PC用は別頁
高校数学Ⅲの「関数・グラフ」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください.  が現在地です.


== 無理不等式の解き方 ==
○ はじめに
 無理方程式.x√ni=x−2を両辺を2乗して解くと,
x=(x−2)2
x=x2−4x+4
x2−5x+4=0
(x−1)(x−4)=0
x=1, 4
となって,正しい解x=4以外に,原方程式の解でないもの(無縁根,無縁解)x=1も混ざってきます.
 これは,2乗すると原方程式を満たすもの以外に
.x√ni=x−2を満たすものが入って来るためで,グラフで言えば図1の赤色の曲線y=.x√niと黄色の直線y=x−2の交点x=4, y=2という原方程式の解に相当するものの他に,灰色の曲線y=−.x√niと黄色の直線y=x−2の交点x=1, y=−1という無関係なものも混入するためです.

図1

 このことと関連して,無理不等式.x√ni>x−2を,不注意に両辺を2乗してx>(x−2)2で解いてしまうと,1<x<4という間違った範囲が得られます.(図1で赤色の曲線が黄色の直線よりも上にある範囲は0≦x<4
 同様にして,無理不等式.x√ni<x−2を,不注意に両辺を2乗してx<(x−2)2で解いてしまうと,x<1, 4<xという間違った範囲が得られます.(図1で赤色の曲線が黄色の直線よりも下にある範囲は4<x

 この頁では,無理不等式の解き方について
(A) 数式変形で解く方法
(B) グラフで解く方法
の2つを紹介します.

(A) 数式変形で解く方法[1]
.x√ni>x−2
が成り立つためには
.x√niが定義されるためにはx≧0でなければなりません.(2つのものの大小関係が言えるためには,両方とも定義されていなければなりません.)
・ さらに,x−2≧0も成り立つときは,0以上の2つのものは2乗比較してよいから,原不等式はx>(x−2)2に書き換えることができます.
x≧0であって,かつ,x−2<0のときは2乗するまでもなく,(0以上の数)>(負の数)が成り立ちます.
以上の内容は次のようにまとめられます.
.x√ni>x−2
(1) x≧0
x−2≧0
x>(x−2)2
または
(2) x≧0
x−2<0
(1)からは,x≧0かつx≧2かつ1<x<4となって,2≦x<4が得られます.
(2)からは,x≧0かつx<2となって,0≦x<2が得られます.
これらは,x=2のところでつながるので,結局0≦x<4が解となります.
【要点】
.f(x)√nnni>g(x)
(1) f(x)≧0
g(x)≧0
f(x)>{g(x)}2
または
(2) f(x)≧0
g(x)<0


f(x)が定義されることを前提として,
(1) g(x)≧0なら2乗比較する
(2) g(x)<0なら当然成立する

(A) 数式変形で解く方法[2]
.x√ni<x−2
が成り立つためには
.x√niが定義されるためにはx≧0でなければなりません.(2つのものの大小関係が言えるためには,両方とも定義されていなければなりません.)
・ 左辺は0以上だからx−2=0では不等式は成り立ちませんが,x−2>0が成り立つとき,0以上の2つのものは2乗比較してよいから,原不等式はx<(x−2)2に書き換えることができます.
x−2<0のときは成り立ちません.
以上の内容は次のようにまとめられます.
.x√ni<x−2
x≧0
x−2>0
x<(x−2)2
これらからx≧0かつx>2かつx<1, 4<xとなって,結局x>4が得られます.
【要点】
.f(x)√nnni<g(x)
f(x)≧0
g(x)>0
f(x)<{g(x)}2


f(x)が定義されることを前提として,
(1) g(x)>0なら2乗比較する
(*) g(x)≦0なら解はない

(B) グラフで解く方法
.x√ni>x−2
をグラフで解くには,図1のようなグラフを描き,赤色の曲線が黄色の直線よりも上にあるようなxの範囲を解とします.
 そのとき,x=0のところも2つの関数が定義されていて,かつ,
.0√ni>−2が成り立っていることに注意してください.解にはx=0も含まれ0≦x<4となります.
 x<0の区間では,.x√niが定義されないので,大きいとか小さいとかの議論はできません.
.x√ni<x−2
をグラフで解くには,図1のようなグラフを描き,赤色の曲線が黄色の直線よりも下にあるようなxの範囲を解とします.
 x>4となります.
 x<0の区間では,.x√niが定義されないので,大きいとか小さいとかの議論はできません.
【要点】
 グラフを使えば簡単
.2x−2√nnnni>.x+1√nnniのような場合も,定義域に注意すれば2乗比較によって解くことができますが,.3x−5√nnnni>.2x+3√nnnni−1のような場合は2乗の変形を1回行っただけでは根号は取り除けず,2回の操作となって複雑な式になります.
このような場合でも,グラフが描けると簡単に答えることができます.

[第1問 / 全4問]次の問題
問題次の不等式を解いてください.
(答が分数になるときは2/3のように記入するものとし,負の分数になるときは−2/3のように記入するものとします.)

.2x√nni<4−x

...(携帯版)メニューに戻る

...(PC版)メニューに戻る

■このサイト内のGoogle検索■

△このページの先頭に戻る△
【 アンケート送信 】
… このアンケートは教材改善の参考にさせていただきます

この頁について,良い所,悪い所,間違いの指摘,その他の感想があれば送信してください.
○文章の形をしている感想は全部読ませてもらっています.
○感想の内で,どの問題がどうであったかを正確な文章で伝えていただいた改善要望に対しては,可能な限り対応するようにしています.(※なお,攻撃的な文章になっている場合は,それを公開すると筆者だけでなく読者も読むことになりますので,採用しません.)


質問に対する回答の中学版はこの頁,高校版はこの頁にあります