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※高校数学Ⅱの「高次方程式」について,このサイトには次の教材があります.
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複素数の定義・計算
同(2)
同(3)
同(4)
複素数の対称式,値の代入
複素数のいろいろな問題
共役複素数
2次方程式の解の公式
同(2)
解と係数の関係-現在地
判別式
二直線を表す方程式
剰余の定理
同(2)
同(3)
試験問題(剰余の定理)
因数定理
高次方程式
3次方程式の解と係数の関係
同(2)
1の虚数3乗根ω
実係数方程式,有理係数方程式

== 解と係数の関係 ==(高校数学 II )

○ 2次方程式の解と係数の関係
 2次方程式 ax2+bx+c=0 ( a0 ) の2つの解を α,β とすると,
α+β=−.ban

αβ=.can
が成り立つ.
[ 証明を見る ]

(この定理は何の役に立つのか)
例1 3x2+5x+1=0 の2つの解を α,β とするとき,α+β,αβ の値を求めたいとき

α,β=.−5±.13√nni6nnnnnnnn だから

α+β=.−5+.13√nni6nnnnnnnn+.−5−.13√nni6nnnnnnnn=−.53n

αβ=.−5+.13√nni6nnnnnnnn×.−5−.13√nni6nnnnnnnn=.25−1336nnnnn=.13n
が成り立つ.
 しかし,問題を見ただけでこの答は .53n , .13n だと分かる.
(※問題4以外は「やり直す」で限りなく問題が変ります.)
■ 問題1
 次の空欄を埋めよ.なお,答が負の分数になるときは, 分子を負の数にして答えよ.


 [ 1番 / 全5題中 ] [採点する] [やり直す] [次の問題]
  2次方程式 9x2+5x+8=0 の2つの解を α,β とすると,


α+β=.nn , αβ=.nn
■ 問題2
 次の空欄を埋めよ.
 [ 1番 / 全2題中 ] [採点する] [やり直す] [次の問題]
  2次方程式 x2+3x+3=0 の2つの解を α,β とすると,

(α+4)(β+4)=

α2+β2=
■ 問題3
 次の空欄を埋めよ.
 [ 1番 / 全3題中 ] [採点する] [やり直す] [次の問題]
  2次方程式 x2 - 4x+k=0 の2つの解の比が 1 : 2 のとき,定数 k の値を求めよ.

k=.nnn

○ 解の公式を用いた因数分解
 2次方程式 ax2+bx+c=0 ( a0 ) の2つの解を α,β とすると,
ax2+bx+c=a(x−α)(x−β)
が成り立つ.
※ 「2次方程式の解の公式」により,どんな2次方程式でも解を求めることができるので,さらにこの公式を用いれば,どんな2次式でも因数分解できる.
 ただし,「2次方程式の解の公式」からは,無理数解や虚数解が出る場合もあるので,「複素数の係数まで使えば,どんな2次式でも因数分解できる」という意味になる.
例題
 次の式を複素数の範囲で因数分解せよ.
 x2+x+1
(答案)
x2+x+1=0 の解を求めると x=.−1±.3√nii2nnnnnnn になるから,これらを α,β として因数分解の公式に代入すると

x2+x+1=(x−.−1−.3√nii2nnnnnnn)(x−.−1+.3√nii2nnnnnnn)

=(x+ .1+.3√nii2nnnnnn)(x+.1−.3√nii2nnnnnn)
(証明について)
 教科書においては通常,解と係数の関係を用いてこの因数分解公式が示される.
 このページの別添証明のように,この因数分解公式を用いて解と係数の関係を示すときは,循環論法にならないように気をつけて,因数分解公式を先に示すべきであるが,教材の並べ方については通常の教科書の順に従った.(つまり,別添証明で証明済みである.)

■因数分解に用いる係数の範囲■
 「 x4−4 を因数分解せよ.」というような問題では係数にどの範囲の数まで用いるかによって,次の(ア)(イ)(ウ)の3通りの因数分解が考えられる.
(ア) x4−4=(x2−2)(x2+2)
(イ) x4−4=(x−.2√ni)(x+.2√ni)(x2+2)
(ウ) x4−4=(x−.2√ni)(x+.2√ni)(x−.2√nii)(x+.2√nii)
(ア)のように,係数に有理数の範囲の数まで用いて因数分解することを「有理数の範囲で因数分解する」という.同様にして,(イ)のように係数に実数の範囲の数まで用いて因数分解することを「実数の範囲で因数分解する」といい,(ウ)のように係数に複素数の範囲の数まで用いて因数分解することを「複素数の範囲で因数分解する」という.
○ 複素数の範囲で因数分解すれば,整式は1次式の積に書ける.
○ 何も断りがないときは,有理数の範囲で因数分解すればよい.
  通常は,「 x3−1 を因数分解せよ.」というような問題では,
x3−1=(x−1)(x2+x+1) まででよく,

x3−1=(x−1)(x+ .1+.3√nii2nnnnnn)(x+.1−.3√nii2nnnnnn) までは要求されない.

○ 有理数の範囲ですでに1次式に因数分解されているものは,実数の範囲に広げても結果は同じである.実数の範囲を複素数の範囲に広げるときも同様.
■ 問題4
(1) x4−x2−2 を実数の範囲で因数分解したものを下の選択肢から選べ.
(2) x4+2x3−3x2−2x+2 を有理数の範囲で因数分解したものを下の選択肢から選べ.解説

(3) x4−9 を複素数の範囲で因数分解したものを下の選択肢から選べ.

