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■サイコロの基本問題■
【例題1】
(解答)大小2つのさいころを同時に投げる。 ① 略 ② 出る目の和が10の約数になる確率を求めなさい。ただし,さいころの1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。 (熊本県2017年入試問題)
起こり得るすべての場合の数は36通り そのうちで10の約数になる場合は8通り 確率は
さいころを2つ投げる場合,6×6形の上のような表を書いて,結果を整理すると分かりやすいので,この表に慣れておくとよい
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※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題1】 (画面上で解答するには,選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
A,B二つのさいころを同時に投げ,Aのさいころの出る目の数をa,Bのさいころの出る目の数をbとするとき, (大阪府B 2017年入試問題)
したがって,確率は |
(2)
二つのさいころを同時に投げるとき,出る目の積が12である確率はいくらですか。1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとして答えなさい。 (大阪府A 2017年入試問題)
したがって,確率は |
(3)
1から6までの目のついた1つのさいころを2回投げたとき,1回目に出た目の数をa,2回目に出た目の数をbとする。このとき,a<bとなる確率を求めなさい。 (新潟県2017年入試問題)
したがって,確率は (参考) 宮城県2015年入試問題:前半の設定は同じで,a>bとなる確率 → |
(4)
1から6までの目の出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げるとき,出る目の和が10以下になる確率を求めよ。 ただし,大小2つのさいころはともに,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。 (東京都2017年入試問題)
起こり得るすべての場合の数は36通り そのうちで和が10以下になる場合は33通り 確率は |
(5)
1つのさいころを2回投げる。1回目に出た目の数を十の位,2回目に出た目の数を一の位とする2けたの整数をつくるとき,その整数が7の倍数となる確率を求めよ。 (鹿児島県2017年入試問題)
起こり得るすべての場合の数は36通り そのうちで7の倍数は右図で背景色を水色にしたもの.6通り. 確率は |
(6)
1から6までの目のある赤と白の2個のさいころを同時に投げるとき,赤のさいころと白のさいころの出る目の数をそれぞれa, bとする。このとき, (茨城県2015年入試問題)
積が16より大きくなるのは,右図で背景色を水色にしたもの.10通り. 確率は |
(7)
大小2つのさいころを同時に投げ,異なる目が出た場合は,出た目の数の大きい方を得点とし,2つとも同じ目が出た場合は,出た目の数の和を得点とする。これらのさいころを1回投げたとき,得点が4点となる確率を求めなさい。 (栃木県2015年入試問題)
4点になるのは,右図で背景色を水色にしたもの.7通り. 確率は |
■さいころの応用問題■
【例題2】
1から6までの目が出る大小1つずつのさいころを同時に投げる。 大きいさいころの出た目の数をa,小さいさいころの出た目の数をbとするとき,等式 ただし,大小2つのさいころはともに,1から6までのどの目がでることも同様に確からしいものとする。 (東京都2015年入試問題)
等式
中学生としては,次の答案のように,単に合うかどうか調べるとよいでしょう.両辺に2abを掛けて分母を払う. 2b+2a=ab ab−2a−2b=0 ab−2a−2b+4=4 (a−2)(b−2)=4 積が4となる整数の組(a−2, b−2≧−1)を考えると a−2=1, b−2=4…(1) a−2=2, b−2=2…(2) a−2=4, b−2=1…(3) (1)(2)(3)より a=3,b=6; a=3,b=2; a=6,b=3の3組 合うのは, だけです. (解答)
したがって,確率は |
※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
【問題2】 (画面上で解答するには,選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)
大小2つのさいころを同時に投げるとき,大きいさいころの出た目の数をx,小さいさいころの出た目の数をyとして,(x, y)を座標とする点Pをつくる。 このとき,点Pが (青森県2015年入試問題)
グラフ上にあるのは,
x=1,y=6,x=2,y=3,x=3,y=2,x=6,y=1 の4つの場合です.
