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※高校数学Ⅱの「点と直線」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください.  が現在地です.
◎内分点,外分点の図示
◎内分点,外分点の座標計算
◎内分点,外分点の座標
三角形の重心
2点間の距離の公式
点と直線の距離
三角形の形状問題
同(2)
1点と傾き→直線の方程式
2点→直線の方程式
2直線の平行条件
2直線の垂直条件
3点が1直線上にあるための条件
3直線が1点で交わるための条件
2直線の交点を通る直線の方程式

【平面上の内分点,外分点の座標】
 2点A(x1,y1),B(x2,y2)を結ぶ線分AB
(1) m : nに内分する点Pの座標は
P(nx1+mx2m+n,ny1+my2m+n)
 特に,中点(1:1に内分する点)Mの座標は
M(x1+x22,y1+y22)
(2) m : n (m≠n)に外分する点Qの座標は
Q(nx1+mx2mn,ny1+my2mn)
(解説)
 以下の解説は,多くの教科書に書かれているものとほぼ同じです.
(1)←
以下においては,x2>x1の場合の図をもとにして解説するが,結果はx2x1の場合も成り立つ.
中学2年生で習う平行線の性質,または中学校3年生で習う相似図形の性質を使うと,右図においてAP : BP=m : nのとき,
A'P' : B'P'=m : n
したがって
(xx1):(x2x)=m:n
n(xx1)=m(x2x)
nxnx1=mx2mx
mx+nx=nx1+mx2
(m+n)x=nx1+mx2
x=nx1+mx2m+n
 y座標についても同様に示すことができる.
 中点の公式はm=n=1とすると得られる.

(2)←
以下においては,x2>x1かつm>nの場合の図をもとにして解説するが,結果はx2x1m<nの場合も成り立つ.
中学2年生で習う平行線の性質,または中学校3年生で習う相似図形の性質を使うと,右図においてAQ : BQ=m : nのとき,
A'Q' : B'Q'=m : n
したがって
(xx1):(xx2)=m:n
n(xx1)=m(xx2)
nxnx1=mxmx2
nx1+mx2=mxnx
nx1+mx2=(mn)x
x=nx1+mx2mn
 y座標についても同様に示すことができる.
⇒このように,内分公式のnのところに−nを代入すると,外分公式になる

