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== 一次関数のデータとグラフ ==
■グラフの書き方

○ 次の表1は右図1のように「ばねばかり」に重りを下げたときの、重りの重さ(g)とばねの長さ(cm)を表にしたものとします。
表1
重りの重さ(g) 0 1 2 3
ばねの長さ(cm) 10 13 16 19

○ このような、観察・実験の結果を点のグラフで表すには、表の上の段の数字を横(x)とし、表の下の段の数字を縦(y)とする座標(x , y)を考えて点で表します。

 縦に並んだ1組がx座標とy座標です。

 この表にはデータが4組ありますので、図2のように点が4個できることになります。
図1
図2
≪問題1≫ 次の各表において上の段の数字を横(x)に、表の下の段の数字を縦(y)として点で表したグラフを選んでください。

(1)
x 0 1 2 3
y 3 5 7 9






(2)
x 0 1 2 3 4
y 6 5 4 3 2






(3)
x 0 3 6
y −3 0 3






■一次関数の切片

 一次関数y=ax+bにおいてbを切片といいます。

 「切片」という言葉には「切り取られた断片」という意味合いが含まれており、下図の桃色で示した断片のことですが、数学では符号も付けてy座標と考えます。
 切片b

 直線とy軸との交点のy座標を表しています。←(0, b)

 すなわち、x=0のときのyの値を示しています。
y=ax+bにおいて
x=0のときy=b


≪問題2≫ 次の表のデータを一次関数のグラフで表したとき、直線の切片を求めてください。

(1)
x −2 −1 0 1 2
y −8 −5 −2 1 4

−8 −5 −2 0




(2)
x −1 0 1 2
y 8 6 4 2

−1 0 8 6




(3)
x −2 0 2
y 2 4 6

−2 0 2 4




(4)
x −2 0 2
y −2 −3 −4

−4 −3 −2 2



■一次関数の傾き

 一次関数y=ax+bにおいてaを傾きといいます。

 傾きaは、右のように2つの式からbを消去すると計算できます。

 傾きは .y座標の差x座標の差nnnnnnnnn

になります。  
[注意]
(1) この公式を自分で作るのは大変なので、上の  の公式を「覚えて使う」ようにします。

(2) 分母はx座標の差で、分子はy座標の差です。
 (分母と分子を逆に覚えてしまう間違いが多いので、注意しましょう。)

(3) 分母も分子もx座標やy座標ではなく、x座標の差y座標の差です。
 (後の値から前の値を引いたもの:「増加量」です。)
y2=ax2+b
−) y1=ax1+b
y2−y1=a(x2−x1)
a = .y2−y1x2−x1nnnn






 検算として、次のようになっているかどうか確かめておくようにします。
(4) 右図のように、「右上がり」のグラフでは「傾きはプラスの値」になります。
 「右下がり」のグラフでは「傾きはマイナスの値」になります。
例1
x 1 2 3
y 5 8 11

(1) x座標の差y座標の差を考えます。
⇒ 2−1=18−5=3です。
(この表では、座標が3組ありますが、必ず2組を選んで計算します。一次関数では「他の組で計算しても「分数にしたとき」同じ値になります」。)

(2) 分母をx座標の差として、分子をy座標の差として計算します。
 傾きは
⇒ .8−52−1nnn = .31n = 3

(3) 分母も分子もx座標やy座標ではなく、x座標の差y座標の差です。
⇒ .51nではありません。

(4) 右図のように、「右上がり」のグラフだから「傾きがプラス」になっていることを確かめておきます。
⇒ 傾きは3 …(答)
x=3 , y=11の値はどうなっているのか、気になる人へ:
(1)に述べたように、この表に座標が3組ありますが、「他の組で計算しても同じ値になります」。
 もし、2組の座標としてx=1 , y=5x=3 , y=11を選んだとすると、
 傾きは
⇒ .11−53−1nnnn = .62n = 3

となって、同じ結果が得られます。

※ 分母と分子を計算するときに「引き算の順序」に注意しましょう。高校生でも上の計算が
.5−81−2nnn = .−3−1nn = 3 …(*)
となってしまう生徒がかなりいます。
 引き算の順序を逆にしたとき、分数の値としての傾きは合っているので、途中の考え方が間違っているのを見逃しがちです。
 このような生徒は見かけの向きに引きずられて(前の値)−(後の値)としてしまうようですが、例えば、1から2になったときに1−2=−1増えたなどとは言わず、2−1=1増えたと言うのが正しい。
 このように「増加量」を求めるには

(後の値)−(前の値)

としなければなりません。
 間違って覚えてると、(*)のように傾きの計算では(−)÷(−)でも、たまたま結果が合いますが、基本的なことを問われるとバレてしまいます。
 例えば「増加量」を問われると符号が逆になります。(ここで逆に覚えてしまうと、高校で登場するベクトル、複素数、定積分など広い分野で間違うことになります。)
≪問題3≫ 次の表のデータを一次関数のグラフで表したとき、直線の傾きを求めてください。


(2)
x −1 0 1
y 5 6 7

傾きは
−6 −5 1 −1






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