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♪♥♫♦∀~基本から応用まで~∳♣♬∅♠
箱ひげ図
• 資料を小さい順に並べて,四分の一ずつにある点(25%点,50%点,75%点)を順に第1四分位数,第2四分位数,第3四分位数という.ただし,第2四分位数は中央値である.
• このとき,最小値,第1四分位数,第2四分位数,第3四分位数,最大値を次のように視覚的に表したものを「箱ひげ図」という. ![]() • 第3四分位数と第1四分位数の差を「四分位範囲」という. • 範囲や四分位範囲によって,資料の散らばり具合が分かる.
理屈の上で,四分位数は上記のように定義されるが,具体的に整数個の資料が与えられたとき,四分位数は次のように決める.
(1) 資料の総数が奇数個で,その中央値を取り除いた残りもそれぞれ奇数個であるとき
【例】合計11個の資料の場合
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪ ⇒⑥が中央値 これを取り除いて,「小さい方の半分」「大きい方の半分」に分けて,それぞれ中央値を決める ①②③④⑤の中央値は③,⑦⑧⑨⑩⑪の中央値は⑨ ⇒最小値=①,第1四分位数=③,第2四分位数=⑥, 第3四分位数=⑨,最大値=⑪ |
(2) 資料の総数が奇数個で,その中央値を取り除いた残りがそれぞれ偶数個であるとき
【例】合計9個の資料の場合
(3) 資料の総数が偶数個で,中央値で2つに分けた組がそれぞれ奇数個であるとき①②|③④⑤⑥⑦|⑧⑨ ⇒⑤が中央値 これを取り除いて,「小さい方の半分」「大きい方の半分」に分けて,それぞれ中央値を決める ①②③④の中央値は②③の平均,⑥⑦⑧⑨の中央値は⑦⑧の平均 ⇒最小値=①,第1四分位数=(②+③)÷2,第2四分位数=⑤,第3四分位数=(⑦+⑧)÷2,最大値=⑨
【例】合計10個の資料の場合
(4) 資料の総数が偶数個で,中央値で2つに分けた組もそれぞれ偶数個であるとき①②③④⑤|⑥⑦⑧⑨⑩ ⇒(⑤+⑥)÷2が中央値 「小さい方の半分」「大きい方の半分」に分けて,それぞれ中央値を決める ①②③④⑤の中央値は③,⑥⑦⑧⑨⑩の中央値は⑧ ⇒最小値=①,第1四分位数=③,第2四分位数=(⑤+⑥)÷2,第3四分位数=⑧,最大値=⑩
【例】合計8個の資料の場合
①②|③④|⑤⑥|⑦⑧ ⇒(④+⑤)÷2が中央値 「小さい方の半分」「大きい方の半分」に分けて,それぞれ中央値を決める ①②③④の中央値は(②+③)÷2,⑤⑥⑦⑧の中央値(⑥+⑦)÷2 ⇒最小値=①,第1四分位数(②+③)÷2,第2四分位数=(④+⑤)÷2,第3四分位数(⑥+⑦)÷2,最大値=⑧ |
右の表は,クイズ大会に参加した11人の得点である。この表をもとにして,箱ひげ図をかくと,右の図のようになった。a, bの値をそれぞれ求めなさい。 (2022年度 徳島県公立高校入試問題)
(解答)
• 資料を小さい順に並べると 5,7,[7],8,10, (11),13,14,[16],19, 20 となる. • 11個の資料で小さい順に6番目の 11 が中央値(第2四分位数) • それを取り除いた残り2組について,下の組の中央値 7が第1四分位数,上の組の中央値16が第3四分位数 したがって,a=7, b=16…(答) |
【問題2】
解説を見る次の【データ】は,ある生徒15人について,小テストを実施したときの全員の得点を,値の小さい順に並べたものである。 【データ】
4, 6, 6, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24,
28, 30 (単位:点) (点) 30 26 22 18 14 10 6 2 ① ② ③ ④ この【データ】を表した箱ひげ図として正しいものを,右の①~④の中から1つ選び,番号を書きなさい。 (2022年度 佐賀県公立高校入試問題)
(解答)
4,6,6,[6],8,10,12,(14),16,18,20,[22],24,28,30 ⇒ 最小値=4,第1四分位数=6, 第2四分位数=14, 第3四分位数=22, 最大値=30だから②…(答) |
【問題3】
ある中学校のA組40人とB組40人の生徒が,20点満点のクイズに挑戦しました。次の箱ひげ図は,そのときの2クラス40人ずつの得点の分布を表したものです。この箱ひげ図から読み取れることを正しく説明しているのは,ア~エのうちではどれですか。当てはまるものをすべて答えなさい。 A組 B組 0 5 10 15 20 (点) イ 2クラス全体の中で,得点が一番高い生徒はB組にいる。 ウ A組第3四分位数は,B組の第2四分位数より大きい。 エ 得点が12点以上の生徒の人数は,B組がA組の2倍以上である。 (2022年度 岡山県公立高校入試問題)
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解説を見る
(解答)
ア A組の四分位範囲は,11−5=6 B組の四分位範囲は,14−7=7 だから,アは正しい イ 得点が一番高い生徒は,20点でA組にいるから,イは間違い ウ A組第3四分位数は11,B組の第2四分位数は12だから,ウは間違い エ 得点が12点以上の生徒の人数は,A組が10人以下,B組が20人以上だから,エは正しい 以上から,ア,エ…(答)
この問題では図のA組,B組の短い線は無くてもわかるが,点数の目盛り線が書いてないので,11点,12点,14点など微妙な判断で迷いやすい(?)
