== 定積分で定まる定数 == T 有理関数
(1.1)が異なる2つ実数解をもつとき
この定積分は,右図のように2次関数とx軸が2交点で交わるときに,2次関数とx軸とで囲まれる図形の面積(符号は負になっている)を表している.
(証明)高校数学Uで発展学習として習うことがある.(教科書や授業では触れない場合もある) と書ける |
(1.2)を整数とするとき
前述(1.1)はこの公式において,m=1, n=1の場合になっている
(証明)次のように部分積分を行う. とおくと だから,第1項は消える この漸化式を順次適用する ここで だから |
U 無理関数
(2.1)
これらは高校数学Vの置換積分で習う基本的な公式です.(2.2) (証明) (2.1)は右図の4分円の面積が円の面積の4分の1になることを表しています.
次のように置換積分を行います.
(2.2) のとき,この被積分関数はのときとなる広義積分ですが, の極限値を求めます.
次のように置換積分を行います.
|
(2.3)
(証明)(2.4) (2.3) 2次関数に根号を付けたものでのとき,被積分関数が0になるのだから,右図のように中心がで半径がの(上)半円を考える.実際,次の左辺の式と右辺の式を展開してみると,これらは等しい.
とおく置換積分を行うと
とおく置換積分を行うと
(参考) 方べきの定理 右図上のように,弦ABとCDが点Pで交わるとき,△APCと△DPBが相似になることから,AP・BP=DP・CPが成り立つ. 右図下のように,CP=DPのときは,AP・BP=CP2となるから になる. CPは円周のy座標だから,その積分は半円の面積になる. (2.4) (2.3)と同様にしてとおく置換積分を行うと |
(2.5)
(証明)(2.6) (2.5) 右図のようにABを直径とする円において,∠CBP=θとおくと の辺々を掛けると だから…(1) 同様にして の辺々を掛けると だから…(2) (2)÷(1)により
とおく置換積分を行うと
※区間の上端において広義積分になっているが,極限値を考えます. (2.6) 前問と同様にして |