現在地と前後の項目 積の法則/和の法則/場合分けのまとめ方/樹形図.辞書式配列/階乗/階乗,順列/隣り合う並び方/両端指定,整数の順列/円順列,じゅず順列/重複順列/組合せ/組合せ2/組合せ3(文章題)/組分け/同じものがあるときの順列/順路/番号札のもらい方/二項定理,多項定理,二項係数の性質/約数の個数,約数の総和(入試問題)/二項定理,多項定理(入試問題)/重複組合せ/重複組合せ2(文章題)/順列・組合せ(章末問題)/ 順路 ■順路の問題 《解説》 ![]() 右図のような街路があるとき,A地点からB地点まで最短経路で行く方法は何通りありますか.
順路を式や文字に対応させることができれば取り扱いが容易になります.
A地点からB地点へ,遠回りせずに行く限り,どの順路も東向きに4回,北向きに3回移動していることが分かります. ![]() eが4個,nが3個(同じものが)あるときの順列の総数を求めれば,それが順路の総数になります. (答案) ![]() ![]() 右図のように,平行線の幅が異なる場合でも,上の答案でよい:それぞれの順列,例えばenneeneにおいて,はじめのnは御池から丸太町への移動,・・・,はじめのeは西大路から千本への移動,・・・というように意味付けできるからです.
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■ 余談2
順路の問題を組合せの項目で教えるか,順列の項目で教えるかは,先生しだいです. 筆者は,「同じものがあるときの順列」で教えたほうがよく理解されるという経験則から,順列の項目で教えます.しかし,多くの教科書で順路の問題は「組合せ」の項目にあります.これは,「同じものがあるときの順列」を組合せで説明する方法をとっているからです.
同じものがあるときの順列の総数は組合せ nCr を用いて解説されることが多いので,これらの関係を示す.
aabbb のように同じものを2個と3個含む文字列を並べ替えてできる順列の総数は, ![]() であるが,それぞれにおいて a の場所さえ決めれば残りの場所は b に決まる. 例えば abbab では a の番号を1番と4番の2つに決めれば残り2,3,5番は b になる.したがって,aabbb の並べ替え方は,異なる5個の番号札から a の行き先の番号札2個をもらう方法の数 5C2 に等しく,組合せの公式 5C2= ![]() でも求められる. ![]() 5C3= ![]() |
《問題》 正しいものを選んでください.
選択肢をクリックすれば採点結果と解説が出ます.暗算では無理ですから計算用紙で計算してから答えてください.
解説 |
≪2≫
解説次の図のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中P地点を通る方法は何通りありますか. ![]() |
≪3≫
解説次のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中P地点を通らない方法は何通りありますか. ![]() (全体-Pを通る方法)を計算するのが楽です.
A地点からB地点に行く順路は全部でそのうちで,A地点からP地点を通ってB地点に行く順路は これらの差を求めると 210−80=130通り …(答) |
≪4≫
解説次のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中Q地点とP地点を通る方法は何通りありますか. ![]()
A→Q: 4!÷(2!2!)=6通り
Q→P: 2!÷(1!1!)=2通り P→B: 4!÷(3!1!)=4通り これらを積の法則でまとめます. 6×2×4=48通り …(答) |
≪5≫
解説次のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中Q地点を通らずP地点を通る方法は何通りありますか. ![]()
(Pを通る方法)−(PもQも通る方法)と考えると楽です
Pを通る方法は≪2≫の結果から80通りPもQも通る方法は≪4≫の結果から48通り これらの差を求めると 80−48=32通り …(答) ![]() Q地点を通らずP地点を通る方法には,(ア)右図のRを通る方法と(イ)Sを通る方法がある. (ア)Rを通る方法は
A→R:4通り
(イ)Sを通る方法はその各々について,R→P:1通り その各々について,P→B:4通り 積の法則により,16通り
A→S:4通り
和の法則により,16+16=32通り …(答)
その各々について,S→P:1通り その各々について,P→B:4通り 積の法則により,16通り |
解説
街路の一部が欠けているときの考え方として,
(ア)の方法でこの問題を解くときは,下図Cを通るものを全体から取り除きます.
(ア) 全体から,欠けた部分を通るものを引く方法 (イ) 検門を作り,場合分けする方法 があります. 全体=9!÷(4!5!)=126 Cを通るもの=6!÷(3!3!)×3!÷(2!1!)=60 126−60=66通り …(答) ![]() 6!÷(2!4!)×1=15 + 6!÷(2!4!)×3!÷(2!1!)=45 + 6!÷(1!5!)×1=6 15+45+6=66通り …(答) (検門の作り方には工夫が必要です--すなわち,それらの検門でAからBへ行く道が「もれなく」「重複なく」数えられることが重要です.右図●印のような検門と左の●印の検門を併用すると,両方通るものが登場してしまいます。) |
≪7≫
解説次の図のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くときに,途中の○の地点で買い物をしなければならないとすると,行き方は何通りありますか. ![]() ![]() A→C: 5!÷(2!3!) C→D: 1 D→B: 3!÷(2!1!) これらを積の法則でまとめます. 10×1×3=30通り …(答) |
≪8≫
解説次の図のような街路において,×印の所が通行止めになっているとき,A地点からB地点まで最短経路で行く方法は何通りありますか. ![]()
(全体)−(通行止め区間を通る道の数)で計算すると楽です.
AからBに行く順路は全部で 通行止め区間を通る方法は,上記≪7≫の結果から 30通り 求める方法は 126−30=96通り…(答) |
解説![]() 全体: 9!÷(5!4!) Cを通る: 5!÷(4!1!) Dを通る: 6!÷(5!1!) (C,Dの両方を通ることはありません.) 126−5−6=115通り…(答) ![]() 検門を作る方法では,右のP,Q,Rのような検門で待ち受けると「もれなく」「重複なく」数えることができます.
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解説![]() Pを通る: Qを通る: 和の法則により 40+60=100通り…(答) |
■[個別の頁からの質問に対する回答][順路について/17.6.24]
順路の図が見やすくて解説も丁寧でわかりやすいです。助かっています。これからも学習の傾向に応じたよくわかる問題をたくさんお願いします(^^)
=>[作者]:連絡ありがとう.連絡を受けたらその頁を読み直すようにいますが,「同じものがあるときの順列」と「組合せ」が等しいことについて,前の頁を読んでいない・覚えていない場合があると戸惑うかもしれないので,その解説を再掲しておきました. |
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