■階差数列
[解説]
数列の「各項の差」からなる数列を元の数列の階差数列と言います。
 元の数列よりもその差から作った階差数列の方が簡単な規則性を持っていることが多いので,階差数列で規則性を見つけて,元の数列の一般項を求めることができます。


[階差数列の定義] 元の数列を{ an },階差数列を{ bn }で表わすとき
bn = an+1 - an (n≧1)
■要点■
階差数列→元の数列
 ※ 植木がn本あるときのロープの数はn−1本(植木算)であることに注意すると,Σはn−1項までの和となります。
※ n≧2という制限は重要です。
答案作成の途中経過では,n≧2の場合とn=1の場合を分けなければなりません。
n=1のときはaでその値は問題文に書かれています。

※ n≧2とn=1を統一して,n≧1で共通の関数形となるのがほとんどです。

補足説明

 元の数列がn次式で表わされるとき,その階差数列は n-1次式になります。左の例では元の数列aは2次式,階差数列bは1次式です。
 元の数列が,等比数列になっているときは,階差数列はそれ以上簡単になりません。


1, 2, 4, 8,16, 32
   1, 2, 4, 8, 16


 階差数列の項番号は,元の数列の小さい方の番号と同じです。
bn= an+1 - an

→a例 
次の数列において,
6+5=11
6+5+7=18
6+5+7+9=27
6+5+7+9+11=38 です。


 ※ 高校では,Σの部分は「実際に和を表わしていること」が条件になります。次の例において,k=1〜0は(上下逆転のため)和を表わしません。
 実際の和を表わさないこのような形式的な和は,高校では使わないということです。
[解説]
例題1 次の数列の一般項を求めなさい。
6,11,18,27,38,・・・
答案例
元の数列を{a},階差数列を{b}とおくと
{b} 5,7,9,11,・・・より
=2n+3
※ 左の答案において,次の箇所に気をつけましょう。

1 b=2n+3 を Σ内に入れるときに=2k+3に直すこと。



※ 初めのうちはきっちり意識するために,ア,イのように分けて答案を作る方がいいですが,慣れてくれば次のような省略答案も可能です。
(ア、イの区分をなくし,単に「n=1のときも成り立つ。」の一句を付ける。)
 

※(む)(む)(む) この種の問題につては、../koukou/seri02.htmの末尾に付けた断り書きが成り立ち,実は,解は無数にあります。(ただ、記述式答案で、解が無限にあることを示すには、1題だけで答案作成のほとんどの時間を費やしてしまい,他の問題ができなくなるでしょう。)
an=n2+2n+3+A(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)(n-5) はAの任意の値について解となりますが,n=1〜5までが特別ルールになっているというジョークを受け入れてもらえる場面だけで使う方が無難でしょう。(一度しかない試験で本気で×されたら困ります。)

[問題]
 次の数列の一般項を求めなさい。
3,5,9,15,23,・・・

[答案]
元の数列を{a},階差数列を{b}とおくと,{b}は

2,4,6,8,・・・
  b=[ア]

n≧2のとき,

これはn=1のときも成り立つ。
各々正しいものを選びなさい。
[ア]
2n,2(n-1),2k,2(k-1)
[イ]
2n,2(n-1),2k,2(k-1)
[ウ]
n(n+1),(n-1)n,k(k+1),(k-1)k
[エ]
n2-n+3,n2+n+3,k2-k+3,k2+k+3
 
 次の数列の一般項を求めなさい。
0,1,5,14,30,55,・・・

[答案]
元の数列を{a},階差数列を{b}とおくと,{b}は

1,4,9,16,25・・・
  b=[ア]

n≧2のとき,

これはn=1のときも成り立つ。
各々正しいものを選びなさい。
[ア]
n2(n-1)2k2(k-1)2
[イ]
n2(n-1)2k2(k-1)2
[ウ]

 
[解説]
 階差数列を1回求めても簡単にならないとき,2回・・と求めて,一般項が求まったら,順に戻ります。(それぞれ第1階差数列,第2階差数列・・と呼びます。) 

第2階差{c}で一般項が求まれば以下のようにして、元の数列の一般項を求めます。
(1) cからbを求める
(2) bからaを求める
 第2階差数列→第1階差数列においてもΣはn-1項まで加えることに注意してください。

Cの項数が減ってn-2になるように見えますが,bを求めるためにはcはn-1まで加えます。(上図の特定のnというより「一般項b」を求めると考えた方が分かりやすい。)

例題2 次の数列の一般項を求めなさい。

3,5,8,14,25,43,・・・
答案例
 元の数列を{a},第1階差数列を{b},第2階差数列を{c}とおくと
{b} : 2,3,6,11,18,・・・
{c} :  1,3,5,7,・・・だから
=2n-1 (n≧1)
[問題]
 次の数列の一般項を求めなさい。
1,3,8,18,35,61,・・・

[答案]
元の数列を{a},第1階差数列を{b},第2階差数列を{c}とおくと,
{b} : 2,5,10,17,26,・・・
{c} :  3,5,7,9,・・・
 c=[ア]
(n=1のときも成り立つ。)
(n=1のときも成り立つ。)・・答

各々正しいものを選びなさい。
[ア]
2n-1,2n+1,2k-1,2k+1
[イ]
3,2
[ウ]
(2n-1),(2n+1),(2k-1),(2k+1)
[エ]
n2+1,n2+2n+2,k2+1,k2+2k+2
[オ]
3,2,1
[カ]
(n2+1),(n2+2n+2),(k2+1),(k2+2k+2)
[キ]
 
 次の数列の一般項を求めなさい。
1,4,8,14,24,42,・・・

[答案]
元の数列を{a},第1階差数列を{b},第2階差数列を{c}とおくと,
{b} : 3,4,6,10,18,・・・
{c} :  1,2,4,8,・・・
 c=[ア]
(n=1のときも成り立つ。)
(n=1のときも成り立つ。)・・答
 

各々正しいものを選びなさい。
[ア]
2n2n-12k2k-1
[イ]
3,1
[ウ]
2n2n-12k2k-1
[エ]
2n-1+2,2n-1+3,2n-2+2,2n-2+3
[オ]
3,1
[カ]
2k-1+2,2k-1+3,2k-2+2,2k-2+3
[キ]
2n-1+2n-2,2n-1+3n-2,2n+2n-2,2n+3n-2
※等比数列の和についてはこのページを参照のこと。  
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■[個別の頁からの質問に対する回答][階差数列について/18.7.20]
Σの中が二次関数の場合の公式は存在するでしょうか。
=>[作者]:連絡ありがとう.自然数の累乗の和のページに書いています.



だから


あとは,必要に応じて因数分解などして使いやすい形にします.
■[個別の頁からの質問に対する回答][階差数列について/18.9.24]
最高によき
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][階差数列について/17.6.21]
わかりやすかった
=>[作者]:連絡ありがとう.