したがって,確率は |
(2)
1から6までの目が出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げる。 大きい方のさいころの出た目の数をa,小さい方のさいころの出た目の数をbとするとき,3a+2bの値が6の倍数になる確率を求めよ。 ただし,大小2つのさいころをともに,1から6までどの目が出ることも同様に確からしいものとする。 (東京都2015年入試問題)
したがって,確率は ※3a+2bの値が6の倍数になる場合などという公式はなく,誰も習っていない.試験会場で根気よく表を埋める「気力の勝負」だと思えばよい. |
(3)
1から6までの目が出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げる。 大きいさいころの出た目の数をa,小さいさいころの出た目の数をbとするとき,2つの等式a−2b+5=0, a+b−7=0の少なくとも一方が成り立つ確率を求めよ。 ただし,大小2つのさいころはともに,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。 (東京都2017年入試問題)
下の段には a+b−7=0 となるとき0と示した. 結局,少なくとも一方が0になるのは,背景色を水色で示した8通り したがって,確率は ※a−2b+5, a+b−7の値などという公式はなく,誰も習っていない.試験会場で根気よく表を埋める「気力の勝負」だと思えばよい.(他の問題で時間の余裕を作れたら,できるかも) |
(4)
大小2つのさいころを同時に投げる。大きいさいころの出た目の数をa,小さいさいころの出た目の数をbとする。 2直線 (兵庫県2017年入試問題一部引用)
![]() y=−x+8 a+bが8の約数になる場合(右の表の〇印)にx座標,y座標がともに自然数となるが,それ以外にも◎で示した場合もよい. 結局,条件に合うのは12通り したがって,確率は ※試験会場で根気よく表を埋める「気力の勝負」だと思えばよい.(他の問題で時間の余裕を作れたら,できるかも) |
■袋と玉の問題■![]() 右の図のように,赤球3個と白球3個が入っている袋がある。 この袋の中から,同時に2個の球を取り出すとき,赤球と白球が1個ずつである確率を求めなさい。 ただし,どの球を取り出すことも,同様に確からしいものとする。 (大分県2017年入試問題)
![]() 高校では「同時に取り出す」場合の数を組合せで数えるが,中学校の教科書では組合せを詳しく述べられていないので,「2回に分けてではなく,一度に」という意味だと理解したらよい. そうすると,一度に取り出したとしても,「(1)親指に近い位置に握られていた球と(2)遠い位置にあった球」とか「(1)1mmでも上にあった球と(2)下にあった球」のように,何らかの基準で順序を付けて数えたらよい. 重要なことは,「起こり得るすべての場合の数」と「求めたい場合の数」の両方とも順序を付けて数えることである. 起こり得るすべての場合の数は N=6×5=30(通り) 赤→白の順に出る場合の数は m=3×3=9(通り) 白→赤の順に出る場合の数は n=3×3=9(通り) 求める確率は 高校では,組合せを使って次のように解きます. 起こり得るすべての場合の数は ![]() 求める確率は
この問題でn=9の値は,右図の〇を数えれば分かりますが,組合せを習っていないとN=15の値を求めるために全部書き並べる作業が大変なように思う(30÷2なのだが,それは中学生にとって自明な話ではないかも)
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【問題3】
(1)
袋の中に,赤玉が3個,白玉が2個,合わせて5個の玉が入っている。 この袋の中から同時に2個の玉を取り出すとき,少なくとも1個は白玉である確率を求めよ。 ただし,どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。 (東京都2015年入試問題)
起こり得るすべての場合の数はN=5×4=20通り.
そのうちで
白→白と出るのは2×1=2通り
これらを加えると,少なくとも1つが白であるのはn=14通り白→赤と出るのは2×3=6通り 赤→白と出るのは3×2=6通り したがって,確率は (別解)・・・余事象の確率で考える方法 起こり得るすべての場合の数はN=5×4=20通り. そのうちで,条件を満たさないのは,2つとも赤になる場合
赤→赤と出るのはm=3×2=6通り
したがって,条件に合うのはn=N−m=20−6=14通り確率は |
![]() 右の図のように,赤玉2個と白玉1個が入っている袋Aと,赤玉3個と白玉1個が入っている袋Bとがある。それぞれの袋で,袋の中から玉を1個取り出し,玉の色を確認してから袋にもどすことを2回行う。ただし,どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。 ① 袋Aで,1回目と2回目で異なる色の玉が出る確率を求めなさい。 ② 袋Bで,1回目と2回目で同じ色の玉が出る確率を求めなさい。 ③ 袋Aと袋Bのどちらの方が,1回目と2回目で出る玉が同じ色になりやすいか,確率を使って説明しなさい。 (熊本県2017年入試問題)
袋Aから2回取り出すとき,起こり得るすべての場合の数はN=3×3=9通り.
②
そのうちで
白→赤と出るのは1×2=2通り
これらを加えると,少なくとも1つが白であるのはn=4通り赤→白と出るのは2×1=2通り したがって,確率は
袋Bから2回取り出すとき,起こり得るすべての場合の数はN=4×4=16通り.
