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《共通部分と和集合》 (問題は下にあります.)
《解説》
■ 2つの集合A,Bの両方に入っている要素全体の集合を,集合A,Bの共通部分といいABで表わします.
 例
  下の図1のようにA={2,4,6,8,10},B={3,6,9}のとき
  AB={6} です.
■ 2つの集合A,Bの少なくとも一方に入っている要素全体の集合を,集合A,Bの和集合といいABで表わします.
 例
  下の図2のようにA={2,4,6,8,10},B={3,6,9}のとき
  AB={2,3,4,6,8,9,10} です.

- 図1 -

- 図2 -
記号の区別 
 
(注意1)
 「共通部分」「和集合」は,論理的な「かつ」「または」に対応しています.
Bの要素は,「Aの要素かつBの要素」です.ABの要素は,「Aの要素またはBの要素」です.

(注意2)
 日常用語の「または」と数学用語の「または」とは,必ずしも同じではありません.
数学用語:AまたはBは,A,Bの両方に入っているものも含む.(上のA∪Bに6も入っている点に注意)
日常用語:AまたはBは,AかBのどちらか一方(両方は含まない.)のことが多い.
<例>
 喫茶店のモーニングサービスで「朝9時までにトーストを注文すれば,コーヒー又は紅茶がおまけに付く」場合,数学的な「または」の使い方なら,コーヒーも紅茶ももらえるが,店ではどちらか一方だけもらえる.

 日常用語で多く用いられるAまたはB 


《問題》

(1)  (集合の要素を答える問題)
 A={1,3,5,7,9},B={2,3,5,7}のとき
 ABの要素を次のうちから選びなさい.(チェックを付けなさい.)
 1,2,3,4,5,6,7,8, 
 ABの要素を次のうちから選びなさい.(チェックを付けなさい.)
 1,2,3,4,5,6,7,8, 

(2)
 右の図で表わされる集合A,B,Cについて
次の集合の要素を示しなさい.
(チェックを付けなさい.)
ア A
 a, b, c, d,
 e, f, g, 
イ A(BC)
 a, b, c, d,
 e, f, g, 
ウ (AB)
 a, b, c, d,
 e, f, g, 

 
 


【問題1】 (選択肢の中から正しいものをクリック)
(1)
A={ x | xは12の正の約数}, B={ x | xは18の正の約数}とするとき,A∩Bを集合の要素を書き並べる方法で示してください.
(2)
A={ x | 0<x<5}, B={ x | 2<x<7}とするとき,ABを要素の条件を述べる方法で示してください.

(3)
1から100までの整数全体の集合を全体集合Uとし,その中で2で割り切れる数の集合をA,5で割り切れる数の集合をBとするとき,集合ABの要素の個数を求めてください.
(4)
次のうちで,つねに成り立つものはどれか.


(5)
整数全体の集合をZ={ ..., −3, −2, −1, 0, 1, 2, 3, ...}とし
A={ x | x=2n−1, n∈Z}
B={ x | x=2n+1, n∈Z}
とするとき,次のうちで正しいのはどれか.

(6)
自然数全体の集合をN={ 1, 2, 3, ...}とし
A={ x | x=2n+1, n∈N}
B={ x | x=3n+1, n∈N}
とするとき,次のうちでABに等しい集合はどれか.
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■[個別の頁からの質問に対する回答][共通部分と和集合について/18.6.18]
高校になってから数学が難しくなり、困っていたのですが 解りやすい解説で理解することができました!ありがとうございます。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][共通部分と和集合について/18.5.11]
空集合についての解説が欲しい
=>[作者]:連絡ありがとう.確かにその部分が薄いようですので,考えておきます.
■[個別の頁からの質問に対する回答][共通部分と和集合について/17.8.8]
確かに仰るとおり、日常で「または」という語を使う場合に数学的な意味とは異なる場合の方が多いのは確かですが、日常会話でも数学的な使い方と同様になる場合は沢山あり、しかもそういった例は数学的な「または」とイメージ的にも似通っている場合が多いので、そのような例を用いて数学的な使い方の正確なイメージを伝える方が学習者にはより有益ではないかと感じました。 たとえば、「ある中学のサッカー部(という全体集合)では、6月の練習試合に小学生時の経験者(という集合)『または』2年生以上(という集合)が出場できる(出場可能者 = 経験者 ∪ 2年生以上)」といった場合であれば、集合における「または」とほぼ同じ意味を表すことになり、数学的な集合のイメージと重ねて理解がしやすいと思います。 コーヒーと紅茶を例に出すなら、「彼はコーヒーまたは紅茶を飲みましたか?」という質問に対して、Yesと言える状況は彼が何を飲んだときか、と考えると、彼がコーヒーのみ飲んだ場合、紅茶のみを飲んだ場合、あるいはその両方を飲んだ場合、いずれもYesと答えられます。彼がどちらも飲んでいない場合のみ、答えはNoとなりますね。 そのような例と合わせて、「セットにコーヒーまたは紅茶がつく」のような意味の異なる例を合わせて紹介することで、「数学的な『または』とは、○または○の『どちらか一方にでも当てはまる』ことを意味する」と結論づけておけば、より理解を促すことが出来るのではと思います。
=>[作者]:連絡ありがとう.詳しく書いてもらいましたが,教材に書かれていることのように思えますが・・・
■[個別の頁からの質問に対する回答][共通部分と和集合について/17.6.7]
解説がとても分かりやすく、よく理解できました
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][共通部分と和集合について/17.4.11]
段階を追って問題を解けるので、わかりやすかったです。最後の問題を間違えましたが、説明で理解することができました。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][共通部分と和集合について/16.10.23]
とても役に立ちました!Thank U! もうすぐ数検準2級を受けるのでとても参考になりました。最後に問題があるのがいいと思います。
=>[作者]:連絡ありがとう.