【wxMaximaで定積分】
○三角関数の積分
求めたい定積分 |
maximaでの入力 |
結果 |


nが3以上の奇数のとき



nが2以上の偶数のとき

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integrate(sin(x), x, 0, %pi/2);
integrate(sin(x)^3, x, 0, %pi/2);
nを文字として,次のように入力した場合,ベータ関数を用いて形式的に表示されるだけで,右のような初等的な表現にはならない.
integrate(sin(x)^n, x, 0, %pi/2);
integrate(sin(x)^2, x, 0, %pi/2);
integrate(sin(x)^4, x, 0, %pi/2);
nを文字として,次のように入力した場合,ベータ関数を用いて形式的に表示されるだけで,右のような初等的な表現にはならない.
integrate(sin(x)^n, x, 0, %pi/2);
筆算で求めるときは,
とおくと が成り立つことから,順次次数の低いもので表す
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}{3 \cdot 5\cdot 7 \cdots (n)}&chco=aa4422)


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が成り立つ(置換積分で示せる)ので,上記
の結果は を に書き換えてもそのまま成り立つ.
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○次の形は不定積分として計算できるので,差を取れば定積分になる.
ただし,積分区間に0が含まれると分母が0となって収束しないことがある.
求めたい不定積分 |
maximaでの入力 |
結果(※積分定数は省略) |

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integrate(1/sin(x), x);
※あらかじめ
logabs : true;
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-1)}{2}-\frac{\log(\cos(x)%2B1)}{2})
※高校数学では,対数関数の真数が正の場合だけを扱う.cosx≦1に注意すると,左記の※のように対数が登場する積分計算では絶対値記号を付けるために logabs という変数の値を trueにしておくとよい.こうしておくと次の結果が得られる.
-1|}{2}-\frac{\log|\cos(x)%2B1|}{2})
筆算では次のようになる.
}{2}-\frac{\log(1%2B\cos x)}{2}=\frac{\log(\frac{1-\cos x}{1%2B\cos x})}{2}&chs=230x38)
}{2}=\frac{1}{2}\log(\frac{\sin^2 \frac{x}{2}}{\cos^2 \frac{x}{2}})=\frac{1}{2}\log(\tan^2\frac{x}{2})&chs=251x64)

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integrate(1/sin(x)^2, x);
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この結果を逆に微分してみると,簡単に確かめられる.
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integrate(1/sin(x)^3, x);
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%2B1|}{4}%2B\frac{\log|\cos(x)-1|}{4})
}{2cos(x)^2-2})
このあたりになると,なかなか覚えていられないが,次の漸化式において n=3 とした場合になっている.n=4,6,8,..の場合は に連なる.
とおくと

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logabs : true;はそれまでに一度実行してあればよい.
integrate(1/cos(x), x);
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%2B1|}{2}-\frac{\log|\sin(x)-1|}{2})
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integrate(1/cos(x)^2, x);
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)
これは重要公式なので,筆算でもできてほしい
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integrate(1/cos(x)^3, x);
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%2B1|}{4}-\frac{\log|\sin(x)-1|}{4})
}{2\sin(x)^2-2})
※一般に次の漸化式が成り立つ.
とおくと

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○ここまでの結果を使うと,次のような不定積分は筆算でも求められる
(積分定数は省略されている)
 | integrate(sin(x)/(1+sin(x)), x); |
wxMaximaから得られる結果
maxiamではtan−1xをatanxで表す.
…(*)
公式集などに書かれているもの
…(**)
筆算で求めた場合
…(***)
maximaから機械的に得られる(*)の結果は,あまりうれしくないが,ここでは筆算での求め方,及び(*)(**)(***)が積分定数の差異を除いて互いに等しいことを示してみる.
(筆算***)←
(**)←→(***)
(*)→(**)
○次の積分もほぼ同様にして示される
(wxMaxima) → }{cos(x)%2B1})}{2}- \frac{1}{\frac{2\sin(x)}{\cos(x)%2B1}- 2} \Biggr]&chf=bg,s,f9f9f9)
(公式集など) → &chf=bg,s,f9f9f9)
(筆算) →
(wxMaxima) → }{cos(x)%2B1})}- \frac{\sin(x)}{2(\cos(x)%2B 1)} \Biggr]&chf=bg,s,f9f9f9)
(公式集など) → 
(筆算) →
(wxMaxima) → }{cos(x)%2B1})}- \frac{\cos(x)%2B 1}{2\sin(x)} \Biggr]&chf=bg,s,f9f9f9)
(公式集など) → 
(筆算) →
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○次の積分は見かけはここまでの内容と似ているが,分子が分母の微分になっているので,全く別の論理で直ちに解ける.
}{f(x)}dx=\log|f(x)|+C\]&chco=8000ff&chs=160x45)
(積分定数は省略)
maximaで求めるときは,あらかじめ logabs : true;を実行しておく.




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○次の積分は見かけは上記に似ているが,分母が分子の微分になっているので,上記のような簡単なものではない.
(積分定数は省略)
…(*)
…(**)
(*)(**)についてmaximaから出力される結果は,複雑過ぎて読みづらい.
ここでは,筆算で求める方法を示す.
(*)←
(**)についても同様
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