≪目次≫
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1次変換によって自分自身に移される点(動かない点)を不動点という.
(1) どんな1次変換でも原点(零ベクトル)は不動点になっている.(原点は不動点である.)
(証明)
任意の が成り立つからである.
(2) 行列
となることである.
(証明)
原点(零ベクトル)以外の不動点が存在するとは となる すなわち もし, は必要条件. 十分条件も満たすこと,すなわち (この式をジロっと見ると,実際に次のように原点(零ベクトル)でない解が存在することが分かる) ア) このとき は成り立つ. もし, イ) このとき は成り立つ. もしア)イ)とも となるから,平面上のすべての点 |
【例題2.3】
(解答)次の行列の表す1次変換によって,自分自身に移される点(不動点)を求めてください. (1) (2) (1) を解く ここで だから,左辺の係数行列には逆行列が存在する 原点(零ベクトル)のみが解となる…(答) (2) を解く より すなわち, |
(別解2)
【逆変換が存在しない場合でも使える方法】
直線の方程式:媒介変数表示にして,直線の方程式をx,y座標に分ける. を媒介変数表示で表すと ![]() 1次変換 により ![]() 媒介変数 変数を |
(別解3) 直線の方程式: は,次の形に書ける これを行列で書けば 変換式には逆変換が存在するからこれを利用できる. (2)を(1)に代入すれば,x’, y’の関係式が得られる 変数を |
【例題10.2】
(解答1)---◎[Best]1次変換 新しい直線の方程式が 新旧の変換式が ![]() であるとき,元の (別解1)---2点の原像から求める 直線 逆変換の式 に 2点 |
(別解2)---媒介変数表示で求める 直線 ![]() これを逆変換の式 に代入すると ![]() から媒介変数を消去すると (別解3)---行列形式で書く 直線の方程式: は,次の形に書ける これを行列で書けば 変換式を(1)に代入すると |
非正則変換による直線の像
【例題10.3】
(解答)(1) 平面全体はどのような図形に移されるか (2) 直線 (3) 直線 (1) ![]() により 変数を (2) 元の方程式を媒介変数表示で表すと ⅰ) ![]() これを ![]() に代入すると ![]() 媒介変数を消去すると 変数を |
ⅱ)![]() これを ![]() に代入すると ![]() 変数を ※[#1][#2]の結果は,[#1]と整合的になっている.すなわち,平面全体が直線 (3) 変換式 ![]() 新座標の方程式 から新座標を消去して旧座標の方程式にすると |
【例題11.1】
(高校数学Ⅰによる答案)●不動点を求める 不動点の座標を(x, y)とおくと したがって 不動点は, ●不動直線を求める 不動直線の方程式を, ![]() の変換により,方程式が変わらないから ①②の係数を比較すると が必要十分条件となる より 結局 不動直線は (固有値,固有ベクトル,不動点,不動直線の関係) ![]() を満たすので,直線の方向が変わらず,原点を通る不動直線に対応する. (Ⅱ) 特に,固有値 を満たすので,各点 (Ⅲ) 右図のように,固有値 となるから, ※なお, |
固有方程式を解く ア) かつ, とおくと だから となるから,点 ![]() 媒介変数 以上により 不動点は, 不動直線は, ( |
【例題11.2】
(高校数学Ⅰによる答案)●不動点を求める 不動点の座標を(x, y)とおくと したがって 不動点は, ●不動直線を求める 不動直線の方程式を, ![]() の変換により,方程式が変わらないから ①②の係数を比較すると が必要十分条件となる より 不動直線は |
(別解)・・・固有値,固有ベクトルを利用して解く 固有方程式を解く ア) かつ, とおくと ![]() 媒介変数 |
【例題11.3】
(解答のみ)不動直線は, 不動点は,直線
【例題11.4】
(高校数学Ⅰによる解答)●不動点を求める ゆえに, |
●不動直線を求める の形の不動直線があるとする. ![]() を代入して,元の直線の方程式を求める (1)(2)が一致するには ![]() よって, ここで, 不動直線の方程式は, |
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