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【問題4】
解説を見るある中学校の3年1組35人と2組35人に,家庭学習にインターネットを利用する平日1日あたりの時間について,調査を行った。図1は,それぞれの組の分布のようすを箱ひげ図にしたものである。また,図2は,2組のデータを小さい順に並べたものである。 このとき,あとの問いに答えなさい。 図1 1組 2組 15 32 52 85 115 (分)
5, 7, 8, 9, 12, 13, 14, 16, 16, 18, 19, 19, 21, 22, 23, 25, 30, 35, 38, 41, 42, 43, 45, 50, 51, 52, 55, 58, 62, 63, 65, 70, 85, 90, 105 (分) 図2 (2) 2組の第3四分位数を求めなさい。 (3) 上の2つの図1と図2から読みとれることとして,必ず正しいといえるものを次のア~オからすべて選び,記号で答えなさい。 ア 1組と2組を比べると,2組のほうが,四分位範囲が大きい。 イ 1組と2組のデータの範囲は等しい。 ウ どちらの組にも利用時間が55分の生徒がいる。 エ 1組には利用時間が33分以下の生徒が9人いる。 オ 1組の利用時間の平均値は52分である。 (2022年度 富山県公立高校入試問題)
(解答)
• 35人の資料を小さい順に並べたとき,小さい方から18番目が中央値になる.(以下の数字は,小さい方からの番号とする)
(1)• 1,2,…8,[9],10,…17,(18),19,…,26,[27],28,…35 • そのうちの小さい方の組の中央値は9番目の数字,大きい方の組の中央値は27番目の数字だから,結局,第1四分位数=9番目,第2四分位数=19番目,第3四分位数=27番目となる. • 最小値は1番目,最大値は35番目の数字 1組の四分位範囲は,85−32=53…(答) (2) 2組の第3四分位数は,55…(答) ア 1組の四分位範囲は,85−32=53 2組の四分位範囲は,55−16=39 ⇒ 1組のほうが,四分位範囲が大きいから,アは×
2組のデータは,分の目盛りがちょうどでないので,読みにくいが,図2の元データで第1四分位数=9番目=16,第3四分位数=27番目=55と読み取ることができ,それをもとにして計算できる
イ1組の最大値は115,最小値は15,その差:データの範囲は100 1組のデータの範囲は,図2から読み取って105−5=100 ⇒イは〇 ウ 2組には「利用時間が55分の生徒がいる」と言えるが,1組は必ずしも走とは言えない⇒ウは× エ 1組で第1四分位数は,小さい順に数えて9番目の値になるから,32が9番目となり,33分以下に9人以上の生徒がいると言える⇒エは〇 オ 1組の中央値は52分であるが,平均値はこれよりも大きい場合も小さい場合もある⇒オは× 以上により,正しいものは,イとエ…(答) |
【問題5】 筆者の感想:難しい
解説を見るA中学校では,体育祭の種目に長縄 このとき,次の①,②の問いに答えなさい。
② 9回目の練習を行ったところ,記録はa回であった。次ページの図は,1回目から9回目までの記録を箱ひげ図に表したものである。このとき,9回目の記録として考えられるaの値をすべて求めなさい。 0 5 10 15 (回) (2022年度 千葉県公立高校入試問題)
(解答)
① 小さいものから順に数えて,4番目が9回,5番目が11回だから,中央値はそれらの平均値で10回…(答) ② ←難しい!!
