高校〜大学基礎の数学用語.公式.例
1. 記号は3次元空間の基本ベクトル,はスカラー,はベクトルとする. [勾配] [発散] [回転] [ラプラシアン] |
2. ナブラと内積,外積を用いた表現 [ナブラ] もしくは を用いると,上記の定義は次のように書ける. [勾配]…ベクトルのスカラー倍として書ける [発散]…ナブラとベクトルの内積として書ける [回転]…ナブラとベクトルの外積として書ける 行列式で書けば [ラプラシアン]…ナブラとナブラの内積として書ける |
(参考) ナブラと内積,外積を用いた表現で機械的に処理するには,次のように行うとよい に対して,内積,外積については次の一覧表によって計算する.通常の場合,内積(・)は第1変数と第2変数(左右)を入れ換えても結果は変わらない.ただし,下記の注参照.外積(×)は第1変数と第2変数を入れ換えると符号が変わる.下の表では左欄を第1変数(左側),上欄を第2変数(右側)として計算する.
例えば 展開すると ここで上の表により,各々のを値に変えると |
(注) ナブラとベクトルの内積は,第1変数(左から掛けるもの)と第2変数(右から掛けるもの)を入れ換えると,意味が変わる点に注意 は,発散を表すのに対して は演算子で,右側にスカラー関数を付けたときに,何かの量を表す 展開すると ここで上の表により,各々のをベクトルに変えると |
3. grad, div, rot に関する公式 (1)はスカラー関数とする
≪定義通りに計算すれば≫
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫
≪定義通りに計算すれば≫
積の微分法:により |
したがって
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ ベクトルの実数倍(定数倍)の公式では,であるが,ナブラ は微分演算子であるからスカラー関数と左右入れ換えることはできない., また,ベクトルの実数倍(定数倍)の公式では,であるが,上記のようにナブラは微分演算子であるから,積の微分法が成り立ち,などとは変形できない.結論から言えば,をナブラで表すと,となる. 後で登場する,を変形すれば,この公式が得られる. |
≪定義通りに計算すれば≫
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ |
≪定義通りに計算すれば≫
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫
内積の展開公式がそのまま使える
|
≪定義通りに計算すれば≫
積の微分法: などにより 右辺は だから等しい ≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ ※積の微分が含まれているから,ベクトルの公式のままではない
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫
≪定義通りに計算すれば≫ 積の微分法: などにより |
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ 初めの方で示した表2により,各々のベクトルを書き換えると 初めの方に示した表1により,基本ベクトルの内積を0と1に書き換えると 各々,積の微分法によって微分する
≪定義通りに計算すれば≫
連続関数については,偏微分の順序を交換しても等しいから などが成り立つ したがって ≪結果をベクトルの内積・外積で表せば≫ のように対応させると |
≪定義通りに計算すれば≫
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫
外積の展開公式がそのまま使える
|
≪定義通りに計算すれば≫
積の微分法: などにより ≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ と対応させると |
≪定義通りに計算すれば≫
連続関数については,偏微分の順序を交換しても等しいから などが成り立つ したがって, ≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ のように対応させると |
≪定義通りに計算すれば≫
x成分は を足して引くと 同様にして,y,z成分は各々 まとめると ≪結果をベクトルの内積・外積で表せば≫ のように対応させると は,次の形に書ける |
≪定義通りに計算すれば≫ xによる微分の部分は 同様にして,y,zによる微分の部分は これらを加えると |
≪ベクトルの内積・外積で表せば≫ 前記の結果により また により 結局 |