![]() ![]() *** 大区分 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 中区分 *** ベクトル・行列連立方程式複素数関数・数列微分積分微分方程式統計maxima ※高卒から大学初年度レベルの「積分」について,このサイトには次の教材があります.
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【この頁の要約】 この頁で解説する内容は,ほぼ次のようにまとめることができます. ![]()
≪参考≫
与えられた関数の不定積分を求めたいとき,「どんな関数でも不定積分が求められる」とは限らないことに注意しなければなりません.
以下においては,多項式,分数関数,無理関数(累乗根),三角関数,指数関数,対数関数の「有限回の」和差積商や合成によって得られる関数を初等関数と呼ぶことにします.
初等関数の微分は初等関数になりますが,初等関数の不定積分は必ずしも初等関数の範囲内にあるとは限りません.定期試験や入学試験などでは「解ける」問題だけが出題されていますが,各自で自由に思い浮かべた関数に対していつでもその不定積分を初等的に表現できるとは限らないことに注意してください. 【logxに関する不定積分≪一覧≫】
○[∫ (log x) n dx (n≠0)]
∫logx dx=xlogx−x+C…(*5.1) ∫ (logx)2dx=x(logx)2−2xlogx+2x+C…(*5.2) In=∫ (logx)ndx (n=0,1,2,..)とおくと In=x(logx)n−n In−1 (n=1,2,3,..)…(*5.3) ○[∫ xnlogx dx ,∫ ![]() ∫ xnlogx dx= ![]() ![]() ○[∫ ![]() ∫ ![]() ![]() ○[∫ xm(logx)ndx (m≠−1)] Im,n=∫ xm(logx)ndx (m≠−1)とおくと,次の漸化式が成り立つ Im,n= ![]() ![]() ○[∫ ![]() ![]() ⇒ 初等的には求められません.…(*5.7)
x∫a
![]() Li(x):対数積分(Logarithmic integral function)という特別な関数を定義する必要があります. 他の∫ ![]() つながっていますが,「第1ボタンでつまづいている(初等的に表せない)」ので,分母にlogxがある関数の不定積分を初等的に求めようとすると,「全部つまづく(初等的に表せない)」ことになります. しかし,次のように分母にxが1つだけ付いているものは,例外的に求められます ∫ ![]() ![]() ∫ ![]() ○[∫log(2次式)dx] ∫log(x2+a2)dx=xlog(x2+a2)−2x+2atan−1 ![]() (a>0)…(*5.10)
∫log(x2−a2)dx=(x+a)log|x+a|+(x−a)log|x−a|−2x+C (a>0)…(*5.11)
○[∫ xlog(x2+a2)dx (a>0)]∫ xlog(x2+a2)dx= ![]() (a>0)…(*5.12)
○[∫log(x+![]() ∫log(x+ ![]() =xlog(x+ ![]() ![]() (a>0)…(*5.13)
![]() (*5.1)← ∫logx dxを∫ 1·logx dxに 分けて部分積分を行う.
∫ 1·logx dx=xlogx−∫ x ![]() =xlogx−x+C
この結果を微分すると,簡単に検算できます.
(*5.2)←(xlogx−x)’=1·logx+x· ![]() ∫ (logx)2dx=∫ (logx)(logx)dx 部分積分を行う.
=x(logx)2−2xlogx+2x+C ※次のように行ってもできる.
=x(logx)2−xlogx−(xlogx−x−x)+C =x(logx)2−2xlogx+2x+C (*5.3)← In=∫ (logx)ndx (n=0,1,2,..)とおくと
まず,I0=∫ (logx)0dx=∫ dx=x+Cとなる
これを利用して,順次求めることができます.(漸化式から一般項を求めるのは無理)n≧1のとき In=∫ 1·(logx)ndx
![]() =x(logx)n−n∫ (logx)n−1dx =x(logx)n−n In−1 I1=xlogx−x+C I2=x(logx)2−2I1=x(logx)2−2(xlogx−x)+C I3=x(logx)3−3I2=x(logx)3−3(x(logx)2−2xlogx+2x)+C (*5.4)← ∫ xnlogx dx=Iとおいて部分積分を行う
![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]()
[nが正の整数である場合の例]
∫ x2logx dx= ![]() ![]() [nが負の整数(≠−1)である場合の例] ∫ ![]() = ![]() ![]() =− ![]() ※同様にして ∫ ![]() ![]() なども部分積分で求められるが ∫ ![]() [nが分数である場合の例] ∫ ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() |
||||||||||||||||||||
(*5.5)← log x=tとおいて置換積分を行うと ![]() ![]() ∫ ![]() ![]() ![]() = ![]()
[nが正の整数である場合の例]
(*5.6)←∫ ![]() ![]() [nが分数である場合の例] ∫ ![]() ![]() ![]() ![]() Im,n=∫ xm(logx)ndx (m≠−1)とおくと
![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() = ![]() ![]()
[この公式の特別な場合として]
※以上のように(*5.6)は適用範囲の広い公式になっていますが,これを丸暗記して他のものは覚えないという学習方法は疑問です.むしろ,「部分積分」や「置換積分」をいろいろ「試してみればどれかでできる」という態度を身に付けるのがよいでしょう.
