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■逆三角関数の微分法
【基本公式】
y=sin−1x → .dydxnn= .1.1−x2√nnnninnnnn …(1)
(−1<x<1)
y=cos−1x → .dydxnn= − .1.1−x2√nnnninnnnn …(2)
(−1<x<1)
y=tan−1x → .dydxnn= .1x2+1nnnn …(3)
(−∞<x<∞)
(解説)
(1)←
y=sin−1x とは x=siny (−.π2n≦y≦.π2n , −1≦x≦1)となるyの値のことです.
yの関数x=sinyyで微分すると
.dxdynn=cosy
ところで,三角関数の相互関係によりsin2θ+cos2θ=1だから
cosy=±.1−sin2y√nnnnnni.1−x2√nnnni
ただし,.π2n≦y≦.π2nの場合は,cosy≧0
したがって
.dxdynn=.1−x2√nnnni
逆関数の微分法により
.dydxnn=.1.dxdynnnn= .1.1−x2√nnnninnnnn
ここで,分母が0となる値を除いて,定義域を−1<x<1とする.
合成関数の微分法を使ってx=sinyxで微分すると考えてもよい.
両辺をxで微分すると
1=.ddxnn(siny)
合成関数の微分法
.dzdxnn=.dzdynn.dydxnn
により
.ddxnn(siny)=.ddynn(siny) .dydxnn=cosy .dydxnn
だから
1=cosy .dydxnn
ゆえに
.dydxnn=.1cosynnnn= .1.1−x2√nnnninnnnn
※ 逆三角関数sin−1x , cos−1x , tan−1xの定義については
[→この頁]参照


(2)←
y=cos−1x とは x=cosy (0≦y≦π , −1≦x≦1)となるyの値のことです.
yの関数x=cosyyで微分すると
.dxdynn= − siny
ところで,三角関数の相互関係によりsin2θ+cos2θ=1だから
siny=±.1−cos2y√nnnnnni.1−x2√nnnni
ただし,0≦y≦πの場合は,siny≧0
したがって
.dxdynn= − .1−x2√nnnni
逆関数の微分法により
.dydxnn=.1.dxdynnnn= − .1.1−x2√nnnninnnnn
ここで,分母が0となる値を除いて,定義域を−1<x<1とする.
y=sin−1xの場合と同様に,合成関数の微分法を使って示してもよい.

(3)←
y=tan−1x とは x=tany (−.π2n<y<.π2n , −∞<x<∞)となるyの値のことです.
yの関数x=tanyyで微分すると
.dxdynn=.1cos2ynnnn
ところで,三角関数の相互関係によりsin2θ+cos2θ=1だから
tan2y+1=.1cos2ynnnn
したがって
.dxdynn=tan2y+1=x2+1
逆関数の微分法により
.dydxnn=.1.dxdynnnn= .1x2+1nnnn
y=sin−1xの場合と同様に,合成関数の微分法を使って示してもよい.
【例題1】
y=sin−1 .x4n (−4<x<4)の導関数を求めてください.
(解答)
y=sin−1t , t=.x4nとおくと
合成関数の微分法により
.dydxnn=.dydtnn.dtdxnn=.1.1−t2√nnnninnnnn.14n=.1.16−16t2√nnnnnnninnnnnnnn=.1.16−x2√nnnnninnnnnn
【例題2】
y=x sin−1x (−1<x<1)の導関数を求めてください.
(解答)
積の微分法により
.dydxnn=(x)sin−1x+x(sin−1x)=sin−1x+.x.1−x2√nnnninnnnn
【例題3】
y=cos−12x (−.12n<x<.12n)の導関数を求めてください.
(解答)
y=cos−1t , t=2xとおくと
合成関数の微分法により
.dydxnn=.dydtnn.dtdxnn= − .1.1−t2√nnnninnnnn·2= − .2.1−4x2√nnnnninnnnnn
【例題4】
y=tan−1(2−x)の導関数を求めてください.
(解答)
y=tan−1t , t=2−xとおくと
合成関数の微分法により
.dydxnn=.dydtnn.dtdxnn=.1t2+1nnnn·(−1)= − .1(x−2)2+1nnnnnnnn

○正しい番号を選択してください.
○番号をクリックすれば採点結果が表示され,解説を読むことができます.
[問題1]
次の関数の導関数を求めてください.
y=sin−1 .x3n (−3<x<3)

1.dydxnn= .1.9−x2√nnnninnnnn 2.dydxnn= .3.9−x2√nnnninnnnn
3.dydxnn= .1.1−9x2√nnnnninnnnnn 4.dydxnn= .3.1−9x2√nnnnninnnnnn



[問題2]
次の関数の導関数を求めてください.
y=sin−1 3x (−.13n<x<.13n)

1.dydxnn= .1.9−x2√nnnninnnnn 2.dydxnn= .3.9−x2√nnnninnnnn
3.dydxnn= .1.1−9x2√nnnnninnnnnn 4.dydxnn= .3.1−9x2√nnnnninnnnnn



[問題3]
次の関数の導関数を求めてください.
y=sin−1 .1xn (x>1)

1.dydxnn= − .x2.x−1√nnninnnn 2.dydxnn= − .1x2.x−1√nnninnnnnn
3.dydxnn= − .x.x2−1√nnnninnnnn 4.dydxnn= − .1x.x2−1√nnnninnnnnn



[問題4]
次の関数の導関数を求めてください.
y=cos−1 .x2n (−2<x<2)

1.dydxnn= − .1.4−x2√nnnninnnnn 2.dydxnn= − .2.4−x2√nnnninnnnn
3.dydxnn= − .1.1−4x2√nnnnninnnnnn 4.dydxnn= − .2.1−4x2√nnnnninnnnnn



[問題5]
次の関数の導関数を求めてください.
y=tan−1 .x4n

1.dydxnn= .2x2+1nnnn 2.dydxnn= .4x2+1nnnn
3.dydxnn= .2x2+16nnnnn 4.dydxnn= .4x2+16nnnnn



[問題6]
次の関数の導関数を求めてください.
y=tan−1 .1xn (x≠0)

1.dydxnn= .1x2+1nnnn 2.dydxnn= − .1x2+1nnnn
3.dydxnn= .xx2+1nnnn 4.dydxnn= − .x2x2+1nnnn




(参考)
次のような公式もある.




ここで


だから





ここで


だから

この関数は,x≦−1, 1≦xで定義され,傾きはつねに正になる.

(英語の書物では,と書かれている)



ここで


だから

この関数は,x≦−1, 1≦xで定義され,傾きはつねに負になる.
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■[個別の頁からの質問に対する回答][逆三角関数の微分法について/17.5.17]
大学生ですが、高校の内容で分からないところがあったときに見ています。ネットの情報なのでスマホさえあればいつでも解説と例題を見ることができ重宝しています。更に大学範囲や例題が増えるととても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][逆三角関数の微分法について/17.5.8]
解けなどという文面ではなく、求めてくださいと書いてあるので嬉しい。本当に嬉しい。
=>[作者]:連絡ありがとう.自分の担当している生徒や受験生に対しては,教えるものと学ぶものという上限関係がはっきりしているので,伝統的な数学本のスタイルで「解け」といってもおかしくないのですが,Web上の一時的な関わりではそれほど明確な上下関係はないので,敬語もありかなという感じです.ただし,教材作成に18年近くかかっていますので昔風に「解け」という文章も残っています.

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