③
そのうちで
白→白と出るのは1×1=1通り
これらを加えると,少なくとも1つが白であるのはn=10通り赤→赤と出るのは3×3=9通り したがって,確率は |
(3)
1,3,5,7,9 のカードが1枚ずつある。この5枚のカードから,同時に2枚のカードを取り出すとき,その2枚のカードに書かれている数の和が10以上になる確率を求めよ。 ただし,どのカードを取り出すことも同様に確からしいものとする。 (福岡県2017年入試問題)
そのうちで和が10以上となるのは太文字で示したn=12通り したがって,確率は (別解) 順序を付けずに,「組合せ」で考える場合は,総数(N)も条件に合うもの(n)も順序を付けずに数えます. 右図で(1,3)の組は(3,1)の組と同じものとみなして1回だけ数えることにすると組合せで数えていることになります.この場合は,朱色で示した部分だけ(または黒色で示した部分だけ)を数えます・・・対角線上の×印のところは起こりません. 起こり得るすべての場合の数は,N=10通り. そのうちで和が10以上となるのは太文字で示したn=6通り したがって,確率は |
(4)
(ア) 10通り
1,2,3,4,5
右の図のように,1, 2, 3, 4, 5 の数字が1つずつ書かれた5枚のカードがある。この5枚のカードを袋に入れて,よくかき混ぜてから同時に3枚のカードを取り出すとき,取り出し方は全部で(ア)通りある。また,取り出した3枚のカードに書かれている数の積が偶数になる確率は(イ)である。(岡山県2017年入試問題)
(イ) 次の内から選んでください
(ア)は明らかに組合せ(順序を問わない組の数を尋ねている)になっているので,中学生としては全部書き並べて数えるしかない.
{1,2,3} {1,2,4} {1,2,5}
のN=10通り{1,3,4} {1,3,5} {1,4,5} {2,3,4} {2,3,5} {2,4,5} {3,4,5} (イ)1つでも偶数が入っていれば,積は偶数になる. 積が奇数になるのは3つとも奇数になっている{1,3,5}の組だけだから,残り9組の積は偶数になる.n=9 したがって,確率は |
■袋と玉の問題2■ 【問題4】
(1)
![]() (青森県2017年入試問題)
そのうちで,右の表の中で水色の背景色で示した9通りが24以上の整数になる. したがって,確率は |
(2)
![]() このとき,2a+bの値が3の倍数になる確率を求めよ。 ただし,それぞれの袋について,どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。 (愛媛県2017年入試問題)
そのうちで,右の表の中で水色の背景色で示した5通りが3の倍数になる. したがって,確率は |
(3)
![]() 2つの袋A,Bから同時にそれぞれ1枚のカードを取り出す。 このとき,取り出したカードに書かれた2つの数の和を3で割った余りが2になる確率を求めよ。 ただし,2つの袋A,Bそれぞれにおいて,どのカードが取り出されることも同様に確からしいものとする。 (東京都2017年入試問題)
そのうちで,右の表の中で水色の背景色で示した5通りが3で割った余りが2になる. したがって,確率は |
(4)
袋の中に,1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 の数字を1つずつ書いた8個の玉が入っている。 この袋の中から玉を1個取り出したとき,その取り出した玉に書かれた数字をaとする。 取り出した玉を袋に戻し,もう一度袋の中から玉を1個取り出したとき,その取り出した玉に書かれた数字をbとする。 ただし,どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。 (東京都2017年入試問題)
ab+1=n2 ab=n2−1
n=2のときab=3
以上の条件を満たすものは,右の表の中で数字を記入した16通り.n=3のときab=8 n=4のときab=15 n=5のときab=24 n=6のときab=35 n=7のときab=48 n≧8のときa,bで合うものはない したがって,確率は |
■点が移動する問題■ 【問題5】
(1)
(1) 数直線上に点Pがある。1つのさいころを投げて,次のルールにしたがって点Pを移動させる。
≪ルール≫