○ 2数を解とする2次方程式の作成
 2つの解 α,β が与えられているとき,これらが解となる1つの2次方程式は
x2−(α+β)x+αβ=0

α=.13n , β=.23n を解とする2次方程式を求めと

α+β=1 , αβ=.29n より, x2−x+.29n=0 が1つの2次方程式であるが,両辺に9をかけて,
9x2−9x+2=0 とするのが普通である.

一般に,2次方程式の両辺を定数倍しても解は変らないから,
x2−(α+β)x+αβ=0 としてもよく
a(x−α)(x−β)=0 としてもよい
定数 a の分は x2 の係数などが指定されれば決まるが,そうでなければただ1つに定まらない.
■ 問題5
 
 [ 1番 / 全3題中 ] [採点する] [やり直す] [次の問題]

  2数  - 4±.5√nii を2つの解とする2次方程式は
x2+x+=0

例題
 2x2+5x+1=0 の2つの解を α,β とするとき,2数 2α,2β を解とする2次方程式を求めよ.
(答案)(定数倍を除いて決まる)
 2x2+5x+1=0 の解と係数の関係から

α+β=−.52n , αβ=.12n
これにより,求める方程式の2つの解 2α,2β については
2α+2β=−5 , 2α·2β=2 が成り立つから
求める方程式は x2+5x+2=0 …(答)

※ 与えられた方程式についての「解と係数の関係」から,求める方程式の「解と係数の関係」を求める.
■ 問題6
 
 [ 1番 / 全3題中 ] [採点する] [やり直す] [次の問題]
  2次方程式 7x2+6x+4=0 の2つの解を α,β とするとき,
4α, 4β を2つの解とする2次方程式は
7x2+x+=0

****************(以下は参考)*****************
○ 2次方程式の解と係数の関係
 2次方程式 ax2+bx+c=0 ( a0 ) の2つの解を α,β とすると,
α+β=−.ban

αβ=.can
が成り立つ.
(証明)
 2次方程式の解の公式により,

α=.−b−.b2−4ac√nnnnnni2annnnnnnnnnn , β=.−b+.b2−4ac√nnnnnni2annnnnnnnnnn

とすると,

α+β=.−b−.b2−4ac√nnnnnni2annnnnnnnnnn+.−b+.b2−4ac√nnnnnni2annnnnnnnnnn=.−2b2annn=−.ban

αβ=.−b−.b2−4ac√nnnnnni2annnnnnnnnnn× .−b+.b2−4ac√nnnnnni2annnnnnnnnnn =.b2−(b2−4ac)4a2nnnnnnnnnn

=.4ac4a2nnn=.can


(別の証明)
「 2次方程式を f(x)=ax2+bx+c=0 ( a0 ) とおくと,x=α,β はこの方程式の解だから,f(α)=f(β)=0
 したがって,f(x)x−α 及び x−β を因数にもつ(これらで割り切れる.x−α 及び x−β で割り切れるとき,(x−α)(x−β) で割り切れることは,別途証明する必要があるが,因数定理を用いて因数分解するときには,黙って使うことが多い↓ [重解の場合を除けば余りが0となることの証明は簡単]).
 2次の係数を考えると,f(x)=a(x−α )(x−β) と書ける. すなわち,
ax2+bx+c=a(x−α )(x−β)
両辺を a 0 で割ると,

x2+.banx+.can=(x−α )(x−β)

右辺を展開すると

x2+.banx+.can=x2−(α+β) x+αβ

となるから,係数を比較して

α+β=−.ban

αβ=.can



○ 3次方程式の解と係数の関係
 3次方程式 ax3+bx2+cx+d=0 ( a0 ) の3つの解を α,β,γ とすると,
α+β+γ=−.ban

αβ+βγ+γα=.can

αβγ=−.dan
(証明)
 3次方程式を f(x)=ax3+bx2+cx+d=0 ( a0 ) とおくと,x=α,β,γ はこの方程式の解だから,
f(α)=f(β)=f(γ)=0
 したがって,f(x)x−α,x−β, x−γ を因数にもつ(これらで割り切れる.)
 3次の係数を考えると,f(x)=a(x−α )(x−β)(x−γ) と書ける. すなわち,
ax3+bx2+cx+d=a(x−α )(x−β)(x−γ)
両辺を a 0 で割ると,

x3+.banx2+.canx+.dan=(x−α )(x−β)(x−γ)

右辺を展開すると
x3−(α+β+γ)x2+(αβ+βγ+γα)x−αβγ

となるから,係数を比較して

α+β+γ=−.ban

αβ+βγ+γα=.can

αβγ=−.dan
が成り立つ.

(参考)
 高校の教科書において2次方程式の解と係数の関係は,上記のように解の公式を用いて計算によって示される.この方法は
(1)直前に習う解の公式が,単純な数値計算だけでなく文字式の変形として証明にも使えるという例となっている.
(2)証明に無理がなく,ほぼすべての教科書で採用されているオーソドックスなものである.

 ただし,3次方程式の解と係数の関係 (高校の教科書には登場しないが,入試問題などでは普通に扱われているもの) は,この方法を延長しても証明できない・・・3次方程式の解の公式は高校では習わないから.

 そこで,因数定理:「整式 f(x) について,f(α)=0 が成り立つならば f(x)x−α を因数にもつ. 」 を利用するのである.


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