■3次関数の最大値・最小値(文字の区間,文字係数を含む場合)
【例題1】
(解説)右図1は,3次関数y=f(x)=x3−3x+1のグラフのうちで0≦x≦aの区間を赤色で示し,他の区間を灰色で示したものです. a>0のとき,この関数の区間0≦x≦aにおける最小値と最大値を求めてください. (aの値は,初め0.50になっていますが,赤で示したスケールをクリックすると変更できます.) ○最小値 aの値を少しずつ大きくしていくと,a=1になるまで,区間の右端(青線で示したところ)x=aのところで最小値になることが分かります.
0<a≦1のとき最小値はf(a)=a3−3a+1
しかし,aの値を1よりも大きくしても,区間0≦x≦aの中では,x=1のときの最小値f(1)=13−3+1=−1よりも小さな値は登場しないので,最小値は変わらず−1になります.
a>1のとき最小値はf(1)=−1
○最大値aの値を少しずつ大きくしても,区間の左端(緑線で示したところ)x=0のところで最大値になっています. しかし,aの値を1.73あたりも大きくすると,今度は区間0≦x≦aの右端x=aのとき最大値f(a)=a3−3a+1となります. 画面上では,この境目となっているaの値はこれ以上詳しく判断できないので,正確な値は筆算で求めます.
f(x)=x3−3x+1=1となるxの値は
したがって
x3−3x=0 ⇔ x(x2−3)=0 ⇔ x=0, ± ![]() 図よりx>0だからx= ![]()
0<a≦
![]() a> ![]() |
≪図1≫
![]() |
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【例題2】
(解説)右図2は,3次関数y=f(x)=x3−3a2x+1のグラフのうちで0≦x≦1の区間を赤色で示し,他の区間を灰色で示したものです. a>0のとき,この関数の区間0≦x≦1における最小値と最大値を求めてください. (aの値は,初め0.50になっていますが,赤で示したスケールをクリックすると変更できます.) aの値を少しずつ大きくしていくと極小値がだんだん小さくなっていきますが,a>1になると極小値が区間0≦x≦1を外れてしまい,その値はこの区間内にないことが分かります. また,0<a<0.56のような値では,区間の右端(青線で示したところ)の方が,左端(緑線で示したところ)よりも大きいくなっていることが分かります. いずれの場合も,さらに正確に判断するには筆算で求める必要があります. y'=f '(x)=3x2−3a2=3(x+a)(x−a)だから増減表は次のようになります.ただし, a>0
最大値は,f(0)とf(1)を比較して場合分けします. (その1)
2−3a2≧1 ⇔ 3a2≦1 ⇔ 0<a≦
(その2)![]() ![]() x=1で最大値f(1)=2−3a2
a>
(イ)a≧1のとき,0≦x≦1の区間は水色の背景色で示した範囲になります.![]() ![]() x=0で最大値f(0)=1
最大値は,x=0のときf(0)=1になります. |
≪図2≫
![]() |
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【例題3】
(解説)右図3は,3次関数y=f(x)=x3−3xのグラフのうちでa≦x≦a+1の区間を赤色で示し,他の区間を灰色で示したものです. a>0のとき,この関数の区間a≦x≦a+1における最小値と最大値を求めてください. (aの値は,初め0.50になっていますが,赤で示したスケールをクリックすると変更できます.) ○最小値
aを少しずつ増やしていくと,aが1を越えるまでは,x=1が区間a≦x≦a+1の中に含まれるので,極小値f(1)=−2が最小値になります.
○最大値a>1のときは,f(a)=a3−3aが最小値になります.
2次関数では,グラフは軸(頂点を通る縦の直線)に関して左右対称になっていますが,3次関数ではそのような性質はありません.
だから,x=0.5のときのyの値とx=1.5のときのyの値とは等しくなく,y座標が等しくなるようなa, a+1の値は計算してみなければ分かりません.
区間の左端aと右端a+1のy座標が等しくなるときを調べると
a3−3a=(a+1)3−3(a+1)より a3−3a=a3+3a2+3a+1−3a−3 3a2+3a−2=0 解の公式を使うと a= ![]() ![]() ![]() ![]()
0<a≦
![]() ![]() 最大値はf(a)=a3−3a a> ![]() ![]() 最大値はf(a+1)=(a+1)3−3(a+1) |
≪図3≫
![]() |
問1a>0のとき,3次関数y=2x3−3x2+1の区間0≦x≦aにおける最大値と最小値を求めてください.
