n+1)は6で割り切れ,6nも6で割り切れるから,n3+5nは6で割り切れる.(2, 3は不可) n=1のときn3+5n=6だから4で割り切れない.
≪そんなに器用に変形できなければどうするのか?≫
n3+5n=n(n2+5) =n { (n+1)(n+2)−3n+3 } =n(n+1)(n+2)−3n(n−1) のように変形した場合でも,同じ結論を示すことができます.
→1
2でも3でも割り切れない整数nはn=6k±1と書ける.(kは整数)
このとき n2+3n+1=(n2−1)+3n+2 =(n−1)(n+1)+3n+2 ここで,n=6k±1のとき,(n−1)(n+1)は6で割り切れる. 次に,3n+2=3(6k±1)+2=6(3k)+5, 6(3k)−1だから,5余る.
→4
|
■[個別の頁からの質問に対する回答][連続整数の積について/17.2.18]
6で割りきれることの証明の(1)の3Kの代入がおかしかない?
■[個別の頁からの質問に対する回答][連続整数の積について/17.1.9]
=>[作者]:連絡ありがとう.確かにn(n+1)(n+2)の話になっていましたので訂正しました. 面白かった
=>[作者]:連絡ありがとう.この教材は公開してから1年経過していないかも |
■このサイト内のGoogle検索■ |