■文字係数方程式の解
xの方程式 ax=b の解は
(1) a≠0のとき,
x=b/a
(2) a=0のとき
i) b=0 のとき,(0x=0の形だから)
解は任意の実数
ii) b≠0のとき,(0x≠0の形だから)
解なし

xについての方程式 (k2-1)x=k-1 の解は,
ア) k≠±1 のとき x=
イ) k=1のとき 0x=0 となり,xは任意の実数。
ウ) k=−1のとき 0x=-2 となり,解なし。
■定数項が0である連立方程式が原点以外の解を持つ条件
すなわち,
は,(0x+0y=0のような特別な場合を除いて)原点で交わる2直線を表します。
原点 x=y=0は(1)(2)の解となるのは,当然のこと,自明のことです。
(代入すれば分かります。)
x=y=0を連立方程式(1)(2)の自明解といいます。


次に,連立方程式(1)(2)が,自明解以外の解(自明でない解)を持つ条件を考えます。
原点を通る2つの直線が,原点以外の点でも「交わっている」ことは考えにくいことですが,右図のように,「2直線が一致する場合」に限り原点以外の点(x、y)で方程式が成立することとなります。
(1)(2)はΔ=ad-bc=0のとき,平行かつ一致する2直線となります。
このとき,共有点は単に2個あるのでなく,直線上の点全部が共有点となります。 


[要約]

が,
原点x=y=0以外の解を持つ
←→ Δ=ad-bc=0
■Δ=0のときの,連立方程式の解
 
[問題]
を解きなさい。
([ア][イ][ウ]に適すする数を答えなさい。)


[答案]
Δ=(k+1)(k-1)-3=k2-4
ア) k≠[ア] のときΔ≠0 だから逆行列が存在する。
より,
=・・・答
イ) k=[イ] のとき
 3x+3y=3・・(3)
x+y=1・・・(4)
(4)×3は(3)と一致する。
x+y=1を満たすすべての実数・・・答
(x=t,y=1−t)
ウ) k=[ウ]のとき
-x+3y=3・・・(5)
x-3y=1・・・(6)
(6)×(-1)
-x+3y=-1・・・(7)
(5)と(7)の両方を満たすx,yは存在しない。
解なし・・・答
[ア]=±,[イ]=,[ウ]=
■定数項が0である連立方程式が原点以外の解を持つ条件
 
[問題]
が,x=y=0以外の解を持つように定数kの値を定めなさい。


[答案]
Δ=(k+3)(k-2)-2k=0 より
2-k-6=0
k=[ア],[イ]
 
[ア]=,[イ]=
(ただし,[ア]<[イ])
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