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※高卒から大学初年度向け「行列」について,このサイトには次の教材があります.
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ベクトル.行列の超基本
行列と一次変換
点の像と原像(高校)
行列と1次変換
ベクトルの直交条件
1次独立,1次従属,基底,次元,核,階数
行列の階数
転置行列,対称行列,対角行列,三角行列
逆行列(1)
逆行列(2)
行列式(1)
行列式(2)
行列式(3)
行列式.基本性質による変形
固有値.固有ベクトル(定義)-現在地
固有値と固有ベクトル(求め方)
固有値と固有ベクトル(問題)
行列の対角化とは(定義)
行列を対角化するには(求め方)
表計算などによる連立方程式の解き方

== 固有値,固有ベクトルの定義 ==

■固有値,固有ベクトルの定義
n次正方行列Aに対して
Axw=λxw (xw0w
となるような定数λとベクトルxw(n次元の列ベクトル)が存在するとき,λAの固有値といい,xwλに属する(に対する)固有ベクトルという.

○ 任意の正方行列Aに対して零ベクトルxw=0wは常にAxw=λxwを満たすが,このような解(自明解)xw=0wは固有ベクトルに含めない.
 このように固有ベクトルが零ベクトルでないxw0wという仮定は本質的なものである.

○ しかし他方では,固有値がλ=0となることは,しばしばある.次の例においてはλ=0の固有値が存在する.

だからλ=0は固有値
だからλ=1は固有値

だからλ=0は固有値
だからλ=6は固有値
だからλ=−3は固有値
例1 2次正方行列での例
A=のとき,

となるから(行列の計算をしてみると分かる),固有値はλ=8 , -1 固有値λ1=8に属する固有ベクトルは
固有値λ2= −1に属する固有ベクトルは
例2 3次正方行列での例
A=のとき,


となるから(行列の計算をしてみると分かる),固有値はλ=1 , 2 , 3
固有値λ1=1に属する固有ベクトルは
固有値λ2=2に属する固有ベクトルは
固有値λ3=3に属する固有ベクトルは


○ あるベクトルが固有ベクトルであるとき,その定数倍(0倍以外)はすべて固有ベクトルとなる.
Axw=λxw → A(kxw)=λ(kxw)
 (3次元を例にとると)1つの固有ベクトルがのとき, (k0以外の数)の形でその方向のすべての固有ベクトルを表すことができる.
 そこで,固有値と固有ベクトルを答えるとき,固有値は数値で答え,固有ベクトルは (k0以外の数)の形で答えるとよい.

○ 固有ベクトルの図形的意味
 xw0w
Axw=λxw
となるとき,右辺はベクトルxwの定数倍だから,固有ベクトルとは行列Aによって
方向が変わらないベクトル
ということになる.(固有値が1でない限り大きさは変わる.固有値が負の数のときは逆向きになる・・・同じ向きと逆向きとを合わせて同じ方向というので,方向は変わらない.)2次元の場合,平面上のほとんどのベクトルはこのような性質をもたないが,2つの直線上にあるベクトルだけは方向が変わらない固有ベクトルとなる.
 Aが3次正方行列で固有値が3つあるとき,固有ベクトルは3種類ある.

○ 原点のまわりに角度Θだけ回転することを表す行列では,実数の固有値はない.(固有値は虚数になる.)このような場合には,x-yの実数平面上には方向の変わらないベクトルはない.

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