■ (例題対比)連立方程式 この頁の内容
○ この頁では,次の3つの形の連立方程式の解き方について,例題を見ながら自分で解けるようになることを目指します.
(A)
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○ 「連立方程式の解」とは,左の例 (A) などにおいて2つの方程式を両方とも満たす x , y の値のことです. ○ 連立方程式の解を求めるには,まず,未知数が1つだけ(たとえば x だけ)の方程式を作って,解くことを考えます. x だけの方程式なら解けるからです. このように,連立方程式を解くには「未知数を1個にする」ことが鍵です.次の流れ図を思い浮かべるとよいでしょう.
○ 未知数の個数を2個から1個に減らす方法として「代入法」と「加減法」がよく使われます.この頁では(A)(B)を代入法で,(C)を加減法で説明します. |
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[例題 A ] 次の連立方程式を解きなさい.
この形の連立方程式は,(1)の右辺を(2)の y のところに「代入」して, y を消去すれば解けます.(答案) (1)の右辺を(2)の左辺に代入する. (単に,「(1)を(2)に代入する」ともいう.) 2x+1=3x−5 ( x だけの方程式の解き方は中学1年生のときに習っている.右上の流れ図の[イ]に対応.) 2x−3x=−5−1 −x=−6 x=6 ( 右上の流れ図の[ウ]に対応.) この x を(1)に代入すると y=2×6+1=13 ( 右上の流れ図の[エ]に対応.) よって連立方程式の解は x=6 , y=13 …(答) ( このようにして得られた解は(1)(2)を満たします. 実際,これらを(1)(2)に代入して見ると 13=2×6+1 13=3×6−5 が成り立っている. ) |
[問題1] 次の空欄を埋めて連立方程式を解きなさい.
(答案)
(1)を(2)に代入すると −2x+1=x−5 これを解くと x=2 …(3) (3)を(1)に代入すると y=−3 ゆえに,x=2,y=−3 …(答) |
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[例題 B ] 次の連立方程式を解きなさい.
この形の連立方程式も,(1)の右辺を(2)の y のところに「代入」して, y を消去すれば解けます.(答案) (1)を(2)に代入すると 2x−3(2x+1)=−11 (右上の流れ図の[イ]に対応) 2x−6x−3= -11 −4x=−8 x=2 (右上の流れ図の[ウ]に対応) x=2 を(1)に代入すると y=2×2+1=5 (右上の流れ図の[エ]に対応) よって連立方程式の解は x=2 , y=5 …(答) |
[問題2] 次の空欄を埋めて連立方程式を解きなさい.
(答案)
(1)を(2)に代入すると 5x−2(4x−5)=1 これを解くと x=3 …(3) (3)を(1)に代入すると y=7 ゆえに,x=3,y=7 …(答) |
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[例題 C1 ] 次の連立方程式を解きなさい.
連立方程式では,1つの文字を「消去」して文字の個数を減らせばよい.(答案) (1)-(2) 3x+2y=1 −) x+2y=−5 2x =6 x=3 x=3 を(1)に代入すると 3×3+2y=1 2y=−8 y=−4 よって連立方程式の解は x=3 , y=−4 …(答)
[例題 C2 ] 次の連立方程式を解きなさい.
この連立方程式では,(1)(2)の y の係数の符号だけが逆の同じ係数になっているので,(1)(2)の各辺を「足し算」すると y を消去できます.(答案) (1)+(2) 3x−4y=7 + ) 5x+4y=33 8x =40 x=5 これを(1)に代入すると 3×5−4y=7 −4y=−8 y=2 よって連立方程式の解は x=5 , y=2 …(答) |
○ (1)(2)式の(左辺)-(左辺)=(右辺)-(右辺)とする変形はよく使われる.(「辺々引く」という.) A=B C=D のとき,等しいものから同じものを引けば等しいので A−C=B−C ←両辺から C を引いた ところで,C=D だから,右辺は B−C=B−D この結果は A−C=B−D と書ける.
上に書いた変形は長いので,通常,次のように縦書で考える.
A=B −) C=D A−C=B−D これにより,次のような計算ができる. 5x+3y=7 −) 2x+3y=1 3x =6
[問題3] 次の空欄を埋めて連立方程式を解きなさい.
(答案)
(1)-(2) 4x+3y=−9 −) 5x+3y=−12 −x=3 これを解くと x=−3…(3) (3)を(1)に代入すると 4×(−3)+3y=−9 y=1 ゆえに,x=−3,y=1 …(答)
[問題4] 次の空欄を埋めて連立方程式を解きなさい.
(答案)
(1)+(2) 6x+5y=17 + ) 8x−5y=11 14x=28 これを解くと x=2 (3)を(1)に代入すると 12+5y=17 y=1 ゆえに,x=2,y=1 …(答) |
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[例題 C3 ] 次の連立方程式を解きなさい.
この連立方程式では,x の係数も y の係数もそろっていないので,それぞれ何倍かして係数をそろえます.(答案) (1)×2-(2)×3 8x+6y=12 −) 9x+6y=15 −x =−3 x=3
(1)×3-(2)×4で x を消去する方法もある
これを(1)に代入すると4×3+3y=6 3y=−6 y=−2 よって連立方程式の解は x=3 , y=−2 …(答) |
[問題5] 次の空欄を埋めて連立方程式を解きなさい.
この問題のように一方の y の係数が ,1 または −1 のときは,相手方の係数を掛けると係数をそろえることができます.
(答案)
(1)+(2)×3 2x+3y=3 + ) 9x−3y=30 11x=33 これを解くと x=3 …(3) (3)を(1)に代入すると 6+3y=3 y=−1 ゆえに,x=3,y=−1 …(答) |
【付録】 各自で確かめたい連立方程式を書き込んでください.
ただし
• 整数係数の問題に限ります. • 解がただ一つに定まる問題に限ります. |
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(参考):この問題解きプログラムを使うとき ※次のように右辺または両辺にがあったり,左辺に定数がある問題は,移項してを左辺に集め,定数を右辺に集めてから解きます. 移項する 移項する ※次のような分数係数の問題は,分母を払って整数係数の問題に直してから解きます. 両辺に6を掛けて分母を払う ※次のような小数係数の問題は,10倍,100倍して整数係数の問題に直してから解きます. 両辺に10を掛けて整数係数にする 両辺に100を掛けて整数係数にする |