![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 式と証明点と直線円軌跡と領域三角関数 指数関数対数関数微分不定積分定積分 高次方程式数列漸化式と数学的帰納法 平面ベクトル空間ベクトル確率分布 ※高校数学Bの「確率分布」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください. が現在地です. ↓確率変数とは ↓確率変数と確率分布 ↓期待値 ↓分散・標準偏差 ↓度数分布→平均,分散,標準偏差 ↓確率変数の変換 ↓同時確率分布と周辺分布 ↓二項分布 ↓連続型確率分布-現在地 ↓正規分布 センター試験.数2・B統計(2013年~) |
この度数分布表をグラフにすると,次の図1のようになります. この度数分布表は階級幅を(1cm→0.5cm→0.25cm→...)と限りなく細かくしていくと,縦棒の高さが限りなく低くなります.
■相対度数分布表 これに対して,相対度数分布表(確率の表)をグラフにすると,次の図2の棒グラフのようになります. 相対度数分布表は,縦方向の目盛りが確率になっているだけで,度数分布表と同じ形をしています.
例えば,総人数を10000人に増やしておくとき,階級幅が小さくなるとともに,次の表の緑色で示したように人数が減り,赤色で示したように相対度数すなわち確率が減ります. 解説を簡潔にするために,階級幅を細かくしていくと相対度数分布表が曲線に近づくといってしまうことがありますが,正確には相対度数分布表が曲線に近づくのではありません. |
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■確率密度とは 次の表3のように,相対度数=確率の代わりに, 「確率密度=1cm当たりの確率」 を持ってきて,これを縦棒の長さにすると,階級幅を限りなく細かくしていっても,縦棒の長さはある値に近づき,曲線になってくるのです. たとえば, (A) 確率=0.04,階級幅=1→確率密度=0.04/1=0.04 (B) 確率=0.02,階級幅=0.5→確率密度=0.02/0.5=0.04 (B) 確率=0.01,階級幅=0.25→確率密度=0.01/0.25=0.04
![]() 次の曲線のように,実数で定義される確率変数Xを連続型確率変数といいます.連続型確率変数では,縦の長さは確率密度を表します. ![]()
横幅のある区間の「面積が確率を表す」ので,例えばx=58.0というような特定の値をとる確率は0と考えます.
正確に測れば,体重がx=58.0000000(kg)というような人はいないが,58≦x≦58.5(kg)の人ならいると考えることになります.
このことに関連して,P(X=a)=0 (幅のない縦線だけなら面積は0) となるから,確率を表すときに,等号付き不等号で書かれていても,不等号だけで書かれていても同じ値を表すことになり, 次の2つは同じ値になります. P(a<X<b) , P(a≦X≦b) |
■筆算で計算できる簡単な連続型確率分布の例![]() 右図のように定義域a≦X≦bにおいてf(x)=k(定数)となるような確率分布を連続型一様分布ということがあります. 右図の連続型一様分布において,定数kの値を求めてください. 2k=1 k=
![]() ![]() 右図のように頂点がx=0.5にあって0≦x≦1において定義される分布関数において,頂点の高さを表す定数kの値を求めてください. 三角形の面積が1になるから ![]() k=2 …(答) ![]() 右図のように区間0≦x≦kにおいて2次関数f(x)=x(k−x)で定義される分布関数において,定数kの値を求めてください. だから k3=6 k=3 ![]() |
■筆算では計算できないもの 【例】正規分布 ![]() 期待値m,標準偏差σの正規分布は,右図のような形の帽子型(富士山型)をしており ![]() ![]() で表されます. ![]() で表されますが, ![]()
【要点】
Excelのワークシート関数を利用して,
「期待値m,標準偏差σの正規分布において,
を求めるにはX≦aとなる確率」 =NORMDIST(a,m,σ,1) とします. (※第4引数を1にすると左端からaまでの図形の面積(=累積分布関数),0にするとf(x)の値(=確率密度関数)になります.水色の部分の面積を求めるには,第4引数を1にします.) ![]() 「期待値50,標準偏差10の正規分布において,X≦60となる確率」(右図の水色の部分の面積)を求めるには =NORMDIST(60,50,10,1) とします.(結果は0.84134474) 【例】 「期待値50,標準偏差10の正規分布において,X>60となる確率」(上の図の白の部分の面積)を求めるには =1−NORMDIST(60,50,10,1) とします.(結果は0.15865526) ![]() 【例】 「期待値50,標準偏差10の正規分布において,40≦X≦60となる確率」(右図の水色の部分の面積)を求めるには =NORMDIST(60,50,10,1)−NORMDIST(40,50,10,1) とします.(結果は0.68268948) |
長方形の横の長さがb−a,縦の長さがkだから,その面積は
(b−a)k=1 したがって k= ![]() →3
三角形の面積は
![]() になるから ![]() ab=2 →2
まず,定数kの値を求めます.