8回目までの記録では,
3 7 | 7 9 | 11 12 | 14 16 であるから
⇒ 最小値=3, 第1四分位数=7, 第2四分位数=10, 第3四分位数=13, 最大値=16
これに対して,第9回目の記録を追加したとき,上記の箱ひげ図に示されるように
ア) a=10のとき最小値=3, 第1四分位数=7, 第2四分位数=9, 第3四分位数=13, 最大値=16 ⇒ 第2四分位数だけ9に変わり,他の四分位数,最大値,最小値は変化しない.
3 7 | 7 9 10 11 12 | 14 16
⇒第2四分位数が9にならないイ) a≧11のとき
3 7 | 7 9 11 a 12 | 14 16
⇒第2四分位数が9にならない(なお,a>16のときは,最大値も合わない) ウ) a=9のとき
3 7 | 7 9 9 11 12 | 14 16
⇒箱ひげ図と一致するエ) a=8のとき
3 7 | 7 8 9 11 12 | 14 16
⇒箱ひげ図と一致するオ) a=7のとき
3 7 | 7 7 9 11 12 | 14 16
⇒箱ひげ図と一致するカ) a=6のとき
3 6 | 7 7 9 11 12 | 14 16
⇒第1四分位数が7にならないキ) a≦5のとき
3a | 7 7 9 11 12 | 14 16
⇒第1四分位数が7にならない(なお,a<3のときは,最小値も合わない) 以上のウ)エ)オ)から,a=7, 8, 9…(答) |
【問題6】 筆者の感想:難しい
解説を見る下の図は,ある中学校の2年A組,B組,C組それぞれ生徒35人の,ハンドボール投げの記録を箱ひげ図に表したものである。このとき,ハンドボール投げの記録について,図から読み取れることとして正しいものを,次のア~オからすべて選び,その符号を書きなさい。 A組 B組 C組 0 5 10 15 20 25 30 35 40 (m) イ A組とB組を比べると,四分位範囲はB組の方が大きい。 ウ B組とC組を比べると,範囲はB組の方が大きい。 エ A組は,10m以上15m以下の生徒の人数より,15m以上20m以下の生徒の人数の方が多い。 オ C組には,25m以下だった生徒が27人以上いる。 (2022年度 新潟県公立高校入試問題)
(解答)
【閑談】
ア「ア,イ,ウ,・・・」などを『記号』という都道府県が多いが,選択肢の名前が「ア・・・」「あ・・・」となっているものを『かな符号』『仮名符号』ということもある(数字符号①,英字符号(A)などとの区別).この流れなのか,新潟県では「ア,イ・・・」を符号というようである.(他の年度の数学問題でも符号と書かれている) A組の最大値は28mであるから,× イ A組の四分位範囲は,24−11=13,B組の四分位範囲は,23−14=9.Aの四分位範囲の方が大きいから,× ウ Bの範囲は,36−7=29,Cの範囲は,34−9=25.B組の範囲が大きいから,〇 エ A組の10m以上15m以下は,9番目から18番目の全体の4分の1以上,15m以上20m以下は全体の4分の1以下.× オ
• 35人の資料を小さい順に並べたとき,小さい方から18番目が中央値になる.(以下の数字は,小さい方からの番号とする)
C組で25m以下=第3四分位数以下は,27人以上,〇• 1,2,…8,[9],10,…17,(18),19,…,26,[27],28,…35 • そのうちの小さい方の組の中央値は9番目の数字,大きい方の組の中央値は27番目の数字だから,結局,第1四分位数=9番目,第2四分位数=19番目,第3四分位数=27番目となる. 以上から,ウとオ…(答) |
【問題7】 筆者の感想:難しい
解説を見る田村さんの住む町では,毎年多くのホタルを見ることができ,6月に最も多く観察されます。そこで,田村さんは,6月のホタルの観察数を2019年から2021年までの3年間について調べました。下の図は,それぞれの年の6月の30日間について,日ごとのホタルの観察数を箱ひげ図にしたものです。この箱ひげ図から読み取れることとして正しいものを,下の①~④の中からすべて選び,その番号を書きなさい。 2019年 2020年 2021年 0 5000 10000 15000 (匹) ② 6月に7000匹以上のホタルが観察された日が1日もないのは,2020年だけである。 ③ 2021年の6月では,3000匹以上10000匹以下のホタルが観察された日数が15日以上ある。 ④ 4000匹以上のホタルが観察された日数は,2021年の6月には2019年の6月の2倍以上ある。 (2022年度 広島県公立高校入試問題)
(解答)
①
• 30日分の資料をホタルが観察された引数の少ない順に並べたとき(以下の数字は,小さい方からの番号とする)