最初,点Pは原点にあるとして,次の各問いに答えなさい。ただし,さいころはどの目の出方も同様に確からしいとする。
1, 3, 5 の目が出たら,出た目の数だけ正の方向に点Pを移動させる。 2, 4, 6 の目が出たら,出た目の数だけ負の方向に点Pを移動させる。 ![]() 問2 さいころを2回投げるとき,次の問いに答えなさい。 たとえば,1回目で3の目が出て,2回目で4の目が出ると,点Pは−1の位置にある。 (1) 点Pが2の位置にある確率を求めなさい。 (2) 点Pが,原点から点Pまでの距離が3より小さい位置にある確率を求めなさい。 (沖縄県2017年入試問題)
(2)
(1)
−6, −4, −2, 1, 3, 5から同じものをとってよいことにして,2つとってできる2数の和は −12, −10, −8, ... , 8, 10, 12 このうちで,和が2となるのは,1+1の1通り 起こり得るすべての場合の数は6×6=36通り したがって,確率は
起こり得るすべての場合の数は6×6=36通り. そのうちで,右の表の中で水色の背景色で示した11通りの絶対値2以下になる. したがって,確率は |
![]() 図1のように,数直線上を動く点Pがあり,最初,点Pは原点(0が対応する点)にある。 図2のように,袋の中に同じ大きさの赤玉2個と白玉2個が入っている。それぞれの色の玉には 1, 2 の数字が1つずつ書かれている。この袋の中の玉をよくかきまぜて1個を取り出し,次の規則にしたがって点Pを動かした後,玉を袋にもどす。さらに,もう一度袋の中の玉をよくかきまぜて1個を取り出し,規則にしたがって点Pを1回目に動かした位置から動かす。
規則
このとき,次の(1)~(3)に答えよ。•
赤玉を取り出した場合,正の方向(右の方向)へ玉に書かれている数字と同じ数だけ動かす。
•
白玉を取り出した場合,負の方向(左の方向)へ玉に書かれている数字と同じ数だけ動かす。
•
2回目に取り出した玉の色と数字がどちらも1回目と同じ場合,1回目に動かした位置から動かさない。
(1) 点Pの最後の位置が原点である確率を求めよ。 (2) 点Pの最後の位置が−1に対応する点である確率を求めよ。 (3) 点Pの最後の位置が1以下の数に対応する点である確率を求めよ。 (長崎県2015年入試問題)
(3)
(1)
起こり得るすべての場合の数は4×4=16通り このうちで,最後の位置が0となるのは,右の表のように4通り したがって,確率は (2) 同様にして,最後の位置が−1となるのは,右の表のように3通り したがって,確率は (3)
したがって,確率は |
![]() 右の図のように,正五角形ABCDEと,1,2,6と書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ入った箱がある。点Pは最初,頂点Aにあり,【手順】に従って点Pを移動させる。
【手順】
例えば,取り出したカードが順に6,2のとき,点Pは頂点Dに移動する。[1] 箱の中からカードを1枚取り出し,書かれた数を調べ,取り出したカードは箱に戻す。 [2] [1]の操作をもう1回行う。 [3] 点Pを[1]と[2]で調べた数の和だけ,反時計回りに頂点を順に1つずつ移動させる。 このとき,次の問いに答えよ。ただし,カードの取り出し方は同様に確からしいとする。 (1) 点Pが頂点Cに移動する確率を求めよ。 (2) この3枚のカードのときは,点Pが頂点Aに移動する確率は0である。そこで3枚のカードのうち,6だけを他の自然数が書かれたカードに交換して,点Pが頂点Aに移動する確率が0でないようにしたい。どのような自然数が書かれたカードに交換すればよいか,その自然数について,言葉や数,式などを使ってすべての場合を説明せよ。 (福井県2017年入試問題)
(2) (nは正の整数として,次の式で表せる数の全部)
起こり得るすべての場合の数は3×3=9通り このうちで,2回移動した結果,Cの位置に来るのは,右の表で背景色水色で示した4通り したがって,確率は
Aの位置に来るのは,移動量の和が5の倍数になる場合 1) x+1=5n(nは正の整数)のとき
x=5n−1
2) x+2=5n(nは正の整数)のときすなわち,x=4,9,14,19,...
x=5n−2
3) 2x=5n(nは正の整数)のときすなわち,x=3,8,13,18,...
