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(グーグルブロガー版)は,こちら⇒ 現在地と前後の項目 集合の要素/集合の表わし方/部分集合,包含関係/共通部分と和集合/補集合/共通部分,和集合,補集合(練習問題)/ド・モルガンの法則/集合(楽しく入門,初歩から)/オイラー図/要素を用いた証明/必要・十分条件(等式)/必要・十分条件(不等式)/必要・十分条件(反例)/必要・十分条件入試問題1/必要・十分条件入試問題2/集合,条件.センター問題(2013~)/p→qの真偽/逆,裏,対偶/対偶証明法と背理法/背理法の入試問題/ **** 1 対偶証明法 **** ■ 条件pを満たすものの全体を集合Pで,条件qを満たすもの全体を集合Qで表わすとき,命題「p→q」は,P⊂Qに対応します.
![]() 逆に, ![]() ![]() 一般に,p→q と ![]() そこで,p→qを証明したいときに,直接示すのが困難な場合, ![]()
<対偶証明法>
■ 対偶証明法の例
![]() 例1※ 我々の思考は,「個々の要素についての条件」から,「複合的な条件」の成否を判断する方が自然なので, 「複合的な条件」から「個々の要素についての条件」を証明するような問題は,対偶で考えると分かりやすくなります. 《問題》 1 x+y≧2ならばx,yのうち少なくとも1つは1以上であることを証明しなさい.
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**** 2 背理法 ****
■ 背理法と対偶証明法は別のものです.背理法の一部に対偶証明法を用いることもありますが,そのような場合だけではありません. ■ イラストによる背理法の説明
P⊂Qとは
論理的な関係p⇒q(pならばq)は,集合ではP⊂Qに対応します.P:卵の黄身が Q:卵の白身の 中にあることだと思えばよい ![]() 言い換えれば,集合の関係としてP⊂Qとなっていることを示せば,p⇒qの証明になります. この証明は,集合P, Qの関係が一般のゆるい関係,すなわちP独自の部分,Q独自の部分,P, Qの共通部分から成り立っているのではなく, ![]() そうすると「P:卵の黄身」は「Q:卵の白身」の中にある部分だけから成り立っていることになり,P⊂Qが言える. P∩Qが空集合になること(右図の×の部分には何もないこと)を示すには,「Pであって」かつ「Qである」ものが存在すると仮定すると,矛盾を生じることを示せばよい. 何かある要素xが,x∈Pかつx∈Qを満たすとすると具合の悪いことが起こることを示せばよい.
<背理法>
pと ![]() ※pを仮定することが重要.この点が対偶証明法と異なり,結論として ![]() ■ 背理法の例 例1 《問題》 1 21人を4組に分けたとき,どの組かは必ず6人以上になることを証明しなさい. (ア,イ,ウに入る語句を右欄から選びなさい.)
自然数a,b,cについて,a2+b2=c2が成り立つとき,a,b,cのうち少なくとも1つは3の倍数であることを証明しなさい.
√3が無理数であることを用いて,2+√3が無理数であることを証明しなさい.
点Cを中心とする半径Rの円と直線Lがあって,点CからLにひいた垂線の長さをdとするとき, d<RならばLは円と2点で交わる・・・(1)これらを用いて,(1)(2)(3)の逆をそれぞれ証明しなさい.
nが2以上の整数であるとき, ![]()
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■[個別の頁からの質問に対する回答][対偶証明法と背理法について/18.6.25]
お世話になります。背理法を使って数について考えていますが、行き詰まってしまいました。知恵をお借りできませんでしょうか?
任意の有理数をY、任意の無理数をMとする。Y÷Mが有理数なのか無理数なのか、両方ありえるのか考える。
Y÷M=Y/Mであり、これが有理数だと仮定すると、互いに素な自然数a.bを用いてa/bと表せるので、
(Y/M)=(a/b)
両辺にMaをかけると、Yb=Maとなり、左辺は有理数、右辺は無理数なので矛盾する。したがって、Y÷M=有理数という仮定は誤りで、Y÷M=無理数となる。
ところで、Y=0のとき、Y÷M=0となり、有理数となってしまう。
と、こんな具合に無理数なのか、有理数なのかわかりません。
私の解き方、どこがおかしいのかわかりませんか?
よろしくお願いいたします。
■[個別の頁からの質問に対する回答][対偶証明法と背理法について/18.6.23]
=>[作者]:連絡ありがとう. 「両辺にMaをかけると、Yb=Maとなり」の部分はおかしいですが,ほぼ合っています.ただし,主張の内容をはっきりしなければなりません. ア) の両辺に 左辺は有理数で右辺は無理数だから矛盾.よって元の式は無理数. イ) は有理数. したがって,有理数になる場合と無理数になる場合がある. 問題が,「任意の有理数をY、任意の無理数をMとするとき,Y÷Mは無理数になる」という命題ならば,イ)が反例となって偽 問題が,「任意の有理数をY、任意の無理数をMとするとき,Y÷Mは有理数になる」という命題ならば,ア)により偽 証明問題では、背理法とか対偶法といった証明のテクニックだけでは点がとれません。例えば無理数は整数/整数で表せないとか、無理数÷有理数は無理数みたいな、予備知識が必要です。そこで、大学入試の証明問題に必要でよく問われる予備知識をまとめたノートを作り始めたのですが、なかなか必要な予備知識をまとめたサイトが見当たりません。ゲイシャ様のページでそれら予備知識をまとめたページがあるとうれしいです。
■[個別の頁からの質問に対する回答][対偶証明法と背理法について/16.11.26]
=>[作者]:連絡ありがとう.「幾つか」は可能ですが「全部」は無理でしょう. 1対偶証明法の問題1で[ア]の選択肢 両方とも1より小さい、 少なくとも1つは1以下、 少なくとも1つは1より小さいの3つを選んでもエラーになり、404:File Not Found となって結果が表示されません。ゲイシャさんの管理者に問い合わせるようにとのことでしたので、ここに書かせていただきました。僕はiPadでSafariを使ってこのページを開いています。(使っている検索エンジンはGoogleです。)肝心な正解の選択肢でさえ開けませんので(とはいえとても難しい問題というわけではありませんが、、、)どうかご点検をお願いいたします。
補足:なぜか唯一 両方とも1以下 の選択肢だけは反応してバツになります。[イ]の方は問題ありませんでした。
■[個別の頁からの質問に対する回答][対偶証明法と背理法について/16.8.23]
=>[作者]:連絡ありがとう.「あ〝~」ビックリ仰天のプログラムミスでしたので,訂正しました. 背理法例5について。
なぜ、n/mが互いに素という仮定をつけていいのかがよく分からないのですが、例えば入試にこれが出てきて問題を解こうとするとき、解答者がn/mに互いに素という条件をつける意図は何なのでしょうか?
=>[作者]:連絡ありがとう.整数の比で表された分数は,もし約分できるものなら約分した形で考えることができます.これが「互いに素」という仮定の意味です(約分しない形のまま扱っていたら分母と分子が確定しません.) たとえば, 本音を言えば,高校生なら誰でも知っているように, そこで質問を振り返ってみると,n/mが互いに素という仮定を付けないと(既約分数でないものでもそのまま使っているとすると)n,mが定まらないことになります. |
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