順応同化の精神 --
1997/11/09 ソーブル・ナオ
順応同化の精神 進歩発達は自然の摂理に順応同化するに非ざれば得難し、 社会の大勢に即せず人為に偏する如きにては 決して成功は望み得ざるべし。 私が大学4年の時、そろそろ就職に向け活動をスタートさせた頃、 その少しでも手助けにと読んだ本の中に「INS時代の会社選び」というのが在った。 INSとは高度情報網の略でVAN(付加価値通信網)もその計画の一つだった。 蛇足だがPC−VAN(NECのパソコン通信ネットワーク)もそこからきている。 といっても当時のハードウエアは今のように高性能でなく、どうにか漢字変換が出来る程度の代物だった。 ましてや私は学生の身分で当時最高級品だったPC98シリーズなど手が届かず、 富士通のFM-NEW7にキャリーラボのワープロソフトの熟語変換に酔っていた。 だからこの本も内容に即した名前をつけたというよりも社会の大勢に即したといった方がよい。 この当時の人に今のインターネットを体験させたら浦島太郎状態となり、一気に老人になってしまうかもしれない。 その本の中に、どのクラブ(体育会系)が就職に有利か書いていたのだが何とボート部だという。 失礼な言い方だが、あまりメジャーじゃないので疑問に感じたのだが読みすすめていくと、 ボートは一人では動かず部員が一致団結しないと進まない、その精神が会社組織には役立ち それを備えたものは使いやすいという事だった。これもまた社会の大勢に即す考えだ。 ところが当時は折りしもバブル景気に移行する頃で、「会社の歯車でいいのか!」 「遣り甲斐のある仕事を選べ」と優秀な人が大企業や公務員を避けてベンチャー企業などと もてはやされて独立ブームのハシリだった。 つまりそういった考えが逆に社会の大勢に即していたのだと思う。 それから数年後超不景気で今や公務員大人気。 INSもアイ・エヌ・エスではなくインスと呼ぶようになった。 しかし全体を通して順応同化の精神を踏まえ社会を見た時冷静な判断が出来そうな気がする。