x=5m(mは正の整数)
まとめると,nを正の整数(n=1,2,3,...)としてすなわち,x=5,10,15,20,... 5n,5n−1,5n−2で表される数の全部 …(答) |
(4)
(1) ![]()
<規則>
例えば,点Pが1秒後に頂点Bに止まると,その1秒後には頂点A,C,Fのいずれかに止まる。その経路はそれぞれ,A→B→A,A→B→C,A→B→Fである。1 最初,点Pは頂点Aにある。 2 1秒後には,点Pは隣り合う頂点のいずれかに移動して止まる。このとき,移動後の頂点は3通りあり,どの場合が起こることも同様に確からしい。 3 1秒ごとに2を繰り返す。 次の問いに答えなさい。 (1) 2秒後に点Pが頂点Aに止まる確率を求めなさい。 (2) 3秒後に点Pが頂点Gに止まる確率を求めなさい。 (3)(4) 略 (兵庫県2015年入試問題)
(2)
起こり得るすべての場合の数は3×3=9通り このうちで,2回移動した結果,Aの位置に来るのは,右の表で背景色水色で示した3通り したがって,確率は (2) 3秒後の移動の経路は3×3×3=27通り そのうち3秒後に頂点Gに止まるのは,次の6通りの経路
A→B→C→G, A→B→F→G
確率はA→D→C→G, A→D→H→G A→E→F→G, A→E→H→G |
■統計的確率.標本調査の問題■
【例題4】
箱の中に同じ大きさの白玉と黒玉が合わせて480個入っています。標本調査を利用して,箱の中の黒玉の数を調べます。この箱の中から,56個の玉を無作為に抽出したところ黒玉は35個ふくまれていました。箱の中の黒玉は,およそ何個と推測されるか求めなさい。 (埼玉県2015年入試問題)
![]()
(考え方)
(解答)全体N個の中に黒玉がn個含まれているとき,その比率は このとき,「多数の標本」A個を抽出すると,標本の中の黒玉の比率は,全体の中の黒玉の比率とほぼ同じになる. (A) 取り出した玉の色を確かめてから毎回戻すことにして,合計A回この作業を行うとき黒玉が出る回数をaとした場合 (B) 同時にA個取り出すとき,その中に含まれる黒玉の個数をaとした場合 ※この解説で,「多数の標本」と言えるためには,どれくらいの数でなければならないかについて,はっきりしていることと少しあいまいなことがあります. 1. はっきりしている重要なこと
多数と言えるかどうかは,全体の数に対する標本の比率(3割とか30%など)ではなく,標本の個数(30個など)だけで決まる.すなわち,全体の数が1000個から10000個に増えても,多数と言えるための標本の数は増やさなくてもよい.
2. 学説として少し幅のある内容
全体の数がどんなに多くても,標本の数が「概ね30個」程度あれば,多数とみなしてよいと考えられることが多いが,この個数には諸説あり,25個程度でもよいと考える場合もあります.(5個や10個の標本では少な過ぎるが,30個もあれば十分多いと考えればよいでしょう)
※標識放流という方法を使うと,海にいる魚の数を調べることができます.その考え方はここで解説した通りです.
近似値として,次の等式が成り立つ. したがって およそ300個…(答) |
【問題6】
(1)
同じ大きさの白色とオレンジ色の卓球の球があわせて500個入っている箱がある。この箱の中から30個の球を無作為に抽出すると,白色の球が12個含まれていた。この箱に入っていた500個の球のうち,白色の球のおよそ個数として最も適切なのは,ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。 ア およそ150個 イ およそ200個 ウ およそ250個 エ およそ300個 (岡山県2017年入試問題)
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(2)
同じ大きさの白玉だけがたくさん入っている袋がある。この袋の中に,白玉と同じ大きさの黒玉50個を入れ,よくかき混ぜた後,その中から30個の玉を無作為に抽出すると,黒玉が5個ふくまれていた。はじめに袋の中に入っていた白玉のおよその個数として最も適切なのは,ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。 ア およそ150個 イ およそ200個 ウ およそ250個 エ およそ300個 (岡山県2015年入試問題)
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(3)
箱の中に白い玉だけがたくさん入っている。この箱に赤い玉を80個入れてよくかき混ぜ,箱から50個の玉を無作為に取り出すと,赤い玉が9個含まれていた。最初に箱の中に入っていた白い玉はおよそ何個であると推測されるか。最も適当なものを次の(ア)~(エ)から1つ選べ。 (ア) およそ320個 (イ) およそ360個 (ウ) およそ400個 (エ) およそ440個 (京都府2015年入試問題)