により ![]() k=6
次に→5
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【問題4】
期待値55,標準偏差7の正規分布において,X≦50となる確率をExcelを使って求めてください.(小数第4位を四捨五入して第3位まで求めてください.) 1 0.044 2 0.238 3 0.262 4 0.762 HELP ![]() →2
【問題5】
期待値10,標準偏差3の正規分布において,X≧15となる確率をExcelを使って求めてください.(小数第4位を四捨五入して第3位まで求めてください.) 1 0.033 2 0.048 3 0.452 4 0.952 HELP ![]() →2
【問題6】
期待値15,標準偏差4の正規分布において,10<X<20となる確率をExcelを使って求めてください.(小数第4位を四捨五入して第3位まで求めてください.) 1 0.678 2 0.789 3 0.896 4 0.967 HELP ![]() X=10となる確率やX=20となる確率は0だから,10<X<20という問題になっていても10≦X≦20でも結果は同じになります. =NORMDIST(20,15,4,1)−NORMDIST(10,15,4,1)により,0.788700322となるので,0.789とします. →2 |
■連続型確率変数についての期待値,分散,標準偏差![]()
【確率】
上の図の例では ○離散型確率変数がx3≦x≦x5の値をとる確率は p3+p4+p5 ○連続型確率変数がa≦x≦bの値をとる確率は
【期待値】
上の図の例では ○離散型確率変数の期待値は m=E(X)=x1p1+x2p2+x3p3+…+xnpn ○連続型確率変数の期待値は
【分散】
(*)の証明上の図の例では ○離散型確率変数の分散は V(X)=(x1−m)2p1+(x2−m)2p2+…+(xn−m)2pn なお,V(X)=E(X 2)−E(X)2が成り立ちます. ○連続型確率変数の分散は 離散型確率分布の場合と同様に, V(X)=E(X 2)−E(X)2 …(*) が成り立ちます. ここで だから
【標準偏差】
標準偏差はいずれの場合も,分散V(X)の正の平方根で求められます. σ(X)=
![]() |
= = = ■筆算で計算できるもの■ = = =![]() 右図の連続型一様分布において, ○ 2≦x≦3となる確率は ○ 期待値は (左右対称な分布では,期待値は中央になります)
○ 分散はV(X)=E(X 2)−E(X)2で計算する場合は ○ 標準偏差は ![]() 右図の連続型分布において, ○ 0≦x≦1となる確率は ○ 期待値は (左右対称な分布では,期待値は中央になります)
○ 分散はによって計算すると第2項がかなり長くなって大変(やめたほうがよい) によって計算すると次のようになる ○ 標準偏差は |
= = = ■筆算では計算できないもの■ = = =
【例】
統計において最も重要な正規分布は,次の形の関数で表されます. ![]() ![]() ![]()
正規分布に関する「確率」「期待値」「分散」「標準偏差」を考えるときに注意すべきこととして,
y=e−x2 のような関数は「筆算では積分できない」ということです. このような場合には「数値積分」という方法で,あらかじめコンピュータで計算された数表を見て答えることになります. なお,Excelを使っている場合には,この数表も不要でワークシート関数を使って計算することができます.したがって,正規分布についての「確率」「期待値」「分散」「標準偏差」を扱うことは,原理的には複雑な積分計算ではあっても,実際上はマニュアルの使い方に慣れるだけの問題となります. ○ 正規分布についての「確率」の計算は,この頁の上の方で【要点】にまとめてあります. ○ 正規分布 ![]() の期待値はm,分散はσ2,標準偏差はσになります.(*1) ○ 標準正規分布 ![]() の期待値は0,分散は1,標準偏差は1です.(*2)
(*1)および(*2)の表現は,実際には逆でしょう.すなわち,(*1)については,期待値がm,標準偏差がσとなるように正規分布の関数を定めれば(*A)になるということです.(*A)の式に含まれる定数mやσを取り出すだけで期待値と標準偏差が求まるのは,そのためです.