中央値が1000匹未満だから,1000匹未満であった日数は15日以上ある(15日かもしれないが,それもよい)⇒〇• 1,…7 ,[8] , 9,…15,|,16,…,22, [23] ,24,…30 ←7個→ ←1個→←7個→ |←7個→←1個→←7個→ • 最小値=1番,第1四分位数=8番目,第2四分位数=中央値=(15番目+16番目)÷2,第3四分位数=23番目,最大値=30番目となる. ② 2019年と2020年は,最大値が7000匹未満⇒× ③ 2021年の四分位範囲(第1四分位数から第3四分位数まで)に8番目から23番目までの16日ある.両端を除けば14日.3000匹以上10000匹以下は,それよりも狭い範囲だから,15日以上はない⇒× ④ 4000匹上の日数は,2019年では第4四分位数よりも多い日=7日以下.2021年では中央値よりも大きい日=15日よりも大.だから,2倍以上ある⇒〇 以上により,①と④…(答) |
【問題8】 筆者の感想:難しい
和夫さんと紀子さんの通う中学校の3年生の生徒数は,A組35人,B組35人,C組34人である。 図書委員の和夫さんと紀子さんは,3年生のすべての生徒について,図書室で1学期に借りた本の冊数の記録を取り,その記録をヒストグラムや箱ひげ図に表すことにした。 次の図は,3年生の生徒が1学期に借りた本の冊数の記録を,クラスごとに箱ひげ図に表したものである。 次の(1)~(3)に答えなさい。 図 A組 B組 C組 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 (冊) 和夫さんの考え
(Ⅰ) 四分位範囲が最も大きいのはA組である。
図から読みとれることとして,和夫さんの考え(Ⅰ)~(Ⅲ)はそれぞれ正しいといえますか。次のア~ウの中から最も適当なものを1つずつ選び,その記号をかきなさい。(Ⅱ) 借りた本の冊数が20冊以下である人数が最も多いのはB組である。 (Ⅲ) どの組にも,借りた本の冊数が30冊以上35冊以下の生徒が必ずいる。 ア 正しい イ 正しくない ウ この資料からはわからない (2) C組の記録をヒストグラムに表したものとして最も適切なものを,次のア~エの中から1つ選び,その記号を書きなさい。 ア (人) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 (冊) イ (人) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 (冊) ウ (人) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 (冊) エ (人) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 (冊) (3) 略 (2022年度 和歌山県公立高校入試問題)
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解説を見る
(解答)
(1) (Ⅰ) A組の四分位範囲は,26−14=12 B組の四分位範囲は,29−17=12 C組の四分位範囲は,32−14=18 ⇒四分位範囲が最も大きいのはC組だから,イ(正しくない) (Ⅱ)
• 35人からなる資料の四分位数(以下の数字は,小さい順の番号とする)
借りた本の冊数が20冊以下である人数1,2,…8,[9],10,…17,(18),19,…,26,[27],28,…35 ← 8個 → ←1個→←8個→←1個→←8個→←1個→←8個→ • 34人からなる資料の四分位数(以下の数字は,小さい順の番号とする) 1,2,…8, [9], 10,…17,(|),18,…,25,[26],27,…34 ← 8個 → ←1個→←8個→←0個→←8個→←1個→←8個→ 20人はA組の中央値よりも小さいから,17人以下 20人はB組の中央値よりも大きいから,19人以上 20人はC組の中央値よりも大きいから,17人以下 ⇒B組が最も多いから,ア(正しい) (Ⅲ) A組は,32冊の生徒がいる B組は,30冊以上35冊以下の生徒がいるかどうかわからない ⇒ウ(この資料からはわからない) (2) C組について 最小値=8 ⇒ エ(最小値が5未満)は× 第1四分位数=14⇒ イ(9番目が15以上)は× 第2四分位数=23 ⇒ ア(中央値が20未満)は× 第3四分位数=32 ⇒ イは× 最大値=41 ⇒ エ(最大値が45以上)は× ウは上記5つの値が条件を満たしている…ウ(答) |
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