![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 式と証明点と直線円軌跡と領域三角関数 指数関数対数関数微分不定積分定積分 高次方程式数列漸化式と数学的帰納法 平面ベクトル空間ベクトル確率分布 ※高校数学Ⅱの「式と証明」について,このサイトには次の教材があります.
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【要約】
(解説)恒等式が成立することを証明するには,その問題に応じて次のうち使いやすい形で行えばよい. (I) (左辺)を変形していくと(右辺)になることを示す. (左辺) → ★ →(右辺) (II) (右辺)を変形していくと(左辺)になることを示す. (左辺) ← ★ ←(右辺) (III) (左辺)と(右辺)を変形していくと,それぞれ同じ式に行き着くことを示す. (左辺) → ★ ←(右辺) (IV) (左辺)-(右辺)=0を示す. (左辺)-(右辺) → ★ =0 (I) 次の例のように,(左辺)が比較的複雑な式で(右辺)が簡単な式のとき,(左辺)を変形していくと(右辺)になるという形が示しやすい. 【例1】(II) 次の例のように,(右辺)が比較的複雑な式で(左辺)が簡単な式のとき,(右辺)を変形していくと(左辺)になるという形が示しやすい. 【例2】(III) 上の(I)(II)のように,一方通行で変形していけるときはその方が簡単でよいが,(左辺)から変形し始めて途中で変形しにくくなったらそこ(★)で止めて,(右辺)からその式(★)にたどり着けることを示してもよい.
【例3】
(IV) (I)~(III)で証明するのがむずかしいときでも,この変形方法でできることがある.0を目指すので目標が分かりやすく,また,機械的に処理していけることが多い.
(ax+by)2+(ay− bx)2=(a2+b2)(x2+y2) となることを証明せよ. (答案) (左辺)=a2x2+2abxy+b2y2+a2y2− 2abxy+b2x2 =a2x2+b2y2+a2y2+b2x2 (・・・ この生徒は因数分解が不得意だとする) (右辺)=a2x2+a2y2+b2y2+b2x2=a2x2+b2y2+a2y2+b2x2 ゆえに,(左辺)=(右辺) ■証明終り■ 【例4】
【ポイント】
(IV)が最強です. ただし,単に(左辺)−(右辺)=0 と書けばよいのではないことに注意.次の答案は(問題文を書き換えただけの)零点答案になります.
(問題)
重要なのは,(左辺)−(右辺)=0 にすればよいのだなという方向性は決めておいても,「途中経過においてはその結論は気付かないふりをして,最後に結論を書くこと」(ax+by)2+(ay− bx)2=(a2+b2)(x2+y2)を証明せよ. (答案) (ax+by)2+(ay− bx)2−(a2+b2)(x2+y2)=0 ![]()
(問題)
(ax+by)2+(ay− bx)2=(a2+b2)(x2+y2)を証明せよ. (答案) (ax+by)2+(ay− bx)2−(a2+b2)(x2+y2) =a2x2+2abxy+b2y2+a2y2−2abxy+b2x2 −a2x2−a2y2−b2y2−b2x2 =0 |
■よく見られる間違いについて■
○ 「言えていること」と「言いたいこと」を混同しないことが重要 ・・・ 「言えていること」から「言いたいこと」を作り上げる作業が証明だと考えること ○ 証明の書き手も読み手も「通りがかりの一般人」として説得力のある文章や式が証明 ・・・ 何でもお見通しの「数学の神様」を書き手にも読み手にも連れてきてはいけない ※[間をつなぐのが証明] 「 (x+1)2− (x− 1)2=4x を証明せよ.」という問題に対して, ※[式を順に並べると,それが正しいと主張していることになる] 「 (x+1)2− (x− 1)2=4x を証明せよ.」という問題に対して, ※[結論を仮定と混同してはいけない.言いたいこと(願望)と言えていること(現実)を混同してはいけない] 上の(B)から変形することについては,結論と仮定の混同という点からも問題がある・・・仮定と結論の違いは中学校で学ぶ. ※[書き手,読み手のどちらも数学の専門家,数学の神様ではなく,平凡な人が平凡な人に「納得できるように」説明するのが証明だと考えるとよい.] 上の(A)の例では,この程度のものは暗算で済ませましたという場合,書き手=「数学の専門家」だから許されると考えていれば大間違い. |
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■条件付き等式の証明 ※ 「a=5b のとき a2− 3ab=5b2+ab が成立する.」のように,ある条件のもとで成り立つ等式を条件付き等式という. 【要約】
当然のことながら,条件付きの等式は条件を使わなければ証明できない.(このことを忘れることが多い.) 条件を使うには,次のような方法がよく用いられる. (I) 右の例5のように,条件式を1つの文字について解いてこれを証明すべき式に代入して,文字の個数を減らす. (II) 右の例6にように,条件式が比例式で与えられるときは,比の値を k とおく.(これが比例式の定石 ) ※右の例6のように変形すると,文字数は1文字(k)増えるが,2文字(a , c)減るので,全体として1文字減る.
(参考)
○ 比例の関係 a : b=c : d は, ![]() ![]() と書くことができる. ○ 上の比例の関係は,左辺の1番:右辺の1番=左辺の2番:右辺の2番のように対応させて, ![]() ![]() と書くこともできる. ○ a : b : c=x : y : z のように3つ以上の比(連比)になっている場合は(A)ではできないので,(B)に慣れておくとよい. a : b : c=x : y : z ⇔ ![]() ![]() ![]() |
例5 a=5b のとき a2− 3ab=5b2+ab が成立することを証明せよ. (答案) a=5b を代入すると, (左辺)=(5b)2− 3·(5b)·b=25b2− 15b2=10b2 (右辺)=5b2+5b·b=5b2+5b2=10b2 ゆえに,(左辺)=(右辺) ■証明終り■ ※(左辺),(右辺)は証明すべき式=最も関心のある式の右辺,左辺を表わす.条件式の左辺,右辺ではない. 例6 ![]() ![]() ![]() ![]() (答案) ![]() ![]() 分母をはらうと a=kb, c=kd このとき, (左辺)= ![]() ![]() (右辺)= ![]() ![]() ゆえに,(左辺)=(右辺) ■証明終り■ ※ 条件式を使って1文字消去すればできるので,例えば a= ![]() (左辺)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (右辺)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() (ただし,条件式が連比のときなども考えると,やはり定石通り ![]() ![]() |
【例題1】 a+b+c=0 のとき b2−ac=c2−ab が成立することを証明せよ. (答案) a+b+c=0 より c=−a−b を代入すると (左辺)=b2−a(−a−b)=b2+a2+ab=a2+ab+b2 (右辺)=(−a−b)2−ab=a2+2ab+b2−ab=a2+ab+b2 ゆえに,(左辺)=(右辺) ■証明終り■ |
【例題2】 a : b : c=x : y : z ⇔ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() となることを証明せよ. (答案) ![]() ![]() ![]() ![]() a=kx , b=ky , c=kz (左辺)=(k2x2+k2y2+k2z2)(x2+y2+z2)=k2(x2+y2+z2)2 (右辺)=(kx2+ky2+kz2)2=k2(x2+y2+z2)2 ゆえに,(左辺)=(右辺) ■証明終り■ |
【問題2】 (以下の問題は証明問題ではなく,値を求める問題であるが,比例式の値に関連してよく出される.)
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■[個別の頁からの質問に対する回答][等式の証明について/16.12.3]
もっと詳しく教えてほしい。そして、違った不等式などもだしてほしい。
=>[作者]:連絡ありがとう.不等式の証明については,先頭にあるサブメニューから不等式の項を選択してください. |
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