== 円周角の定理 ==
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【円周角の定理】
一つの弧に対する「円周角」の大きさは,「中心角」の半分になります.
(証明)
1 右のようにACが中心を通るとき
OC=OB=(半径)だから△OBCは二等辺三角形になる.
二等辺三角形の2つの底角は等しいから∠B=∠C…(1)
「三角形の外角は,それと隣り合わない2つの内角の和に等しい」(重要定理)から,
△OBCにおいて∠BOCの外角∠BOAは残り2つの角の和∠B+∠Cに等しいから
∠BOA=∠B+∠C…(2)
⇒ (1)(2)より∠BOA=2×∠C
すなわち「中心角は円周角の2倍になる」
「円周角は中心角の半分になる」
2 右図のように∠ACBの中に円の中心があるとき
AO=CO(=半径)だから△AOCは二等辺三角形になり
∠ACO=∠CAO
∠AOD=∠ACO+∠CAO
=2×∠ACO
同様にして
∠BOD=2×∠BCO
だから,両辺をそれぞれ足すと
∠AOB=2×∠ACO+2×∠BCO
=2×(∠ACO+∠BCO)
=2×∠ACB
すなわち「中心角は円周角の2倍になる」
「円周角は中心角の半分になる」
3 右の図のように∠ACBの外に円の中心があるとき
差で示します.
∠BOD=2×∠BCO
∠AOD=2×∠ACO
だから,両辺をそれぞれ引くと
∠BOA=2×∠BCO−2×∠ACO
=2×(∠BCO−∠ACO)
=2×∠BCA
すなわち「中心角は円周角の2倍になる」
「円周角は中心角の半分になる」
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【具体例】
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右図は左の証明で1の場合の例です
中心角92°が書いてあって,円周角が書いてないときは,92°÷2= 46°で円周角が求まります.
円周角46°が書いてあって,中心角が書いてないときは,46°×2= 92°で中心角が求まります.
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右図は左の証明で2の場合の例です
この場合も,中心角と円周角のいずれか一方が分かれば他方が求まります.
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右図は左の証明で3の場合の例です
この場合にも円周角の定理が成り立ちます.
「中心角と円周角の対応」が,すぐに分かるように,目を慣らしておくことが大切です.
◎右図のように中心角が180°のとき(中心を通る直線になるとき,すなわち直径になるとき)は特に重要です.
○直径は180°という角度になるということをしっかりと覚えましょう.
○また
「直径の上に立つ円周角は直角になる」
は重要定理ですからすぐに使えるように覚えておきましょう.
◎右図のように中心角が180°以上の場合に,「どこが中心角なのか」目の錯角で戸惑うことがありますので,幾つか見て慣れておくことが大切です.
この場合でも,「中心角=2×円周角」は,同様にして証明できます.
AO=CO(=半径)だから△AOCは二等辺三角形になり
∠ACO=∠CAO
∠AOD=∠ACO+∠CAO
=2×∠ACO
同様にして,BO=CO(=半径)だから△BOCは二等辺三角形になり
∠BCO=∠CBO
∠BOD=∠BCO+∠CBO
=2×∠BCO
両辺をそれぞれ足すと
∠BOA=2×∠BCA
ただし,∠BOAは図のように,優角(180°よりも大きい角)の方とする
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