← PC版

== 対数方程式 ==
解説
○変形の基本
が同じ値のとき
○対数をはずせる理由
a>1のとき,y=logax のグラフは次の図のように増加関数となり,
p≠q → logap≠logaq
対偶により
logap=logaq → p=q 
といえるからです。

0<a<1のときは、減少関数ですが,結果は同じです。

○底が同じ値でないとき
[底の変換公式]でそろえます。


○変形の仕方

の公式を繰り返し用いて、左辺・右辺を1つのlogにする。=分けるのでなく組み立てる。
○例
 log6(x-2)+ log6(x-3) = log62

→log6(x-2)(x-3) = log62
→(x-2)(x-3) = 2
引き算のまま変形すると分数方程式になる場合に,これを避けるには,移行して足し算にします。

○例:移行すれば分数方程式を避けられる問題

 log6(x-2) - log6(x-3) = log62

→log6(x-2) = log62 + log6(x-3)
→log6(x-2) = log62(x-3)
→(x-2) = 2(x-3)
※分数方程式でも平気と言う人は,次のようにやればよい.
(原式) →




○真数条件と底の条件
  真数条件は変形する前に調べる。
→各々の log について 真数>0の連立方程式を作る。  
※解を求めてから、十分条件を満たしているかどうか調べることもできますが、解が求まるとうれしくなって警戒心が薄れることが多いので、「初めに検討する」と決めておく方が安全です。
底にも未知数があるとき、底の条件は真数条件よりも厳しいので注意
→ 底>0かつ底≠1
【例】
log2x+logx2=2
→真数条件から x>0
底の条件から x>0かつx≠1
以上より x>0かつx≠1
このときlog2x=XとおくとX+1/X=2を解く。
 対数関数は,真数が正の数のときだけ定義されます。この真数>0 という条件(真数条件)は,元の式で検討することが重要です。変形してから真数条件を検討しても,ダメです。

【例】 
log6(x-2) + log6(x-3) = log62 ・・(1)は
log6(x-2)(x-3) = log62  ・・(2)
と同じではありません。

(2)はx=1でも4でも成り立ちますが,(1)はx=1では成り立ちません。
これは,(2)の真数 (x-2)(x-3)>0 という条件と
(1)の真数 x-2>0 かつ x-3>0 という条件は違うからです。

[重要]
logaM+logaN=logaMN
が成り立つのは
M>0かつN>0
の場合だけだと考えた方がよい。

○例題
 log6(x-2) + log6(x-3) = log62 を解きなさい。

答案
 真数条件 x-2>0 かつ x-3>0より

 x>3・・(A)
このとき,log6(x-2)(x-3) = log62 より 
(x-2)(x-3) = 2
x2-5x+6=2
x2-5x+4=0
x=1,4・・・(B)
(A)(B)より
x=4・・・答


例1
方程式 log2(2x-4)=log2(5-x) を解きなさい。

答案例
真数条件
2x-4>0,5-x>0 より 2<x<5・・(1)
方程式から
2x-4 = 5-x
3x = 9
x = 3・・(2)
(1)(2)より
x=3・・答
※1 真数条件は,初めに検討する方がよいでしょう。

例2
方程式 log2(x-1) = 3 - log2(x+1) を解きなさい。

答案例
真数条件
x-1>0,x+1>0 より x>1・・(1)
方程式を変形して
log2(x-1)+log2(x+1) = 3 ---※1
log2(x-1)+log2(x+1)= log28 ---※2
log2(x-1)(x+1)= log28
(x-1)(x+1)= 8
x2-1=8
x2=9
x=±3・・・(2)
(1)(2)より
x=3・・答
※1
引き算は、移行して足し算にすれば、分数方程式を避けられます。

※2
数字は,対数にする


例3
方程式 2log3x=log3(x+6) を解きなさい。

答案例
真数条件
x>0,x+6>0 より x>0・・(1)
方程式を変形して log3x2=log3(x+6) --- ※1
x2 = x + 6 --- ※2
x2 - x - 6 = 0
(x-3)(x+2)=0
x= 3, -2・・・(2)
(1)(2)よりx=3・・・答




例4
方程式  を解きなさい。

答案例
真数条件
5-x>0,5x-1>0より1/5<x<5・・(1)
方程式を変形して---※1
(1)(2)より
x=2・・答
※1
底がそろっていないときは[底の変換公式]でそろえます。

例5
方程式 (log2x)2-log2x2-8=0 を解きなさい。

答案例
真数条件
 x>0,x2>0よりx>0・・(1)
方程式は
 (log2x)2-2log2x-8=0 と書けるから
 log2x=Aとおくと
 A2-2A-8=0
 (A-4)(A+2)=0
 A=4,-2
 log2x=4,-2よりx=16,1/4・・(2)
(1)(2)よりx=16,1/4・・答

例6
方程式 log10x-3logx10=2 を解きなさい。

答案例
真数条件 x>0,底の条件 x>0,x≠1 よりx>0,x≠1・・(1)

底を10にそろえると方程式は
 


...(携帯版)メニューに戻る

...メニューに戻る


■[個別の頁からの質問に対する回答][対数方程式について/18.9.22]
logが1つだけの時の例もあったら助かります
=>[作者]:連絡ありがとう.理屈の上では,ご要望のことは対数の定義のページで,の形をに直すだけのことで,教科書的には,その問題もあり得ます.
【例】


教える方からは不要と考えていましたが,学ぶ方からは必要と思う可能性がありますので,検討の余地あり.→こちら
■[個別の頁からの質問に対する回答][対数方程式について/18.2.4]
全体的に色がありすぎて見にくい
=>[作者]:連絡ありがとう.見解の相違です.
■[個別の頁からの質問に対する回答][対数方程式について/17.11.14]
真数条件より、x>0。という表記が教科書や参考書によって書いてあったり無かったりする。全ての場合で真数は正だから、とりあえず書いておけば原点はされないだろうか。
=>[作者]:連絡ありがとう.答案全体の構成方法として,(1)原式と必要かつ十分に(つねに後戻りできるスタイルで)変形していく方法 (2)とりあえず必要条件を満たすものから捜査範囲を絞って行き,しかる後に,最後に十分性を満たさないものをはねるという方法があり得ます.
(2)の方法で答案を構成する場合は,x>0は途中経過には必要とは限らず,最後に撥ねればよいことになります.
あなたが,どちらのスタイルで答案を書くことが多いのか分かりませんが,初めの段階で「とりあえず書いておけば減点はされない」可能性は高いでしょう.
なぜなら,満点でない答案を採点する場合(部分点を付ける場合),採点官としては横の調整上(他の採点官との公平性を確保するために),「これが書いてあれば何点」というように決めるので,その可能性は高いです.