(*5.8)←・[m=0, n=1のとき,(*5.1)になります] I0,1=∫ x0(logx)1dx= ![]() ![]() ここで I0,0=∫ x0dx=x+Cだから ∫logx dx=xlogx−x+C…(*5.1) ・[m=0, n=1のとき,(*5.2)になります] I0,2=∫ x0(logx)2dx= ![]() ![]() ここで I0,1=∫ x1dx=xlogx−x+Cだから ∫ (logx)2dx=x(logx)2−2(xlogx−x)+C ・[m=0のとき,(*5.3)の漸化式になります] I0,n=∫ x0(logx)ndx= ![]() ![]() ⇒ In=x(logx)n−n In−1 (n=1,2,3,..)…(*5.3) ・[n=1のとき,(*5.4)になります] Im,1=∫ xmlogx dx= ![]() ![]() ここで Im,0=∫ xmdx= ![]() Im,1= ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ∫ ![]()
logx=tとおいて置換積分を行うと
(*5.9)←![]() ![]() ∫ ![]() ![]() = ![]() ![]() ※xが1つあるときだけ,ちょうど消えます ∫ ![]()
logx=tとおいて置換積分を行うと
(*5.10)←![]() ![]() ∫ ![]() ![]() ![]() =log|logx|+C…(*5.9) ※xが1つあるときだけ,ちょうど消えます ∫log(x2+a2)dx=Iとおく(a>0)
![]() =xlog(x2+a2)−2∫ (1− ![]() =xlog(x2+a2)−2x+2a2∫ ![]() ここでJ=∫ ![]()
x=atant ←→ t=tan−1
したがって![]() ![]() ![]() ![]() J=∫ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() I=xlog(x2+a2)−2x+2atan−1 ![]() (*5.11)← ∫log(x2−a2)dx=∫log(x+a)(x−a)dx =∫ {log(x+a)+log(x−a)}dx ここで ∫logx dx=xlogx−x+Cだから ∫log(x2−a2)dx=(x+a)log|x+a|+(x−a)log|x−a|−2x+C (*5.12)← ∫ xlog(x2+a2)dx=I (a>0)とおく x2+a2=tとおく置換積分により ![]() ![]() I=∫ xlogt ![]() ![]() = ![]() ![]() = ![]() (*5.13)← ∫log(x+ ![]()
f(x)=log(x+
I=xlog(x+![]() ![]() f’(x)= ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 次のように部分積分を行う
![]() ![]() ![]() 第2項をJ=∫ ![]() ![]()
x2+a2=tとおくと
I=xlog(x+![]() ![]() J=∫ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
○以下の問題は,この頁のどこかに書かれている内容か,または,それを少しだけ変形したものです.正しい番号をクリックしてください.
○途中経過が長いので暗算ではできません.各自計算用紙を使って計算してから答えてください. ○解答すれば,採点結果が表示され,さらに解説を選べます.
…(*5.1)
次のように部分積分を行うと求められます.
∫ 1·log2x dx=xlog2x−∫ x ![]() =xlog2x−x+C →2
※f(x)=log 2xはf(x)=log 2+log xとも書けるので,その微分は単に ![]() ![]() ※(*5.1)の結果を公式のようにそのまま使ってしまう場合には,次のような答案も可能です. ∫log2x dx=∫ (log2+logx)dx=xlog2+xlogx−x+C =x(log2+logx)−x+C=xlog2x−x+C |
||||
[問題2]
次の不定積分を求めてください. ∫ (logx)2dx 1x(logx)2−2x+C 2x(logx)2−2xlogx+C 3x(logx)2−2xlogx+2x+C 4x(logx)2−2xlogx+x2−2x+C 解説
…(*5.2)
→3
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||||
[問題3]
次の不定積分を求めてください. ∫ ![]() 1− ![]() ![]() ![]() 3 ![]() 解説
…(*5.4)
次のように部分積分を行うと
![]() ![]() ![]() =− ![]() ![]() ![]() ![]() 問題文からx>0, x+1>0だから絶対値記号は不要
=−![]() ![]() →1
|
…(*5.4)
次のように部分積分を行うと
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() = ![]() ![]() ![]() →3
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||||
…(*5.5)
log x=tとおいて置換積分を行うと ![]() ![]() ∫ ![]() ![]() ![]() ![]() →2
|
||||
…(*5.9)
log x=tとおいて置換積分を行うと ![]() ![]() ∫ ![]() ![]() ![]() →1
|
…(*5.7)
→4
|
…(*5.5)
log x=tとおいて置換積分を行うと ![]() ![]() ∫ ![]() ![]() ![]() = ![]() においてn= ![]() →4
|
[問題9]
次の不定積分を求めてください. ∫log(x2+a2)dx(a>0) 1xlog(x2+a2)+2x−2atan−1 ![]() 2xlog(x2+a2)−2x+2atan−1 ![]() 3(x+a)log|x+a|+(x−a)log|x−a|−2x+C 4(x+a)log|x+a|−(x−a)log|x−a|−2x+C 解説
…(*5.10)
→3
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[問題10]
次の不定積分を求めてください. ∫log(x2−a2)dx(a>0) 1xlog(x2+a2)+2x−2atan−1 ![]() 2xlog(x2+a2)−2x+2atan−1 ![]() 3(x+a)log|x+a|+(x−a)log|x−a|−2x+C 4(x+a)log|x+a|−(x−a)log|x−a|−2x+C 解説
…(*5.11)
→3
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■[個別の頁からの質問に対する回答][logxに関する不定積分について/18.9.21]
(*5.10)の解説の下の方にある、文言、したがって~の、1行上の式の右辺の1/aは1/a^2ではないでしょうか?
=>[作者]:連絡ありがとう.その箇所のaの部分は,確かにおかしいですが,あなたの計算もおかしいです.訂正しました. |
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