また,(*2)については,「期待値0,標準偏差1の正規分布」が標準正規分布の定義です. ![]() これに対して,Excelのワークシート関数 NORMSDIST(z) では,−∞<z≦uとなる確率(薄い水色の部分も足したもの)が返されます.左半分:薄い水色の部分(z<0)となる確率は0.5なので,z>0のとき,数表の値には NORMSDIST(z) −0.5 が対応します. なお,NORMSDIST(z) では,z<0のときにもその左側の確率が求められます. ![]() 標準正規分布において,0≦z≦1となる確率(右図水色の部分の面積)は,
数表では,左欄の1.0と上欄の.00(0.00の省略形)の交わる場所を読むと,0.3413となります.
Excelのワークシート関数では,=NORMSDIST(1)を求めると0.84134474となるので,0.84134474−0.5=0.3413447の有効数字を4桁とすれば0.3413となります.
※連続分布においては,z=1となる確率(右図のz=1の線分の面積)は0なので,「0≦z≦1となる確率」と「0<z≦1となる確率」「0≦z<1となる確率」「0<z<1となる確率」はすべて同じ値になります.以下の例でも同様です.
![]() 標準正規分布において,z≧1.52となる確率(右図水色の部分の面積)は,
数表では,左欄の1.5と上欄の.02(0.02の省略形)の交わる場所を読むと,0.4357となるので,右半分の面積0.5から引いて,0.0643とします.
Excelのワークシート関数では,=NORMSDIST(1.52)がz=1.52の左側の面積になるので,=1−NORMSDIST(1.52)により 0.06425551の有効数字を4桁として0.0643とします. ![]() 標準正規分布において,−1.23<z<0.67となる確率(右図水色の部分の面積)は,
数表では,左欄の0.6と上欄の.07の交わる場所を読むと,0.2486となるので,z=0の右側にある面積は,0.2486
正規分布(標準正規分布)は左右対称で,数表にはu≧0の値しか書かれていないので,左側の−1.23<z≦0となる確率を求めるには,代わりに0≦z<1.23の値を求めます. 左欄の1.2と上欄の.03の交わる場所を読むと,0.3907となるので,z=0の左側にある面積は,0.3907 これら左右の面積を足して,0.2486+0.3907=0.6393が求める確率になります. Excelのワークシート関数では,=NORMSDIST(0.67)がu=0.67の左側の面積になり,=NORMSDIST(−1.23)がu=−1.23の左側の面積になるので,これらの差を求めるとよいことになります.=NORMSDIST(0.67)−NORMSDIST(−1.23)により 0.639222559の有効数字を4桁として0.3692とします.
これら2つの結果,0.6393と0.6392とは小数第4位が違いますが,これは数表において最後の桁が四捨五入で丸められた結果となっているために生じるもので,Excelの結果の方が詳しくなっていますが,「結果はどちらを使ってもよい」と考えてください.
♪これを言ってしまえば,もうおしまい♪==そもそも,統計で小数第4位までの精度が求められることはめったになく,例えば世論調査で内閣支持率を求める場合でも,内閣支持率が○○.○○%などというのは聞いたことがありません.せいぜい,○○%か○○.○%でしょう. |
![]() 0≦x≦2において,確率密度関数 がf(x)= ![]() 1 期待値1,分散 ![]() ![]() ![]() 3 期待値 ![]() ![]() ![]() ![]() HELP →4 |
【問題8】
標準正規分布において1≦z≦2となる確率を求めてください.(Excelを使って小数第4位まで求めてください) 1 0.1359 2 0.3414 3 0.4772 4 0.6131 HELP =NORMSDIST(2)-NORMSDIST(1)により,0.135905198となるので0.1359と答えます. →1 |
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■[個別の頁からの質問に対する回答][連続型確率分布について/16.11.8]
「問題7」の場合、期待値が図形的にどんな意味をもつのか、について説明があればありがたいのですが。
=>[作者]:連絡ありがとう. 期待値は「式」で定義されていますので,図形的にうまく対応するものが示せるとは限らないようです.たとえば のように対応しますが ※言葉で言えば「重心」を表し,次の図A,Bのように左右対称な確率密度関数の場合には,期待値(平均値)は対称軸になり確率密度曲線で作られる図形の面積の二等分線になります.しかし,C,Dのように左右対称でない場合は,重心を表す縦線は面積の二等分線にならず,Cでは二等分線よりもやや左寄り,Dでは二等分線よりもやや右寄りになります.(てこの原理で考えると,遠くて軽い物は近くて重いものと釣り合う.C:S<T,D:S>T) だから一般の場合には面積の二等分線とは言えないのですが,面積の二等分線を引けば重心とそこそこ近い線になります.目分量で考えるだけなら面積の二等分線あたりに縦線を書いておけば感じはつかめます. ![]() |
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