大きな区分
高校数学 >> 高校数学Ⅲ>> 微分
■媒介変数表示3
(1) x, y座標がそれぞれ第3の変数tを用いて
x=f(t)
y=g(t)
…(*)
と表されるとき,tが定まると点P(x, y)が定まる.このとき,(*)を媒介変数表示tを媒介変数という.

(2) x, yが媒介変数で表される関数tを用いて表されるとき,その導関数(微分)
.dydxnn=..dydtnn.dxdtnnnnn=.g’(t)f’(t)nnnn
(3) 一般に,点P(a, b)を通り,傾きmの直線の方程式は
y−b=m(x−a)
となるので,上記の媒介変数表示(*)についてt=t0のときの
[接線の方程式]
y−g(t0)=.g’(t0)f’(t0)nnnn(x−f(t0))
[法線の方程式]
y−g(t0)=−.f’(t0)g’(t0)nnnn(x−f(t0))
(4) 動点P(x, y)の座標が,上記の媒介変数表示(*)で与えられるとき,その速度のx成分vxおよびy成分vy
vx=.dxdtnn=f’(t)
vy=.dydtnn=g’(t)
で与えられるので,時刻tにおける速度vw=(vx , vy )
vw=(f’(t) , g’(t) )
で求められる.
 また,加速度awx成分axおよびy成分ay
ax=.d2xdt2nnn=f”(t)
ay=.d2ydt2nnn=g”(t)
で与えられるので,時刻tにおける加速度aw=(ax , ay )
aw=(f”(t) , g”(t) )
で求められる.

【解説】
(2) ←
 yxで微分した導関数(微分).dydxnnは,単なる分数ではない
のでdだけ約分するようなことはできません.
 しかし,導関数(微分).dydxnnは,平均変化率.ΔyΔxnnの極限として
定義されており,
.dydxnn=limΔx→0limii.ΔyΔxnn
平均変化率.ΔyΔxnnの段階では,普通の分数で,掛け算・割り算や
約分などができます.そこで,分母と分子をΔtで割ると
.ΔyΔxnn=..ΔyΔtnn.ΔxΔtnnnn
この式において,Δx→0(このとき,同時にΔt→0となる)の極限を考えると
.limΔx→0limii.ΔyΔxnn=.limΔt→0limii.ΔyΔtnnlimΔt→0limii.ΔxΔtnnnnnnn
となります.この両辺を微分記号で表すと
..dydxnn=..dydtnn.dxdtnnnnn
(3) ←
 曲線上の点P(a, b)における微分係数は,導関数 .dydxnn(に
そのxの値を代入したもの)で求められるから,点P(a, b)における接線の方程式において
傾きはm=.g’(t0)f’(t0)nnnn
また
x座標はa=f(t0)
y座標はb=g(t0)
だから,接線の方程式はy−b=m(x−a)にこの値を代入して
y−g(t0)=.g’(t0)f’(t0)nnnn(x−f(t0))
で求められます.
 法線は,接線に垂直(直角)な直線で,一般に傾きmの直線に垂直(直角)な直線の傾きm’
m’=−.1mn
になります.したがって,接線
の傾きm=.g’(t0)f’(t0)nnnnに垂直な
法線の傾きはm’=−.f’(t0)g’(t0)nnnnになるので,
P(a, b)を通り,傾きm’=−.f’(t0)g’(t0)nnnnの直線の方程式は
y−g(t0)=−.f’(t0)g’(t0)nnnn(x−f(t0))
※正しい番号をクリックしてください.
問1媒介変数で表された次の関数について,導関数.dydxnntの関数として表してください.
x=t2+2t+1
y=t2−1
1.tt+2nnn 2.t+2tnnn 3.tt+1nnn 4.t+1tnnn

問2媒介変数で表された次の関数について,導関数.dydxnntの関数として表してください.
x=asint
y=bcost
1.bantant 2.bantant 3.abtantnnnnn 4.abtantnnnnn

問3次の媒介変数で表された曲線について,(  )内のtの値に対応する点における接線の方程式を求めてください.
x=t+sint
y=1−cost
(t=.π2n)
1y=x+.π2n 2y=x−.π2n 3y=−x+.π2n 4y=−x−.π2n

問4次の媒介変数で表された曲線について,(  )内のtの値に対応する点における接線の方程式を求めてください.
x=t2−t
y=t2+t
(t=1)
1y=2x+2 2y=2x+3
3y=3x+2 4y=3x+3

問5次の媒介変数で表された曲線について,(  )内のtの値に対応する点における法線の方程式を求めてください.
x=et
y=logt
(t=1)
1y=ex−e2 2y=−ex+e2

3y=.xen−1 4y=−.xen+1

問6次の媒介変数で表された曲線について,(  )内のtの値に対応する点における法線の方程式を求めてください.
x=.2t2+1nnnn
y=.2tt2+1nnnn
(t=2)
1y=−.43nx+.43n 2y=−x+1

3y=x−1 4y=.34nx+.12n

問7動点の運動が時刻tの関数として次の媒介変数で表されているとき,(  )内の時刻における速度ベクトルvwを求めてください.
x=tlogt
y=.ettn
(t=1)
1vw=(0, 1) 2vw=(0, −1)
3vw=(1, 0) 4vw=(−1, 0)

問8動点の運動が時刻tの関数として次の媒介変数で表されているとき,(  )内の時刻における速度ベクトルvwを求めてください.
x=.t+1√nnni
y=.t2+2√nnnni
(t=1)
1vw=( ..2√ni2nn , ..3√ni3nn ) 2vw=( ..2√ni2nn , ..3√ni4nn )
3vw=( ..2√ni3nn , ..3√ni4nn ) 4vw=( ..2√ni4nn , ..3√ni3nn )

...メニューに戻る
■このサイト内のGoogle検索■

△このページの先頭に戻る△
【 アンケート送信 】
… このアンケートは教材改善の参考にさせていただきます

この頁について,良い所,悪い所,間違いの指摘,その他の感想があれば送信してください.
○文章の形をしている感想は全部読ませてもらっています.
○感想の内で,どの問題がどうであったかを正確な文章で伝えていただいた改善要望に対しては,可能な限り対応するようにしています.(※なお,攻撃的な文章になっている場合は,それを公開すると筆者だけでなく読者も読むことになりますので,採用しません.)


質問に対する回答の中学版はこの頁,高校版はこの頁にあります