導関数の符号によって関数の増減を調べると,
だから,
のとき
となり,
のとき
となる.高校で微分の基本を学んだ人にとって,開区間
において単調増加であり,開区間
において単調減少であることについては,異論がないでしょう.
しかし,初めの式をよく見ると,
は単調増加の区間にも,単調減少の区間にも入っているのであるから,「獣軍団と鳥軍団の両方に付いているコウモリ」のようになっており,「極値はどっちの味方なんだ!」と関心を持つのも悪くない.
一般に次のようにまとめることができる.
閉区間
で連続,開区間
において微分可能な関数が,開区間
においてつねに
ならば閉区間
において単調増加(減少)であるといえる…
通俗的に言えば,単調増加,単調減少は端点を「飲み込む」(=数学用語ではない)ことができる.
このようにして,一般に極値となっている点は,(コウモリのように)単調増加の区間にも,単調減少の区間にも入る.
話題
**(続き)**
【例】
次の図は
のグラフで,極値は増加の区間にも減少の区間にも入る.
において単調増加
において単調減少
※ただし,高校では,次の表のように増減表と極値を作成することが多いので,「
において単調増加(減少)」のように文章で書く場合だけではない.