ア
0
(次のア~コに入るものを下の選択肢で選んでください.暗算ではできません.各自で計算用紙を使ってください.)
0<a≦アのとき,x=イで最大値ウをとる a>エのとき,x=オで最大値2a3−3a2+1をとる 0<a≦カのとき,x=キで最小値2a3−3a2+1をとる a>クのとき,x=ケで最小値コをとる ![]() ![]() イ 0 ![]() ![]() ウ 0 ![]() ![]() エ 0 ![]() ![]() オ 0 ![]() ![]() カ 0 ![]() ![]() キ 0 ![]() ![]() ク 0 ![]() ![]() ケ 0 ![]() ![]() コ 0 ![]() ![]() |
y=2x3−3x2+1の導関数を求めると
y'=f '(x)=6x2−6x=6x(x−1)だから増減表は次のようになります.
また,y=1となるx>0の値を求めると 2x3−3x2+1=1よりx= ![]()
aの現在値:0.5
○最大値![]()
0<a≦
○最小値![]() ![]()
0<a≦1のとき,x=aで最小値2a3−3a2+1をとる
a>1のとき,x=1で最小値0をとる | ||||||||||||||||||
問2a>0のとき,3次関数y=2x3−6axの区間0≦x≦1における最大値と最小値を求めてください.
ア
0
(次のア~シに入るものを下の選択肢で選んでください.暗算ではできません.各自で計算用紙を使ってください.)
0<a≦アのとき,x=イで最大値ウをとる a>エのとき,x=オで最大値カをとる 0<a≦キのとき,x=クで最小値ケをとる a>コのとき,x=サで最小値シをとる ![]() ![]() ![]() イ 0 ![]() ![]() ![]() ウ 0 ![]() ![]() ![]() エ 0 ![]() ![]() ![]() オ 0 ![]() ![]() ![]() カ 0 ![]() ![]() ![]() キ 0 ![]() ![]() ![]() ク 0 ![]() ![]() ![]() ケ 0 ![]() ![]() ![]() コ 0 ![]() ![]() ![]() サ 0 ![]() ![]() ![]() シ 0 ![]() ![]() ![]() |
y=2x3−6axの導関数を求めると
y'=f '(x)=6x2−6a=6(x2−a)だから増減表は次のようになります.
また,y=0となるx>0の値を求めると 2x3−6ax=0よりx= ![]()
aの現在値:0.5
0<a≦![]() ![]() ![]() a> ![]() ![]() 0<a≦1のとき, ![]() ![]() ![]() a>1のとき, ![]() |
||||||||||||||||||
問3a>0のとき,3次関数y=x3−3xの区間−a≦x≦aにおける最大値と最小値を求めてください.
ア
−2
−1
1
2
−a
a
a3−3a
3a−a3
(次のア~シに入るものを下の選択肢で選んでください.暗算ではできません.各自で計算用紙を使ってください.)
0<a≦1のとき,
x=アで最大値イをとる
1<a≦2のとき,x=ウで最小値エをとる
x=オで最大値カをとる
a>2のとき,x=キで最小値クをとる
x=ケで最大値コをとる
x=サで最小値シをとる イ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 ウ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 エ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 オ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 カ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 キ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 ク −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 ケ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 コ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 サ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 シ −2 −1 1 2 −a a a3−3a 3a−a3 |
y=x3−3xの導関数を求めると
y'=f '(x)=3x2−3=3(x+1)(x−1)だから増減表は次のようになります.
また,y=2となるx>0の値を求めると x3−3=2よりx=2 y=−2となるx<0の値を求めると x3−3=−2よりx=−2
aの現在値:0.5
0<a≦1のとき,![]()
x=−aで最大値3a−a3をとる
1<a≦2のとき,x=aで最小値a3−3aをとる
x=−1で最大値2をとる
a>2のとき,x=1で最小値−2をとる
x=aで最大値a3−3aをとる
x=−aで最小値3a−a3をとる |
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