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階数の個数の任意定数を含む解を常微分方程式の一般解という.
【例1.1.5】
任意定数に特定の値を与えて得られる解を特解(特殊解)という.関数(は任意定数)・・・@を,常微分方程式 ・・・A に代入すると, という恒等式になるので,@は常微分方程式Aの解といえる.また,Aが2階微分方程式で@が2個の任意定数を含んでいるから,@はAの一般解といえる. 【例1.1.6】 関数(は任意定数)・・・@を,常微分方程式 ・・・A に代入すると, という恒等式になるので,@は常微分方程式Aの解といえる.また,Aが1階微分方程式で@が1個の任意定数を含んでいるから,@はAの一般解といえる.
【例1.1.7】
例えば,2階常微分方程式の一般解から2個の任意定数を定めて特解を求める際に一般解が(は任意定数)であるときに,となるように,定数を定めたものは1つの特解である.また,となるように,定数を定めたものはもう1つの特解である. のように1点における階数よりも低い微分係数と関数値を制約条件とするものを初期条件といい,初期条件が与えられた微分方程式を解く問題を初期値問題という. |
【例1.1.8】
例えば,2階常微分方程式の一般解から2個の任意定数を定めて特解を求める際に一般解に対して,初期条件を満たす解は より,と定まるから 【例1.1.9】 一般解に対して,初期条件を満たす解は より,と定まるから の値との値 の値との値 のように,複数個の点における微分係数や関数値を制約条件とするものを境界条件といい,境界条件が与えられた微分方程式を解く問題を境界値問題という.
【例1.1.10】
一般解に対して,境界条件を満たす解は より,と定まるから 【例1.1.11】 一般解に対して,境界条件を満たす解は より,と定まるから |
【例題1.2.3】
(解答)次の式から任意定数を消去して,微分方程式を作ってください. (1) (2) (1) 任意定数が1個だから「必ず1階導関数を使って」(必要ならば関数や変数も使ってよい)表す. ・・・@ ・・・A より,任意定数を消去します ・・・(答) (2) 任意定数が2個だから「必ず2階導関数を使って」(必要ならば関数,1階導関数や変数も使ってよいが,これらが必ず含まれなければならない訳ではない)表す. ・・・@ ・・・A ・・・B B式の任意定数を消去します ・・・(答) (この解答を見ると,消去の際に@を使っていないように見えるが,「2階導関数を使ってあればよく」,@の面目丸つぶれでもよい!) |
【例題1.2.4】
(解答)次の式から任意定数を消去して,微分方程式を作ってください. (1) (2) (1) ・・・@ ・・・A より,任意定数を消去します ・・・(答) (2) 2階導関数を使います ・・・@ ・・・A ・・・B より ・・・(答) |
【例 1.6.3】
(解答)を微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
任意関数が1個あるので,1階偏微分方程式にします.
・・・@元の問題と,2つの1階偏導関数を使ってとを消去した式を作ります. ・・・A ・・・B ABより ・・・(答) |
【例 1.6.4】
(解答)を微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください. (は定数)
任意関数が1個あるので,1階偏微分方程式にします.
・・・@元の問題と,2つの1階偏導関数を使ってとを消去した式を作ります. ・・・A ・・・B @BをAに代入 ・・・(答) |
【例 1.6.5】
(解答)を2回微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
任意関数が2個あるので,2階偏微分方程式にします.
・・・@元の問題と,1階偏導関数,2階導関数を使って,を使わない関係式を作ります. ・・・A ・・・B ・・・C ・・・D CDより ・・・(答) |
【例 1.6.6】
(解答)を2回微分可能な関数とするとき,次の関係式から任意関数を消去して,に関する偏微分方程式を作ってください.
任意関数が2個あるので,2階偏微分方程式にします.
・・・@元の問題と,1階偏導関数,2階導関数を使って,を使わない関係式を作ります. ・・・A ・・・B ・・・C @×C=A×Bだから ・・・(答) |