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== 約分と最大公約数 ==
≪解説≫
○ 約分と公約数

 分数の分母と分子が「共通の整数」で割り切れるときに、分母と分子をその共通の整数で割って簡単な数で表すことを「約分」といいます。
 このとき、分母と分子に共通な整数を「公約数」といいます。
の分母20と分子12はいずれも4で割り切れる(→「共通な約数は4」→「4が公約数」)から、分母と分子を各々4で割ると、
と書けます。

 実際に約分するとき、右の解説(1)のように「最大公約数」で割ると直ちに最終的な答にたどりつきますが、「最大公約数」を急に思いつかないときは(2)のように「公約数」で少しずつ割っていく方法もあります。…リラックスして気楽にやるとよいでしょう。

公約数」と「最大公約数
 約分は、次のいずれかの方法で行うことができます。
(1) 最大公約数の4を見つけることができるときは、4で分母・分子を割って約分すれば、直ちに答になります。
= =
(2) はじめに、公約数の2で約分して見て、まだ割れるかどうか確かめてから、さらに2で約分して、答にします。
 12202で割り切れるので、2で約分することもできますが、その場合は「まだ約分できる」ことになります。
= =
=

○ 公約数の見つけ方

・「2」で割り切れる数…1の位の数が0, 2, 4, 6, 8になっていれば、2で割り切れる。
・「3」で割り切れる数…各位の数の和が3で割り切れたら、元の数は3で割り切れる。
例  213の各位の数の和は2+1+3=6になる。ここで、63で割り切れるから、2133で割り切れると考えてよい。(証明は、中学校3年生の頃に習います。)
 同様にして、111, 789, 342なども3で割り切れます。

・「5」で割り切れる数…1の位の数が0, 5になっていれば、5で割り切れる。

⇒ このほか、7で割り切れる数、11で割り切れる数の見分け方なども小中学生向けの参考書に紹介されていますが、たくさん覚えるのは大変なので、上に紹介した2, 3, 5だけを覚えておいて、他は右の解説のように「いろいろ試してみる」とできます。
※ 中学生向けの問題では、あまり大きな数字は登場しませんので、「最大公約数を正確に求めるには」と緊張しなくてもできます。
(1) 割れる数字で割って行って、それ以上割り切れないようになったら、答にする。
= = =
(2) 11 , 13 , 17 , 19などで割り切れるかどうかを調べる方法は、普通は覚えません。これらの数で割り切れるかどうかは、
  「A: 試しに、割ってみる」
  「B: 取れるだけ取って、残りで考える」
などの方法が考えられます。
Bの例
 143273の公約数を調べたいとき、2 , 3, 5 , 7のいずれでも割り切れないので、
11で割り切れるかどうかを調べるには:
143=110+33
11011で割り切れる
残り3311で割り切れる
 →14311で割り切れる。
273=220+53
22011で割り切れる
残り5311で割り切れない
 →27311割り切れない。
⇒ 以上により、11143273公約数ではない
13で割り切れるかどうかを調べるには:
143=130+13
13013で割り切れる
残り1313で割り切れる
 →14313で割り切れる
273=260+13
26013で割り切れる
残り1313で割り切れる
 →27313で割り切れる
⇒ 以上により、13143273公約数
= =

≪問題≫
 次の分数を約分して簡単にしてください。(「簡単にする」とは、なるべく小さな整数にすることをいいます。)


(1) =
採点する やり直す
(2) =
採点する やり直す
(3) =
採点する やり直す
(4) =
採点する やり直す
(5) =
採点する やり直す

(6) =
採点する やり直す
(7) =
採点する やり直す
(8) = (2桁の整数で試してください)
採点する やり直す
(9) = (2桁の整数で試してください)
採点する やり直す
(10) = (2桁の整数で試してください)
採点する やり直す
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