箱の中の白玉の数をxとおくと,赤玉を加えてからの総数に対する白玉の比率
と,無作為抽出で得られた50個の中の白玉の比率 とは,ほぼ等しいと考えられるから これに最も近い値を選ぶと x=360(個)…(答) |
■数学的確率.同様な確からしさの原理■
【例題5】
A,B2人がこの順にさいころを1回ずつ投げる. (1) Aに6の目が出たとき,Bに6の目が出る確率が (2) Aに6の目が出なかったとき,Bに6の目が出る確率が
Aに6の目が出たとき,Bの目の出方は,右の表のうちで水色で示した6通り それら6通りの目の出方は,どれも同様に確からしく,そのうちでBに6の目が出るのは1通り したがって,確率は (2) Aに6の目が出なかったとき,Bの目の出方は,右の表のうちで黄色で示した30通り それら30通りの目の出方は,どれも同様に確からしく,そのうちでBに6の目が出るのは5通り したがって,確率は ![]() 5本のくじの中に当たりくじが2本入っている.A,B2人がこの順にくじを引き,引いたくじは元に戻さないものとする. このとき,先にくじを引く人A,後でくじを引く人Bのどちらがくじに当たりやすいか述べよ. Aが引くとき,合計5本のくじの中に当たりくじが1本入っているから,Aが当たる確率は 次にBの当たる確率を求める.5本のくじから順に2本引くから,起こり得るすべての引き方の総数は N=5×4=20(通り) (1) Aが当たってBも当たる場合の数は N=2×1=2(通り) (2) Aが当たってBが外れる場合の数は N=2×3=6(通り) (3) Aが外れてBが当たる場合の数は N=3×2=6(通り) (4) Aが外れてBも外れる場合の数は N=3×2=6(通り) したがって,Bが当たる確率は(1)(3)から Aが当たる確率とBが当たる確率は等しい…(答)
【重要】
くじに当たる確率は,くじを引く順に関係ない ![]() これに対して,Aが当たったのを見た後では,Bが当たる確率は Aが外れたのを見た後では,Bが当たる確率は |
【問題7】
(1)
1個のさいころを続けて投げたところ,はじめから2回続けて奇数の目が出た。さらにもう1回投げるとき,奇数の目が出る確率と偶数の目が出る確率について,正しく述べられている文は,ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。ただし,どの目が出ることも同様に確からしいとする。 ア 奇数の目が出る確率の方が,偶数の目が出る確率よりも大きい。 イ 奇数の目が出る確率の方が,偶数の目が出る確率よりも小さい。 ウ 奇数の目が出る確率と偶数の目が出る確率は等しい。 エ 奇数の目が出る確率と偶数の目が出る確率の大小は,問題の条件だけでは決まらない。 (岡山県2017年入試問題)
偶数が目が出るのは2,4,6の3通り 右の表の上2行において,起こり得るすべての場合の数は6通りだから,3回目に奇数の目が出る確率も偶数の目が出る確率もいずれも となり,等しい→ウ…(答) |
※以下に引用する高校入試問題で,元の問題は記述式の問題ですが,web画面上で入力問題にすると操作性が悪いので,選択問題に書き換えています.
実際の解答は,下記の解説のように記述しなければなりません.
(2)
袋の中に,①,②の番号を1つずつ記入した2個の白球と,③の番号を記入した1個の赤球が入っています。 A,Bの2人が,この順に,袋の中から1個ずつ球を取り出すとき,球を先に取り出すのと,あとに取り出すのとで,白球を取り出す確率にちがいがあるかを調べることにします。 最初に,Aが球を取り出します。 このとき,Aが白球を取り出す確率を次のように求めました。 (Aが白球を取り出す確率)
起こり得る場合は全部で①,②,③の3通りで,どの場合が起こることも同様に確からしい。このうち,Aが白球を取り出す場合は①,②の2通りであるから,Aが白球を取り出す確率は
次に,Bが球を取り出します。Aが取り出した球をもとに戻さないでBが球を取り出すとき,Bが白球を取り出す確率を求め,A,Bが白球を取り出す確率にちがいがあるか説明しなさい。 ただし,Aが①,Bが②を取り出すとき,[①,②]と表し,起こり得る場合をすべてあげ,同様に確からしいということばを用いること。 (岩手県2017年入試問題)
A,Bがこの順に球を取り出すとき,起こり得る場合は全部で
[①,②], [①,③], [②,①], [②,③], [③,①], [③,②]
の6通りで,どの起こり方も同様に確からしい.このうちで,Bが白球を取り出す場合は
[①,②], [②,①], [③,①], [③,②]
の4通りであるから,Bが白球を取り出す確率は
となり,A,Bが白球を取り出す確率は等しい…(答) |
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