※よくある間違いに注意
 座標の値がx1,x2,y1,y2の4個,比率の値がm, nの2個,合計6個の値があるので,初心者ではこれらが「もつれて」間違ってしまう場合があります.次の3点に注意しましょう.
(1) x座標とy座標を「混ぜない」こと
(2) mとnは「クロスして掛ける」こと
(3) 外分公式では,「nだけを負にする」こと
(1) x座標とy座標を「混ぜない」こと
 x1x2xを作ること,y1y2yを作ること.
#1つの点のx座標とy座標を混ぜてしまう間違いが多い#
 〇:正しい計算
 ×:よくある間違い答案
 #自家受粉になっている#
【例1】
 2点A(1, 2), B(3, 4)を結ぶ線分AB5 : 6に内分する点の座標は
間違い ⇒ (6×1+5×25+6,6×3+5×45+6)
正しい ⇒ (6×1+5×35+6,6×2+5×45+6)
(2) mとnは「クロスして掛ける」こと
 図の見かけ上は,Aの座標x1に近い方の比率がmで,Bの座標x2に近い方の比率がnであるが,公式としては
x=nx1+mx2m+n
y=ny1+my2m+n
であるから,分母にあるm,nを分子に掛けるときは「クロスして掛ける」ことになります.
(見かけにダマされてはいけない「意地悪」「へそ曲げ」の公式となっています)
 証明は,上で行ったので,ここでは別の解釈を示してみます.
x=nm+nx1+mm+nx2
のように分けて見ると,2つの係数の和は1です.
nm+n+mm+n=1
 このとき,x2に掛けてある数字 mm+nx1に掛けてある数字 nm+nよりも大きければ, x2の影響を強く受け, x2に近い場所に来るはずです.
 例えば,m:n=9:1のとき,
x=0.1x1+0.9x2,(0.1+0.9=1)
になっています.このとき,x2 にはx1 の9倍の数字が掛けてあって(加重平均),非常にx2 に近い点になります.だから,Aからの距離の比mが大きいほどx2 に近付くという事情が,公式に反映されています.
⇒大きい数字が掛けてある方の点に近くなる
(3) 外分公式では,「nだけを負にする」こと
 外分公式
(nx1+mx2mn,ny1+my2mn)…(*1)
のx座標,y座標のいずれも分母と分子の両方に−1を掛けても,分数には1を掛けることになって,元の式と同じ値になるから
(nx1mx2m+n,ny1my2m+n)…(*2)
と書いてもよい.さらに,分母が負の数になってしまうと,計算間違いしやすくなるので,これを防ぐために「mとnの符号は大きい方を正に,小さい方を負にする」…(*3)と教える先生もいます.
 (*1)(*2)(*3)とも正しく,実際,筆者も「どれでもよい」と教えてきましたが,教育心理的にはそれは「できる生徒向けの説明」かもしれません.同値な式を一巡聞いておくのはよいことですが,まとめとしては1つの公式を確実に身に着ける方がよいでしょう.苦手な生徒向けとしては,正しいからと言って,何を言ってもよいとは限らず,揺れのある表現で言われると,判断で迷って,形が混ざってしまうミスを誘発しやすいので,
外分公式では,「nだけを負にする」
と決める方が間違いが少なくなると考えられます.
 特に,(*1)(*2)を並べて教えると,「外分では,m,nを負にすればいいんだな」と単純化して覚える生徒が見られ,
(nx1mx2mn,ny1my2mn)…(*4)
にしてしまうことがあります.実際には,(*4)の分母分子に−1を掛けると分かるように,次の内分公式と同じものになります.[(*1)(*2)(*3)は外分公式,(*4)は内分公式]
(nx1+mx2m+n,ny1+my2m+n)
⇒2つとも負にすると,元に戻ってしまう.

公式を確実に身に着けるための問題
【問題1】 次の各点の座標を求めてください.(選択肢の中から正しいものをクリック)
※暗算でやるのは無理ですから,別途計算用紙で計算してから答えてください.まぐれ当たりで合っても実力はつきません.
(1)
 2点A(3, 4),B(5, 6)を結ぶ線分ABを2:1に内分する点の座標

(2)
 2点A(3, 5),B(4, 6)を結ぶ線分ABを1:2に内分する点の座標

(3)
 2点A(3, −5),B(4, −6)を結ぶ線分ABを3:2に内分する点の座標

(4)
 2点A(−3, 5),B(−4, 6)を結ぶ線分ABを1:2に外分する点の座標

(5)
 2点A(3, −4), B(5, −6)を結ぶ線分ABを2:3に外分する点の座標

(6)
 2点A(−3, −4), B(−5, 6)を結ぶ線分ABを1:3に外分する点の座標

(7)
 2点A(−3, −5), B(5, 6)を結ぶ線分ABを2:5に内分する点の座標

(8)
 2点A(3, 4), B(−5, −6)を結ぶ線分ABを3:2に外分する点の座標

ゆっくり考える問題(教科書レベル)
【問題2】 (選択肢の中から正しいものをクリック)
(1)
 点A(−1, 2)に関して点B(3, −4)と対称な点Pの座標を求めてください.

[平行四辺形の2つの対角線は,互いに他を二等分することを使って,次の問題を解いてください]
(2)
 4点A, B, C, Dをこの順にたどると平行四辺形になるという.
 A(2, 2), B(−1, 1), C(0, 3)のとき,点Dの座標を求めてください.

(3) 少し難しいかも
△ABCの頂点A, B, Cについて,ABの中点をPPCの中点をQBC2 : 1に内分する点をRとすると,QARを何対何に内分しますか.

(4) 少し難しいかも
m>n>0とするとき,線分ABm : nに内分する点をPm : nに外分する点をQとおくと,点Bは線分PQを何対何に内分しますか.

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