高校~大学基礎の数学用語.公式.例
≪このページ内の目次≫…クリックでジャンプ 1.関数の極限 極限値の求め方 収束,発散,極限値,極限などの用語の整理 右側極限と左側極限 有限であるが振動して確定しない例 無限振動で確定しない例 振動するが収束する例 問題と答 1. 極限値=関数値(代入した値)になるもの 2. 分母→0,分母→∞の形 3. 不定形の極限 不定形ではないもの 0÷0形の不定形 ∞÷∞形の不定形 ∞−∞形の不定形 近づき方で分けて考えるもの 2.2変数関数の極限(大学向けの教材) 極座標 2変数関数の極限(続き) 問題と答 2変数関数の極限 |
【極限値の求め方】(要約:高校数学Ⅲまでの範囲)
(1) 分母が0になるなどの怪しい所がない関数(簡単な連続関数)では,極限値の代わりに,関数値(単に値を代入したもの)で代用してよい.
例
• • • • |
【収束,発散,極限値,極限などの用語の整理】
用語
「数学教育」の親学問としての「数学」には色々な事情があって,「無限遠点」のようなものを極限に含めると便利な応用が広がって来るのかもしれません.ここでは,結論から言えば,「無限大というのは特定の値ではない」と整理すると,上記の表が納得できます. すなわち,無限大は「極限」ではあるが「極限値ではない」と押さえておくと,上記の表のあいまいな部分をクリアーできる. 例
(1)• または • • または • 高校で「直感的に理解する」とは,次の近づき方から行先を考えるということ.
• または • 高校で「直感的に理解する」とは,次の近づき方から行先を考えるということ.
(A) 次の極限値を求めよ.
• 極限値なし…(答) (B) 次の極限を求めよ. (C) ==(B)と同じと考えてよい== または •
上記の(A)(B)(C)と同様
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関数 例
![]() (3) 用語
一般に,
で表す. 特に, で表す. で表す. 特に, で表す. 一般に, 右側極限(右側からの極限) 左側極限(左側からの極限) が両方とも存在して,かつ,それらが一致することが極限が存在するための条件となる. 重要
※「左右のどちらか一方の極限が存在しない場合」や「左右の極限が一致しない場合」は,極限なしとする. 例
(3)• または • 右側極限と左側極限が一致しないから極限はない. または 右側極限と左側極限が一致しないから極限はない. 高校で「直感的に理解する」とは,次の近づき方から行先を考えるということ.
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一般に,
有限であるが振動して確定しない例
(1) ![]() ![]()
■数列の極限で,振動して収束しない例■
次のグラフは,数列 ![]()
■上記の関数の極限
![]() ア) 赤丸で示した イ) 青丸で示した このように, となって,さらに別の値になる. |
無限振動で確定しない例
(2) ![]() ![]()
振動するが収束する例
ただし,次の関数は(1) ![]() ![]()
筆者の浅い経験で思い出すと,日常生活でこれを体験するには,卓球の球を30㎝くらいの高さから台に向かってラケットで押し付けて行くとよい.カタカタ,ギューンという音がして,振動しながら止まる.
![]() (2) この関数では,振幅が ![]() ![]()
(1)や(2)の例で,関数
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問題と答
1. 極限値=関数値(代入した値)になるもの
多くの関数は,後で習う「連続」という性質があって,極限値と関数値が等しい.
分母が0になるなどの「あやしい」ことがなければ,極限値を求める代わりに,値を代入して関数値を答えればよい. •極限値
【問題1】
次の極限値を求めてください. (1) (2) (3)
この問題のように,分母が0になるなどの「あやしい」ことがなく,
(解答)(1) (2) (3) |
2. 分母→0,分母→∞の形
この形の極限を間違う生徒が以外に多い.具体的な数値を使って,次の表がイメージできるようにしておくことが重要です.
単に「極限なし」と言っても,ない状況は様々なので,
と答える.
【問題2】
(解答)次の極限を求めてください. (1) (2) (3) (4) (1) 分母→+0,分子→1だから
※このページの初めの方で用語の整理を行ったように,この問題の答えを文章で書くとき,「極限は正の無限大である」となる.
(2)(問題が極限を求めてくださいとなっているから.これが極限値を求めてくださいとなっている場合は,「極限値は存在しない」と答えることになる…こんな話にごちゃごちゃこだわる先生は嫌いだ―.上の答案のように∞と簡潔に書くのが好きだー.) 分母→±0,分子→−1だから (3) 分母→無限大,分子=有限だから (4) |
3. 不定形の極限
不定形の極限とは,「式の見かけ」がいわゆる不定形になっていて,そのままの形では極限を求められないものです.
例えば, • • •
分子の0が強いとき
(無限)+(無限),(無限)×(無限)のように大きくするもの同士や0×0のようなものは不定形の極限ではなく,式を見ただけで結論が分かる.• |
** 不定形ではないもの **
【問題3】
(解答)次の極限を求めてください. (1) (2) (1) これは,不定形の極限ではない. (2) これは,不定形の極限ではない. |
** 0÷0形の不定形 **
【問題4】
(解答)次の極限を求めてください. (1) (2) 0
0
「約分」によって,
この変形は,いわゆる不定形の極限を処理するうえで,必ず身につけなければならない基本です.
分母と分子が0になる原因を取り除きます. このとき (2) そのまま |
** ∞÷∞形の不定形 **
【問題5】
次の極限を求めてください. (1) (2) (3) (*4) 分母→∞ならば小さくなり,分子→∞ならば大きくなるので,どちらの無限が強いのか決着を付けます. このような分数型では「分母と分子の各々を最大項でくくる」という変形が有効です. (2) (3) (*4) 指数関数や対数関数と多項式の比較は,ここまでの初歩的な計算ではできません.ロピタルの定理などを使うと次の結果が得られます.(後で述べる) |
** ∞−∞形の不定形 **
【問題6】
次の極限を求めてください. (1) (2) (3)
最大項でくくる
(1)(2)
根号計算では「分子の有理化」が有効なことが多い
(3) |
** 近づき方で分けて考える **
【問題7】
(1)次の極限を求めてください. (1) (2) (3) (4) (5) (6) 左側極限と右側極限が一致しないから,極限なし…(答) (2) 左側極限と右側極限が一致しないから,極限なし…(答) (3) (4) 極限なし…(答) (5) (6) (5)と同様にして |
≪2.2変数関数の極限≫用語
2変数関数
または で表す. 重要
1変数関数のときに,![]() 左右の極限が一致する場合は,振動しながら近づく場合もその値と一致するから,どんな近づき方をしても一定の値に近付くと言える. ![]() すなわち,2点 2変数の場合,2点 極座標
平面上の点を表すために,原点Oで直交する2直線(x軸とy軸)を使って座標
これに対して,原点Oを極として,極から点 通常, ![]() 黒字は直交座標,青字は極座標として,各々右図の点を表す. ![]() |
2変数関数の極限(続き)
【例】
(1) 極座標で表すと次の極限を求めてください. (1) (2) (3) (4) (2) 極座標で表すと (
(3) 極座標で表すと![]() ![]() |
【問題8】
(1) 極座標で表すと次の極限を求めてください. (1) (2) (3) (4) (
(2) 極座標で表すと![]() ![]() ![]() とおく. (
(4) 直交座標での点(0, −1)を極とし,x軸の正の向きを始線とする極座標を導入する![]() とおく. 分子→有限,分母→0だから極限なし |
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